1970年にタイムスリップ 4
55年前の大阪万博
1970年、日本は世界で4か国目になる、人工衛星の打ち上げに成功した。いち早く宇宙開発に乗り出したアメリカは、万博会場のアメリカ館に月から持ち帰った石を展示した。宇宙開発では、後塵を拝する日本だが、アイデア満載の企業館が人気を博した。
『サンヨー館』のウルトラソニックバス(人間洗濯機)。泡のはじける超音波で、15分で洗浄。
手塚治虫プロデュースの『フジパン・ロボット館』では、子供と遊ぶロボット展示。
『電気通信館』では、プッシュ式で歩きながら全国どこへでも通話可能な携帯電話が展示された。
『アイ・ビー・エム館』や『古河パビリオン』では、コンピューター利用がうたわれている。その後のコンピューターの活用はすさまじく、国鉄の発券システムなどを経て、現在では安価な100円コンピューターの普及や体温計に組み込まれた超小型化が進んでいる。
1970年代の幕開けは、サイエンスの時代到来であったことが分かる。
現在では、サイエンス・テクノロジーのショールーム的機能の強い万博だが、万博の始まりはいたってシンプルだった。
1851年ロンドンで開催された第1回目、主催はビクトリア女王の夫・アルバート公で、「クリスタル・パレス」と命名した展示施設1館(延床10万㎡)のみ。ところが、当時のロンドンの人口の3倍の600万人が来場した。
この収益で、V&Aミュージアム、自然史博物館、科学博物館が創設されている。byメイ