あなたのステキな足あと
congratulation to your happiness!!

このページは、私たち大阪校にステキな足あとを刻んでくださった在校生・OBGのご活躍を紹介しているページです。

ますますのご活躍を心より応援させてください!

(月刊「シナリオ教室・大阪校だより」に掲載)

尚、2011年以前の記事は、旧ホームページへリンクしています。(新しいウィンドウで開きます。)

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2012年

北川由美子さん『大和川――明日に向かう流れ――』にて第44回BKラジオドラマ脚本賞佳作受賞!

受賞作についてお聞かせください。
「このお話は、江戸時代の大坂が舞台の、命や暮らしを明日に繋いでいこうとする人々の物語です。大和川の付け替え工事は、実際にあった出来事なので、そこは史実と齟齬のないよう気をつけました。具体的には、集められる範囲でできるだけ資料を集めました」

 一番伝えたかったメッセージをお聞かせください。
「分断や対立の先に、真の幸せは存在するのか、ということを書きたく思いました。が、なかなか結論の出ない問いだと思います。ただ愛する人を守りたい、ただ平穏な日常が欲しい、そんなささやかな幸せを求めて、利己主義に陥ったり、分断や争いを余儀なくされるのも、また人というものだと思うので」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「私の祖先は会津藩士だったのですが、元々会津の人間ではなく京都で松平容保と出会い会津藩士の家に養子に入ることを決心したそうです。あの激動の時代に、よくそういう決心をしたものだなと思います。このような、書物から知った歴史ではなく、今も身近なところで息づいている歴史、自分の中で命を持っている歴史を作品にしてみたいです」

 記事をご覧の皆さんにエールをお願いいたします。
「みなさまのお役に立てそうな言葉が思いつかないので、代わりに、私が行き詰った時思い出す、文豪ゲーテのことばを贈らせて頂きます。『その夢を失くして、生きてゆけるかどうかで考えなさい』」

 北川由美子さん、受賞おめでとうございます!(片岡)

2024年4月

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かなめぐみさん、岡田明さん第15回日本映像グランプリ2023にてジェンナー賞受賞!

 かなめぐみさん監督脚本、岡田明さん製作総指揮の「リトルサイエンティスト」が第15回日本映像グランプリ2023にてジェンナー賞を受賞されました!

 どのようなきっかけで物語の着想を得られましたか?
かなさん「物語に登場するいつも実験に夢中な科学大好き兄弟は、私の息子たちがモデルです。母親は私の理想を投影しています。子どものために頑張るお母さんと頑張れないお母さん、両方を書きたかったのかもしれません」

 一番伝えたかったメッセージは何ですか?
岡田さん「一緒に実験をしてくれないママに不満を募らせ、ママの心を変えたい子供達。反発しながらも惹かれあう親子の心の揺れ動きを映像として表現しようと心掛けました」
かなさん「どんなに毎日が辛くても、誰かを想う気持ちを大事にできたらいいなと思っています」

 映画撮影時の様子についてお聞かせください。
岡田さん「物語ではたくさんの実験が登場します。アルコールロケットの実験シーンでは、想定よりもロケットが綺麗に飛んだのでOKカットが撮れた後も主役の子役さん達から実験のリクエストが相次ぎました。制作陣にとって非常に楽しい瞬間でした」

 次の目標をお聞かせください。
かなさん「母親という総称によって消されてしまう個人を描くべきだと考えています。釘付けになる映像も撮りたいです」
岡田さん「今回は中編だったので30分くらいまでの短編作品を撮ってみたいです、ゆくゆくは大好きなホラーやサスペンス作品を撮れたらなと思っています」

 かなめぐみさん、岡田明さん、受賞おめでとうございます!    (片岡)

2024年3月


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近藤まゆみさん、家政夫のミタゾノのスピンオフドラマ『家政負のヒカル』にてご執筆!

 人気ドラマシリーズ初のスピンオフドラマのご執筆に、プレッシャーはありましたか?
「今回はまず本編の企画の段階でお声をかけていただきました。もし、いい企画を提案できていれば本編の執筆もできたかもしれませんが今回は至らず。その後、スピンオフドラマの放送が決定し、一本書かせていただけることになりました。プレッシャーはあまり感じませんでしたが、初めてのスピンオフということで、企画を出す段階でプロデューサーさんの意向を掴むのに苦労しました。ドラマの種類にもよるのかもしれませんが、とにかくもっと時事ネタ、最近の流行りを掴んでおくこと、日頃からネタになりそうなことにアンテナを張る必要があるなと感じました。コンクールでもそれは多少必要ですが、仕事となると、それがないとプロデューサーさんと話をする時に困るかもしれません」

 記事をご覧の皆さんにエールをお願いいたします。
「私もようやくスタートラインに立てたのだろうか? という段階です。私はどうにかデビューしたくてコンクールだけではなく、ライターズバンク経由でテレビ以外のお仕事から始めました。仕事にしたい方はとにかくまずライターとして仕事をするという経験があった方がいい気がします。最近ではSNSでお声がけいただいたお仕事もありました。とにかく何からつながるかわからないし行動したことは決して無駄にならないので、とにかく行動することが大事だと思います。お互いに頑張りましょう!」

『家政負のヒカル』はTELASAにて配信中です!     (片岡)

2024年3月


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三井玲衣さん脚本の『サバイバル忍者』が第15回京都映画企画市にて優秀映画企画受賞!

 企画のきっかけについてお聞かせ下さい。
「拙作のYouTubeドラマ『おやじキャンプ飯』の別作品(それも時代劇です)について監督と話し合っている時、ふと監督が『僕の苗字は聖徳太子が付けてくれた』と発言されたのをきっかけに、監督が全忍者の始祖の末裔であることや、その始祖と聖徳太子の出会いが滋賀県甲賀市に伝説として受け継がれていることを聞き、『それは絶対映像化した方がいいです!』と私が強く要望してこの企画が実現しました。まさかこんなにも早く映像を作れるとは思わず、とても驚いていますが、反面嬉しい気持ちでいっぱいです」

 なぜ、聖徳太子の物語を描かれたいと思われたのですか?
「時代劇といえば戦国時代や幕末が多く、古代史はほとんどありません。また、私が古代史が好きなことや、誰もが知る聖徳太子なのに映像作品がほとんどないこともこの物語を描こうと思った要素になっています。誰もが知る聖徳太子がいかに聖人君子と呼ばれるようになったのか? いかに日本を立て直していったのかを知ることは、今の日本人にも通ずるのではないかと思っています」

 記事をご覧の皆さんにエールをお願いいたします。
「私の脚本家人生はシナリオ・センターから始まりました。なにより今も繋がっている仲間がいたから、ここまでやってこれました。大人になってから仲間ができることはそうそうありません。仲間と切磋琢磨しながら、なりたい脚本家像を大切にして励んでほしいなと思います!」

 三井玲衣さん、受賞おめでとうございます!       (片岡)

2024年1月


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永江二朗さん監督の映画『リゾートバイト』が10月20日より全国公開!

 映画についてお聞かせください。
「上野境介プロデューサーとの話し合いで、ネット都市伝説3部作、最終章は、ネット怪談の集大成として語られている『リゾートバイト』しか無い! と意見が一致しました。映画化にあたっては元投稿の素晴らしい要素はなるだけ盛り込みつつ、やっぱりそれだけではなく、今回もプロデューサーと脚本の宮本武史さんと一緒に何十稿も書き直して、オリジナル要素を上手く取り入れた作品に仕上げました」

 一番の見どころを教えてください。
「絶対に先が読めない86分、という部分ですね。前作の『きさらぎ駅』同様に、皆様の斜め上をいく展開が用意されているのでお楽しみいただければと思います」

 作品作りにプレッシャーを感じることはありますか?
「プレッシャーは勿論ありますが、それは今回に限ったことではなく、どんな小さな作品でも毎回引退覚悟で監督しているので変わりません。つまらない作品を撮ったら終わりだと思って毎回監督しています。勿論、映画は一人では作れませんので、私自身は毎回自分が出せる力は全て出そうと心に決めて監督しています」

 このコーナーをご覧の皆さんにエールをお願いいたします。
「プロデューサーの上野さんはシナリオ・センター大阪校出身で、脚本の宮本さんは東京校出身です。年齢の近いシナリオ・センター出身の3人で映画を作っています。一緒に勉強している方を大事にしてください。将来、一緒に仕事する可能性は大いにあると思います!」
 永江二朗監督の次回作も楽しみです! (片岡)

荻安理紗さん脚本の『お姫様クラブ』が「世にも奇妙な物語’23夏の特別編」にて放送されました!

荻安理紗さん脚本の『お姫様クラブ』が6月17日(土)オンエアの「世にも奇妙な物語‘23夏の特別編」にて放送されました!
 
人気の長寿番組でご執筆される事にプレッシャーはありましたか? 
「そもそも『ではあなたに脚本をお願いします』みたいな頼み方をされたわけではなく、『ちょっと面白そうだからプロット書いてきて』と言われて何回か書いて提出して、気づいたらスタッフとの会議に参加して。そこで『初稿書いてきて』と言われて初めて脚本を書くことに気づきました。プレッシャーは特になく決定稿までのびのび書きました。脚本を書くこと自体にプレッシャーはなかったのですが、初稿を書く直前にキャスティングの第一候補で鈴木保奈美さんが挙がってるという事実を聞いてびっくりでした。決定稿に至るまで、保奈美さんからの感想もいただきながら脚本を練り上げました」


 放送後に周りからの反応はありましたか? 
「映像以外なら商業脚本の実績はそれなりにあったのですが、やはり全国ネット・ゴールデン帯ドラマの脚本を書くと一目置いてくれる人が多かったですね。当然、多くの感想がネット上にあり、否定的な意見も含めて大分参考になりました」


 このコーナーをご覧の皆さんにエールをお願いいたします。
「コンクールへの挑戦を続けるのは非常に大事だとは思います。しかし、コンクールばかりにこだわらないでください。持ち込みをしたり、ライターズバンクの募集に挑戦したり、小さな仕事でも積極的に請けていったりしてプロとしての実績と経験を積みましょう。私は挑戦を続けるので皆さんもぜひご一緒にどうぞ!」
 今後の荻安理紗さんのご活躍も楽しみです!  (片岡)

 

髙橋英樹さん「クオラ!」にて第44回シナリオS1グランプリ、奨励賞受賞!

 受賞作についてお聞かせ下さい。
「本作は懲役を終えた元暴力団幹部が、かつて苦労をかけた元妻との再婚をめざし、就労指援員の熱い支援のもとネイリストとなる話です。もともと『元暴は、ネイリスト』のようなタイトルだったのですが、相当、呻吟してひねり出したのが『クオラ!』というタイトル。主人公の口ぐせが、本来は『こら!』なんですが、彼が腹の底から声を出すと『クオラ!』に聞こえる。更生後の主人公が人に勇気を与える場面で、この言葉をぶつけました」


 一番伝えたかったメッセージをお聞かせください。
「伝えたかったのは『みんな、生き辛さを乗り越え、笑おうよ!』という事です。大きな生き辛さを抱える二人がコンビを組んで困難に立ち向かい、辛いことを笑い飛ばしながら乗り越えていく話が書ければ、観た人に勇気を与えられるのではないかと思って描いたのが本作です。物語づくりに大いに参考にさせていただいたのが、『ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。』というノンフィクションの本です。この本で取り上げられている方は、様々な逆境を乗り越えて地元ソウルフード、肉うどんの店を開店されました。いつか、お礼参りを兼ねて行ってみたいです」


 このコーナーをご覧の皆さんにエールをお願いいたします。
「書き続けることで次の地平が必ず見えてきます。私も、めげずにこつこつ書き続け、ようやく賞をいただけるところまで来ました。みなさん、いっしょに書き続けましょう!」
 髙橋さん受賞おめでとうございます! (片岡)

2023年10月


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高矢航志さん作・演出の『追想せる住人』が東京と京都にて上演!

 高矢航志さん作・演出の劇団FAX東西ツアー公演『追想せる住人』が3月19日、21日、東京の北池袋新生館シアター、4月22日、23日、京都にて上演されました!
 2都市での公演に至る経緯をお聞かせください。
「今は東京に住んでいますが、学生時代は京都で演劇をやっていました。当時のメンバーは約半数が関西に残り、約半数が就職のため東京に来ています。関西で演劇を続けている友人たちと芝居がしたい、一緒に上京した友人たちとも芝居がしたい。図々しく欲を出してみた結果、2都市でのツアー公演が実現しました」


 公演を終えられてのご感想をお聞かせください。
「プロの脚本家としてデビューしてもうすぐ1年、自分がどこまで来たのか確かめたいという思いとともに始まった企画でした。結果的にわかった唯一のことは、自分はまだどこにもたどりついていないという事実です。優秀な役者やスタッフに支えられてなんとか完走できた公演だと思っています。さらに精進します」


 舞台脚本を書かれるようになったきっかけをお聞かせください。
「高校時代、文化祭で僕が書いたのは、ビデオ通話で葬式をやる家族の話、という湿っぽい脚本。周囲はドン引きです。それでもなぜか優勝作品に選ばれ、僕自身も、今後も演劇をやろう! と思う程度には調子に乗ったわけです」


 このコーナーをご覧の皆さんにエールをお願いいたします。
「何かを表現したい人の心にはすでに火がともっていて、それをどんなふうに燃やすかは自分次第だと思います。お互い楽しく書いていきましょう!」
 高矢さんのこれからのご活躍が楽しみです!        (片岡)

 

2023年9月


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岡坂隆志さん、ACE戯曲シナリオコンクール受賞!

  受賞作『大島さんのレシピ』が、舞台「追憶映画館」のオムニバス4作品のうちの1作品として、4月19日(水)~4月23日(日)中目黒トライにて上演されました!

 受賞作についてお聞かせください。
「コロナで亡くなった場合、遺体を24時間以内に焼却しなければならない。というルールを知ったとき、弔いの時間までも不要と言われているような錯覚に陥り、何て寂しい時代になったんだろうと思いました。そんな中でも前を向いて生きていくための物語を紡ぎました」

 実際に舞台をご覧になられたご感想をお聞かせください。
「脚本は1人の作業でしたが、それをスタッフや役者の方たちに形にしていただき、お客様に見ていただく機会に恵まれました。作品に関わる方が増えれば増えるほど、世界がより具体化していくということ。そして客席で鑑賞したとき、物語は生きているということを実感しました。観客のすすり泣きや拍手が聞こえたときの感動は、忘れられません」

 岡坂さんは「シナリオ・センター舞台脚本コンクール2022」でも佳作を受賞されていますが、舞台脚本を書かれる際、一番意識している事は何ですか?
「私が師と仰ぐ人から言われた、自分自身が自分の心を動かされるものを書くという事を意識しています」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「私もまだまだ修行中です。皆さんと共に書き続けていきたいと思っています。ドラマを通じて、”Love& Peace”な世の中を創っていきましょう!」

 岡坂さん、受賞おめでとうございます!(片岡)

 

2023年8月


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有松朗子さん監督、川島祐介さん監督・脚本の映画『ファザーファースト』が岡山市立オリエント美術館地下講堂にて上映されました!

 映画を撮ろうと思われたきっかけはどういったことからですか?

有松さん「シナリオ・センター大阪校創立40周年に開催された上方わが町ショートシネマフェスティバルで尼崎を舞台にした短編映画を撮ったのですが、その時に意外と知られていない岡山の魅力を伝える地元の映画を撮りたいと思いました。川島さんとは尼崎の短編映画の時に一緒のチームで、脚本のレベルの高さには全幅の信頼を置いておりましたので、今回、是非にと思いお願いしました」

川島さん「有松監督のお声がけにより、脚本家を志す身として映像化という誉まれの機会を与えて頂き、感謝の気持ちを抱くと同時につまらない脚本は書けないと身を引き締めて映画制作に臨みました。脚本は初稿から決定稿まで20回以上書き直しました。岡山のいいロケーションを見ては取り入れ、ロケ地の都合で使用が困難になる度に書き直し、セリフ1つまでチームで意見を出し合い修正していくのは大変でしたが、脚本が精錬され良くなっていくのを実感し、やりがいがありました」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。

有松さん「脚本の向こうには、沢山のスタッフや役者が待っていてくれることを今回実感しました。これからもお互い頑張っていきましょう」

川島さん「書く人によって様々な色がでて、良くも悪くも実力が顕著に出るのが脚本という仕事だと思います。替えのきかない存在になれる様、共に切磋琢磨していきましょう!」

 有松さんと川島さんの今後益々のご活躍が楽しみです!  (片岡)

 

2023年7月


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長島清美さん、令和4年度橋田賞新人脚本賞、佳作受賞!

 受賞作『ビリーヴ』につきましてお聞かせください。
「作家集団のゼミで発表した課題を膨らませて書き直したのが本作です。SNSの時代に手書きのラブレターが届いたら? 受け取り手が中年男性だったら? しかも、高校時代に憧れていた女性からだったらどうする? どうなる? と、次々に思いが巡り、書きながらワクワクしていた覚えがあります」


 一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「信じる事ですね。友達を信じる。仕事仲間を信じる。愛する人を信じる。大人になるにつれ嫌な事も多いけど、人生何が起こるかなんて誰にも分からないやん! 何よりも自分の未来を信じて行こう! それがこの作品のテーマです」


 受賞が決まった際のお気持ちをお聞かせください。
「ヨーーーッシ! と、電話を切ってから叫びました」


 長島さんは第20回テレビ朝日新人シナリオ大賞でも優秀賞を受賞されていますが、コンクール対策などはどのようになさっていますか?
「対策は特に何もしていませんね。自分が好きなドラマ、観たいと思うドラマを目指して、私はこんな事に感動するんだ、という気持ちを大切にしています。こんな役者さんに演じてもらいたいなぁ、と思う役者さんの写真をスマホで見ながら、自分が好きな事に素直に、一直線に、いつも書いています」


 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「夢は逃げません。一緒に頑張りましょうね」


 長島さん、受賞おめでとうございます!         (片岡)

 

2023年6月


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阿部奏子さん、第43回BKラジオドラマ脚本賞、佳作受賞!

 阿部さんの同賞受賞は、昨年に続き2年連続です!
 受賞作『天空のふたり』についてお聞かせください。
「母親が60代に入って直ぐ認知症になり、それがいよいよ進行し施設に入って2年程経った頃の事です。少しでも記憶を呼び戻そうと、昔の話を母にしていた時に、何の気なしに今自分が何歳か分かる? と尋ねると、母は20歳だと答えました。その後会うたびに、答える年齢は下がっていき、会話が出来無くなってしまう直前の年齢は4歳でした。その時の母は、幼い少女のように可愛らしく見え、本人にとっては本当に4歳なのだと思えました。その時の、本当の年齢と認知症を患う人が思う年齢は異なると言う事が、今回ストーリーの基となっています」

 一番のアピールポイントは?
「介護とか認知症等を扱うと、どうしても重く辛い話が多くなりがちだと思いますが、そこを逆手に取って、エンタテインメントとして描いた点です。審査員の方々は、前年の受賞者と同一人物の作品だとは思わなかったと、驚かれたそうです」

 次なる目標は?
「勿論放送化です! どうしても放送化して欲しくて、頑張って書いたのですが、なかなか遠いです」

 このコーナーををご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「日常生活でもいろいろ困難な事があるなかでの創作は大変だし、新しいアイデアを捻り出すのも辛いし、コンテストに落ちるのはもっと辛いです。それでも切磋琢磨しあえる仲間が居れば何とか続ける事が出来ます。私も本当にまだまだです。皆さんと一緒に頑張りたいです」

 阿部さん、受賞おめでとうございます!         (片岡)

2023年5月


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出雲弘紀さん第15回島崎藤村記念文芸祭一般の部創作部門佳作受賞!

 今回の『精肉店、最後の日』の受賞についてお聞かせ下さい。
「島崎藤村生誕150年、藤村ゆかりの地・中津川市制70周年という節目の年のコンクールでしたので、テーマを練られた多数の応募作品があるだろうと予測されました。『初恋』などが連想されるロマン的な作品が好まれる文芸祭なので、敢えて『破戒』に代表される自然主義的な作品にチャレンジしました」

 出雲さんはこれまでも多くのコンクールで受賞されていますが、シナリオを学ばれて、一番役に立った事は何ですか?
「『今時の女子高生は、そんな言葉、使いませんよ』とゼミで指摘され続けています。シナリオのセリフは生きています。小説やエッセイでも同じことで、セリフの善し悪しが作品の価値を左右します。シナリオを書き、学ぶことは他の作品作りにとても役立っています」

 作品を書き続けられる、一番のモチベーションは何ですか?
「シナリオ・センターで『作品を書き続ける人がプロの作家だ』と教えて頂きました。ゼミで若い作家さんの作品に触れ、みずみずしい感性に接することが、私の創作の原動力になっています」

 このコーナーをご覧の皆様に一言。
「『温故知新』とは、『ふるきをあたためて、あたらしきをしる』との意とか。若い人にウンチクを垂れながら、一本でも多くの作品を書きたいと願っています。もし、『私にライターは向いているのか?』と迷われたら、書き続けることをお勧めします。書き続ける人こそ、プロなのですから」
 出雲さん、受賞おめでとうございます!         (片岡)

2023年4月


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土居佑香さん、『牡丹の花』にて連続受賞!

 土居さん監督の映画『牡丹の花』は第1回FFF-S BEYOND優秀作品の受賞に始まり多くの映画祭で計7つの賞を受賞されました!
 受賞についてお聞かせください。
「ありがたいことに、2022年は映画祭でいろいろな土地に足を運ぶことができました。今の私は『牡丹の花』を制作していた時の私とは別人なので、どこか他人事のようにも感じてしまいますが、確かにこの作品でたくさんの方と出会い学びを得ました。感謝しています」

 撮影時の様子についてお聞かせください。
「私にとって『牡丹の花』の制作は初めてのことだらけでした。いい映画を作るという共通の目的を持って集まってくださったキャスト、スタッフの皆さんには感謝してもしきれません。印象的だったのは、本読みの時です。初めてお会いしたキャストの皆さんが、深く脚本を理解してきてくださっていました。文章がリアルになる瞬間とその感動はきっとこれから何度体験しても飽きないだろうなと感じました」

 この映画で一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「この映画を観てくださった方々にそれぞれのあの頃を思い出してもらえるように努めました。線香花火の魔法は、一緒にした場所、一緒にした誰かを思い出すことにあると考えています」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「2022年はたくさんの方に出会いお話をしましたが、人の数ほど正解があると改めて気が付きました。頑張り方も楽しみ方も人それぞれです。一緒に楽しみましょう!」

 土居佑香さん、受賞おめでとうございます!       (片岡)

 2023年3月


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永江二朗監督にお話をお伺いしました!

 映画最新作「きさらぎ駅」についてお聞かせください。
「ホラー作品でカメラ視点を駆使したPOVホラーは世に溢れていますが、ゲームのような本人主観のホラー映画はほとんどありません。FPS(一人称視点)撮影は実際にやると、その難易度にキャスト・スタッフ一同メチャクチャ苦しみました。正直、私の監督作品の中で一番スマッシュヒットしまして、続編を期待してくださるお客様の声はメチャクチャ届いています。引き続き応援いただければ幸いです」
 
 これからどんな映画を撮ってみたいですか?
「ホラー映画は引き続き監督したいと思いますが、『いしゃ先生』や山本周五郎原作のようなヒューマンドラマの映画も監督していきたいです。ある意味真逆なホラージャンルの監督だからこそ人間を演出できる部分もありますし、見せれる景色もあると思います。なので、いつかホラー出身の私が映画祭で数々の賞を総なめするようなヒューマン作品を監督したいと思います」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「私も18歳の頃、山田洋次監督が『作品(良し悪し)の7割は脚本です』と講演で言われていたのを聞き、シナリオ・センター大阪校に入学しました。そして、それはプロの監督になって一番痛感します。脚本が書ける監督は本当に重宝されます。そして、脚本の本質や意図を理解出来ない監督は本当にプロでは通用しません。是非、徹底的に脚本の勉強をしてください! 必ず凄い武器になりますので!」

 永江二朗監督の次回作が楽しみです!          (片岡) 

2023年2月

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吉野万理子さんご活躍中!

 今回は多くの小説を執筆されてきた吉野万理子さんにお話をお伺いしました!

 今迄書かれてきた小説の中で、一番思い入れのある人物は誰ですか?
「『チームふたり』に登場するルリという、ひねくれた女の子です。卓球の物語なのに卓球をやめてしまった子。そういえば名作漫画『スラムダンク』でも、私の一番好きなキャラは、バスケ部に所属していない水戸洋平くんなんですよね……」

 最新刊の『5年1組ひみつだよ』についてお聞かせください。
「今、『朝読』を推奨する小学校が多いので、『5分で読める』『あっと驚く結末』の作品集が流行っているんです。でも、プロットのように荒っぽい文章の本も増えています。それで、子どもたちに本を読む面白さをじんわり感じてもらえる作品を届けたいと考えて書きました」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「昔は短編集は売れない、と編集者によく言われたのですが、時代が変わって、短いコンテンツのほうが読まれやすくなっている気がするんですよね。だから、短編連作集に力を入れていきたいなと思っています。長期的には『戦争』を十代の若者に伝えていく物語を作りたいですね」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「たくさん『引き出し』を作ってください。コンクールでうまくいかなかった作品も、宝物ですよ。というのも入賞すると、新しいアイデア、次の作品を求められることが増えるんです。そのとき、いろいろ提案できるとチャンスは広がります。皆さん、応援しています!」

 今後の吉野さんの活躍も楽しみです!           (片岡)

2023年1月

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川嶋秋月さん執筆の『服を纏った白骨 弁理士探偵羽生絹』が出版されました!

 物語着想のきっかけは何ですか?
「私はもと弁理士で、自分の経験を活かすため弁理士探偵を思いつき、偶然拾ったボイスレコーダーの会話から事件を推理するとどうなるか、と思ったのがきっかけです」

 弁理士探偵羽生絹シリーズと銘打たれている本作ですが、今後の展開についてお聞かせください。
「弁理士は種々の分野の発明を手掛けます。今回は医学が中心でしたが、次回から物理学や製造技術など別の分野にも展開してく予定です」

 小説を書き始めたきっかけはなんですか?
「作家は子供の頃からの夢でした。一番のきっかけは大阪校出身の娘、藤村美千穂にアドバイスされ、シナリオから書き始めた事です」

 普段、小説を書くためにどんな工夫をされていますか? 
「自分が興味のあるテレビ番組やニュースから、題材や着想を得るようにしています。また、典型パターンの小説、ドラマは見すぎないようにしています」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「これからが本番なので、できるだけ発想を飛ばして、読者の共感を呼ぶ作品を描きたいと思います」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオ・センターの授業では短い話にまとめるのが苦手で、いつもお叱りを受けていましたが、勉強を始めて12年間、あきらめずに精進してきました。皆様もあきらめずに努力を続けてください」

 川嶋秋月さん執筆の『服を纏った白骨 弁理士探偵羽生絹』はAmazonで販売中です!  (片岡)

2022年12月

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槌谷健さんご活躍中!

 今年放送の「インビジブル」「愛しい嘘~優しい闇~」に脚本協力として参加されていますが、具体的にどのような仕事をされるのですか?
「主に全体&各話プロット、キャラクターやエピソードの設定などをしています。例えば『愛しい嘘』だと、よりミステリーの要素を高めるために、脇の人物たちが過去に花火にまつわるトラウマを抱えている、というエピソードを脚色しました」

 他の方との共同執筆では、どのような事に気を付けていますか?
「一番注意しているのは、キャラクターがブレていないかということです。喋り方などセリフそのものや、性格、行動パターンなど。自分ひとりで書いていてもブレることがあるくらいなので、共同執筆ですと特に苦心する部分だと思います」

 今迄「半沢直樹」「ブラックペアン」など、様々なジャンルの作品を執筆されてきましたが、幅広く作品を書く為のコツはありますか?
「〆切に追い詰められれば誰でも書けると思います(笑)。ただ、どのジャンルにおいても、結局はキャラクターが面白い(魅力的である)ことが一番だと思いますので、日頃から人物描写を丁寧に描く心がけをしておくことが大切だと思います」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「自分が言ったひと言で、目の前の誰かが笑ってくれた、という経験が一度でもあるならば、その人には脚本を書く才能があると思っています。脚本家になるための才能とはそんな些細なもので、あとは書き続けるのみです。ゼミの課題にせよコンクール作品にせよまずはそれを読む人を全力で楽しませてあげてください」

 槌谷さんの今後益々のご活躍が楽しみです! (片岡)

2022年11月号

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出雲弘紀さんがメインライターを務められた「火の鳥大解剖」が三栄書房より出版されました!

 手塚作品に係わったきっかけは何ですか?
「手塚作品に係わったのは2014年発行の『手塚治虫キャラクターFILE』にメインライターとして執筆したのが最初です。2019年~2020年発行の『テヅコミ』では毎号テーマ別に7作品、15回にわたり手塚漫画を紹介させていただきました。最新刊『火の鳥大解剖』では敬愛する手塚治虫さんのライフワーク的代表作をメインライターとして執筆でき嬉しさもひとしおです」

 執筆される際、どれ程の資料を読み込まれていますか?
「執筆前には、解説本、専門誌、週刊誌、新聞など40冊程度の書籍を揃えます。もちろん、題材になっている漫画は再読しますが、手塚作品は同じ漫画でも、出版年や出版社や版型(豪華本・新書・文庫本など)が違えば改稿(セリフや画のかきかえ)がなされていますので、何冊にも目を通します。『鉄腕アトムの第1巻は、違うバージョンで5冊持っているんです』と言う事が私の自負です。

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「『ブラック・ジャック』の第158話『不死鳥』は、そのまま『火の鳥』のアウトストーリーにしてもおかしくない作品でしたが、いずれ『火の鳥』の一編として改稿するつもりだったのか雑誌掲載後、新書・文庫には未収録です。自作を大切にする現れだと思います。皆さんも自作を大切にしてください。それは、少しずつ輝きを増し名作にかわるのですから」
 出雲さんの今後の活躍が楽しみです! (片岡)

2022年10月号

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たーじーさんご執筆の絵本「ゆいのちゃんとやさいのかみさま」が、みらいパブリッシングより出版されました!

 ご執筆のきっかけを教えて下さい。
「自分の子どもが野菜を食べなくて困っていました。そこで自分の子どもを主人公にした絵本を作って読み聞かせすることで、野菜に興味を持って貰えれば良いな、と思ったのが、この絵本を書いたきっかけです」

 ご執筆の際、気を付けたことはありますか?
「少ない文字数でどれだけ伝えられるか、次のページが気になるようにするにはどうすれば良いかを気を付けました。特に気を付けたのは野菜の調理方法ですね。それと、この呪文を本当に子どもが唱えられるのか? と思い、実際に子どもに言わせて試したりもしていました」

 絵本の効き目はありましたか?
「保育園で『お野菜食べれたよ。お野菜食べたら神様喜ぶで』など言っていましたので、少なからず効果があったと思います」

 出版の際、印象に残った出来事などありましたら教えてください。
「絵の担当の方に、キャラクターは愛嬌のある絵になるように、ご飯は美味しく見えるようにとお願いしました。毎回、可愛い絵を送って来られるので楽しかったですね」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「今の自分はシナリオ・センターで学んだことが基礎になってます。沢山の作品に触れられるのもここでしか経験できない事なので、シナリオ・センターでの時間を大切にして下さい。そして自分が楽しいと思う作品をどんどん書いて欲しいですね」

 たーじーさんご執筆の「ゆいのちゃんとやさいのかみさま」はAmazonにて販売中です! (片岡)

2022年9月号


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髙橋英樹さん「大江戸拉麺勝負」にて第42回シナリオS1グランプリ、準グランプリ受賞!

 受賞作についてお聞かせ下さい。
「石垣島に行ったときに木灰そばに出会い、これ、使えるかも! と思ったのがこの話の出発点です。沖縄そばも今はかんすいを使って中華麺風の麺を作りますが、昔はかんすいが手に入らず、ガジマルの木を燃やした灰を浸けた水を使っていました。本作で主人公は、中国の碱(かん)の代わりに木灰を使いますが、それは木灰そばから思いついたアイデアです」

 受賞のご感想をお聞かせ下さい。
「ご指導いただいた先生方への感謝、自分の作品が出版物で活字になるという晴れがましさ、コツコツ出し続けてきてよかったという気持ちなど、色々なことを思いました」

 時代劇の魅力は何ですか?
「私の場合、時代劇が得意というより、好きです。私にとって時代劇の一番の魅力は、古くならない事。現代劇は、使ったアイテムがどんどん古くなっていきます。例えば、ガラケーを使っていたり、レストランで煙草を吸っていたり。アイテムが古くなると、その分だけ感情移入しにくくなっていきます。でも、時代劇にはそれがありません」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「先生やシナリオ・センターの仲間と、また、ご友人などとしっかりコミュニケーションし、作品を磨いてください。思わぬ気づきがあったり、モチベーションがアップしたり、隘路から抜け出せたり、話しているうちに頭の整理がついたり、色々と良いことがあります。その先にきっと輝かしい未来が待っています!」

 髙橋さん受賞おめでとうございます! (片岡)

2022年8月号



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シナリオ・センター大阪校創立45周年記念賞小説部門にて、山本昌子さん優秀賞、壱の人さん、庄田二九直さん佳作受賞!

 受賞者の皆様に受賞作についてお聞きいたしました!

山本昌子さん「『大阪の中心』が舞台という条件でしたので、地図帳を眺めながら梅田や中之島界隈のルートで記憶と想像から場面をつくりあげました。演奏場面の『浪速倶楽部』は、レトロな素焼きタイルで覆われた実在するビルです。大阪らしい風景で、もう少し詳細に描写したらよかったと反省しています。形のない音楽を読み手がイメージできるよう、ことばを尽くしました」

壱の人さん「まず課題がメロドラマと聞いて、視覚障害の方の音楽家というキャラが思い浮かびました。そこから対比的に、聴覚障害の方の画家というキャラが出来たので、じゃあ舞台は特別支援学校にしようかなと。受賞の連絡の電話をいただいた時は、おおっ! となりました。ただ連絡から数時間が経つと、あそこはもっとこうした方がよかったのではみたいな考えが浮かんできました。これからも精進したいと思います」

庄田二九直さん「小説クラスで先生が紹介してくださった本が、全編口語体で書かれていて、こういう書き方もあるのかと気付かせてもらいました。それがちょうど45周年の作品を書こうと思っていた時期で、書きたい話にピッタリはまりました。その応募作品が賞をいただけて素直に嬉しく思います。いつも読んでくれる人の心をざわつかせたり、切なくさせるものを書きたいと思ってるので、少しでもそんな感じになってもらえたら嬉しいです」

 受賞作は『大阪のドまん中で愛を貫く』(Amazonにて販売)に掲載しています! (片岡)

2022年7月号



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シナリオ・センター大阪校創立45周年記念賞シナリオ部門にて、坂本わか菜さん優秀賞、中田亜紀子さん、雨傘美耶子さん佳作受賞!

 受賞者の皆様に受賞作についてお聞きいたしました!

坂本わか菜さん「コンクールのテーマがニューロケーションということもあり、大阪にはこんな素敵な場所があるんだと伝わるよう、この場所でどんなことをすれば映像として映えるか、という点を一番意識して書きました。その中で、うめきた広場のストリートミュージシャンを絡めた話を書きたいと思い、音が立つように相手役を盲目の青年に設定しました。目が見えない事が、ただの作者都合とならないよう、私たちと何ら変わらない普通の青年というキャラクター像も大事にしました」

中田亜紀子さん「主人公の職業を大阪に関するものにしたいなと考えました。大阪は食品サンプル発祥の地とも言われているというのを発見し、これだ! と思い、主人公を食品サンプル店の店長に決めました。昔、食品サンプルのスイーツ作りにハマっていた時期があり、食品サンプルの知識があった為、すぐにキャラクターが動き出したというのも大きいです」

雨傘美耶子さん「大阪の新ロケーションを考えるにあたり、かつて汚かった大阪湾が今は綺麗になり過ぎて魚がとれないというニュースが気になりました。汚すぎたり綺麗すぎたり、何とも不器用な魅力を感じたことから、大阪湾をモチーフにメロドラマを描こうと決めました。魚市場の雑多な雰囲気から開放的な海に至る過程で、主人公たちの関係の変化を感じてもらえたらと思います」

 受賞作は『大阪のドまん中で愛を貫く』(Amazonにて販売)に掲載しています!(片岡)

2022年6月号

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辻淳子さん「バス停から」にて第17回恋愛短編小説深大寺恋物語、深大寺特別賞、受賞!

 受賞作についてお聞かせください。
「今作は学生の頃からの付き合いで結婚したトキタとハルの物語です。『夢の実現』と『トキタとの日常』、二つの選択肢で悩むハルの心を、トキタの投げかけた言葉が動かします。結婚しても、付き合っていた頃と変わらなかった二人の日常が一変するかもしれない時、二人の根っこにある絆みたいなものが見える瞬間を描きたいと思いました。当たり前のような日常は、思っているよりとてもかけがえのないものであり、当たり前のようにいつもそばにいる人は、思っているよりも、もっとかけがえのない人だ。そんなメッセージを込めて書きました」

 受賞のご感想をお聞かせください。
「賞を頂くのは初めてで、とてもうれしかったです。一次審査通過の連絡を携帯とパソコンのメールに頂いていたのですが、それに気づいたのがかなり経ってからで、慌てて返信しました。恥ずかしい話なのですが、メールなどはこまめにきちんとチェックしなければいけないなと思いました」

 作品を書き続けるコツはありますか?
「出来るだけ楽しく書こうと思っています。仕事や家事に時間を割くことが多いのですが、そこに書く時間を加えることで、生活全体のバランスがうまくとれるように感じます」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「まだまだ私自身もっと書けるようになりたいと思っています。楽しく前向きにいっぱい書きましょう!」

 辻淳子さん、受賞おめでとうございます! 今後、益々のご活躍が楽しみです!(片岡)

2022年5月号



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田窪泉さんご執筆の水間鉄道ドラマ「アワーホーム」がYoutubeにて公開中!

 今回のネット配信ドラマについてお聞かせください。
「水間鉄道ドラマは水間鉄道と貝塚市を活性化させたいと考えたプロデューサーさんが、クラウドファンディングで実現させたプロジェクトです。支援者は主に鉄道ファンの方々だったので、登場人物達の鉄道に対する熱い思いや、鉄道繋がりで理解し合う人々の姿を大切にしました」

 執筆されるにあたり、意識された部分はありますか?
「前半で問題定義、後半で解決と決めて書きましたので、後編が観たくなるような、引きのある終わり方にするよう心がけました。そして、短い尺の中でも主人公の心の動きを丁寧に描き、観てくださる方が共感できるような流れを作ろうと意識しました」

 松平健さんが主役に決まった時のお気持ちをお聞かせください。
「子供の頃、テレビっ子でおばあちゃん子だった私は、当時昼間に再放送していた『暴れん坊将軍』を祖母と並んで熱心に観ておりまして、主演が松平健さんだと聞かされたときは胸が震えました。すぐさま祖母の墓前に報告したのは言うまでもありません」

 印象に残った出来事などありましたら教えてください。
「撮影現場に何回かお邪魔させていただき、プロフェッショナルの方々が、作品作りに真摯に取り組む姿を目の当たりにして、自分もそこに加われた事に大きな喜びを感じました。作品とは、たくさんの人達の力を注ぎ込んでできた結晶なんですね」

 水間鉄道ドラマ「アワーホーム」はYoutubeにて配信中です! お見逃しなく!  (片岡)

2022年4月号

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荻安理紗さん、「オルガニストを探しに」にて第15回南のシナリオ大賞、大賞受賞!

 受賞作についてお聞かせください。
「どうして私はフィクションを書き続けるんだろうと、ふと考えたのが物語着想のきっかけです。結論として、創作で誰かを救いたいし自分も救われたいんだなという事が分かり、男の子が好きな女の子を助けて人間として成長していくストーリーを書こうと決めました。構造としてはハーレクインなどのロマンス小説に似ています」

 一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「自分を救うのは自分しかいないけど、誰かの手を借りることはできる。人生を戦っていくのはしんどいけど、勝てるかもしれないと希望をもって戦い続けよう。と言う事です」
 授賞式で印象に残った出来事などありましたら、教えて下さい。
「制作スタッフの方が脚本を読んで泣いてくださったとの話を聞いて、ヒロインの孤独に共感してもらえたのかなと思って嬉しかったです」

 日頃、創作のために工夫されていることはありますか?
「物事に対して、人とは違った視点を持つように努力しています。あとは体調管理。体調が悪いと創作も進まないし、気持ちが暗くなるので物事の見方が歪んでいきます」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「あえて言うならば、底抜けに明るいものが書きたいですね」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「自分にしか書けないモノを書き続けましょう。私はいつも、そう思って書き続けています」

 荻安理紗さん受賞おめでとうございます! (片岡)

2022年3月号

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阿部奏子さん「赤い花、白い花」にて第42回BKラジオドラマ脚本賞、佳作受賞!

 受賞作についてお聞かせください。
「和歌山には趣味の釣りでよく足を運んでおり、山や川、海、そして、おおらかな和歌山の人々が好きなので、和歌山を舞台にした話を書こうと思いました。河を挟んで光で信号を送り合うシーンは、実際に幼馴染とやった遊びを思い出して書きました。審査員の方々にも和歌山愛は伝わっていたようです」

 受賞作で一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「家族ってほんと厄介なものだな、と子供の頃から思っていました。近ければ近い程傷つけあう事も多い。家族間ならではの特別な愛情と、それと同時に湧き上がる負の感情。その表と裏の感情の有り様を、ある家族を通して書きたいと思いました」

 日頃、創作のために工夫されていることはありますか?
「色々なニュースやドキュメンタリー番組を見るようにしています。様々な事を知って書くのと、そうでないのは違うのではないか、と思っているからです。また流行っているマンガやドラマ、映画も出来るだけ観るようにしています。それは自分の思う面白いと、世間の面白い、の共通する部分と差を知る為です」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「試行錯誤の繰り返しの中、『これをしたら上手くなる!』という法則は無いものかといつも考えていますが、未だ見つけられていません。何度も心折れながら、続けていられるのは、シナリオ・センターの仲間のお蔭だと思っています」

 阿部奏子さん、受賞おめでとうございます! 今後、益々のご活躍が楽しみです! (片岡)

2022年2月号

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近藤真由美さん「寄生虫女、ニワトリ男」にて第21回テレビ朝日新人シナリオ大賞、優秀賞!

 受賞作についてお聞かせください。
「以前、フードコートでお見合い風の男女を見かけ、なぜフードコートで? と疑問に思い、それをトップシーンにしたくて書き始めました。また、私が一人暮らしをしていた頃、マンションの隣の一軒家でニワトリが飼われていて驚いた事がありました。その事を思い出しながら、ニワトリを飼っている男性とフードコートをお見合い場所にチョイスする人物像がマッチしそうだと思い、キャラクターを膨らませました」

 受賞作で一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「条件で結婚相手を選びすぎると、もしかしたら運命の人を見落としている可能性もあるんじゃないかな、という思いはあったかもしれません。この話は、とにかく読んでいる人を楽しませてやる! という意気込みで作りました」

 授賞式で印象に残った出来事などありましたら、教えて下さい。
「正直、リモートでの授賞式は寂しいなあという気持ちはありました。ただ緊急事態宣言が明けた後、テレビ朝日本社で小さな授与式をしていただき、ご厚意がとても嬉しかったです」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「人に見てもらうことを意識して書いたら、それはちゃんと伝わるんだな、と感じました。人に伝わるようにすることは大事だと思います。私もこれからもワンシーンワンシーン、心を込めて書いていきたいと思います」

 近藤真由美さん、受賞おめでとうございます! 今後、益々のご活躍が楽しみです! (片岡)

2022年1月号

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藤七郎さん第10回講談社ラノベ文庫新人賞、優秀賞受賞作「異世界監督、シナリオ無双」が9月2日に講談社より発売されました!

 書籍化に至るまでの経緯をお聞かせください。
「受賞後、編集の方から指示された改稿が2回ありました。前に本を出したときは、編集の方の意図を把握できずに混乱したのですが、今回はシナリオの技術をしっかり学んでいましたので、すらすら改稿できました。特典用のショートストーリーの入る余地がなくて、それをねじ込む方が苦労しました」

 今後、シリーズ化の予定はありますか? 
「応募したときは続きも書ける終わり方だったのですが、編集の方と話し合った結果、1巻で終わりにすることになりました。大団円にできてよかったです。今後、講談社様からは『極めたヒールですべてを癒す!』という書籍を出版します。コミカライズの原作にもなっていますので、お楽しみください」

 異世界ファンタジーの魅力は何ですか?
「神話や歴史、種族や国、生態系。ルールや法則を自由に設定できるところが魅力かなと思います。天地創造する楽しさがあります。現実では描くのが難しい話も、異世界でならメタファーとして色々できます」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオの技術をしっかり学んで、作品に反映できたので受賞できました。勉強あるのみです。僕もまだまだ勉強中ですので、みなさんと一緒にがんばります」

 藤七郎さん原作の「極めたヒールですべてを癒す!」はマンガアプリ「マガポケ」公式WEBにて配信中です!  (片岡)

2021年12月号

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山本昌子さん「アモーレ、スクーザミ」にて第40回シナリオS1グランプリ、準グランプリ受賞!

 受賞作についてお聞かせください。
「研修科の弁護士の課題で書いたシナリオをもとにしました。50年前、全共闘運動の同志だった元カノと再会したところ、今は後妻業が疑われる、といった内容でした。そこから神戸のジェームス山や元町界隈を舞台に、かつてのバンド仲間などを加えて、ドラマを盛りあげました」

 悪女ヒロイン、美智子のキャラクターが魅力的な本作ですが、美智子に思い入れはありますか?
「団塊の世代の女性を描きたいと思いました。大都市ではフェミニズム運動も起き始めてはいましたが、まだまだ圧倒的に保守的な時代でした。全共闘運動の裏側で、女子はおにぎりを握っていたというのは有名な話です。そんな中、自我を強くもち、時代の風に乗って、まわりの人間を巻き込んで生き抜く、パワーあふれる美智子という女性をつくりあげました。なりたくてもなれなかった、わたしの憧れの女性像です」

 題名にも使われている劇中歌の「アモーレ、スクーザミ」ですが、この歌を物語に使われようと思われたのはなぜですか?
「二人の思い出の曲として60年代のポップスを探していた所、伊東ゆかりさんがカバーしていたこの曲の『あなたにそむいた、私をゆるして』というフレーズが、このドラマのテーマにぴったりだと思いました」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「書き上げたら、少しでも気になる所は書き直して、書き直して、全面的に書き直して、一番欲しい脚本賞を目標に突き進んでください!」

 山本さんのこれからのご活躍も楽しみです!  (片岡)

2021年11月号

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谷口雅美さんご執筆の連作短編集『私立五芒高校 恋する幽霊部員たち』が講談社より5月20日に発売されました!

 作品についてお聞かせください。
「十代の頃、学園もののマンガや小説に夢中だったので、主人公が次々に変わる群像劇を書いてみたいとずっと思っていました。長編が行き詰っていた時に書いたショートショートを担当の方が気に入って下さり、企画がスタートしました。短くしようとするあまり、説明不足になりがちでしたが、脇役の子が別の話では主役に回る形式だったので、次はどの子にしようかな、と考えている時間が楽しかったです」

 19人もの人物が描かれた本作ですが、キャラクターを描写される際工夫された事はありますか? 
「髪型や体形、雰囲気などを明確に伝えられるようにイメージを固めて臨みました。この子はコレ! という特徴があると、書く側としても書きやすいです。お気に入りは全員ですが、書きやすかったのは癖の強いキャラです」

 これから書きたい作品のテーマ等はありますか?
「人との出会いで得た知識や気づきを、他の人たちに届けられたら、と思います。というわけで、8月に尼崎の歴史博物館(あまがさきアーカイブスさん)はじめ、多くの方にご協力いただいた初の長編時代小説を出します」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオ教室を読むたび、頑張っているのも苦しんでいるのも自分だけじゃない、と思えます。ともに夢に向かって進んでいきましょう!」

 谷口雅美さんの最新作、『殿、恐れながらブラックでござる』(講談社)は8月12日発売です!(片岡)

2021年10月号

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林日里さん、『花火と雷鳴』にて第3回北杜市シナリオコンクール、入選!

 受賞の感想をお聞かせください。
「今までにも受賞経験はありましたが、なかなかオンエアーの夢は叶わず……。なので今回入選してラジオで放送していただけて感無量です」

 コンクールに応募しようと思われたきっかけは何ですか?
「私は転勤族なので、コンクールで募集されていたテーマの中でも『移住』については、割と身近に感じていました。今まで見聞きしたことをまとめていく気持ちで書き始めましたが、5分間で主人公の現状と心境変化を描くのは難しかったです」

 いつ頃からシナリオを書き始められましたか?
「31歳からシナリオを書き始めました。実は24歳の時、小説を書こうと思い立ったのですが、まったく枚数が進まず、最後まで書き上げることができませんでした。20代の私は、人生経験も何かを伝えたい思いも、まだまだ足りなかったのではないかと思います」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「私は自分が転勤族だということがプロを目指すうえで不利だと思っていました。だけど、地方を転々とする自分だからこそ描けるテーマもあるかもしれないとも思えるようになりました。皆さんもきっと、色々な事情を抱えながらシナリオを書いていらっしゃると思います。でもきっと、その経験は必ずシナリオに生かされる。そう信じて、一緒に頑張っていきましょう!」

 林さんの受賞作は、北杜「水の山」映像祭のHPおよび、FM八ヶ岳ラジオ番組『小林節子と大前玲子のMovie Brunch』アーカイブスにて視聴可能です! (片岡)

2021年9月号

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山脇さやかさん、『スミレの道標』にて第29回橋田賞新人脚本賞、佳作受賞!

 受賞されたご感想をお聞かせください。
「脚本を勉強する中で迷いや悩みも色々ありましたが、そのまま前に進みなさい、と、そっと背中を押していただけたようで自信にもなりました。今後は橋田賞の名に恥じぬよう、より真摯に脚本に向き合っていかなければ、と感じています」

 受賞作についてお聞かせください。
「実は、研修科の課題『ホームドラマ』で発表した作品を長篇に書き直したのが今作です。クラスメイト達や先生の評価が凄く良かったのを覚えています。橋田賞新人脚本賞の『人と人とのふれあいを温かくとりあげたテレビドラマ脚本』という募集要項に内容がぴったりだと思ったので応募しました」

 普段、シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?
「良くも悪くも自分が絶対にしないことをしている人を見つけたら、深追いすることです。その人自身を本当に追いかけなくても、想像するだけで良いんです。一体何がこの人にこんな言動をさせるに至ったのか、この人はどういう人生を送ってきたのか、この人の家族は? 友人は? など。今回の作品の主人公もそうした想像から生まれました」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「今回受賞に繋がったのは、登場人物全員を大切にし、枷や小道具などを徹底的に考え、シナリオ・センターの課題一つ一つと真剣に向き合ってきた結果だと思っています。嫌になることも辛いこともありますが、堂々と自分を表現してください」

 山脇さやかさんの益々のご活躍を楽しみにさせて頂きます!(片岡)

2021年8月号

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青山知弘さんが『湯屋挑み』にて、一般社団法人落語協会2020年新作落語台本発表落語会佳作を受賞されました!

 受賞の感想をお聞かせください。
「光栄の一言です。創作落語を書き続けるうえで、ずっと目標にしていた賞でした。何度か最終選考に残りましたが、あと一歩届かない状況が続き、事務局から連絡を受けたときは、膝から崩れ落ちてしまいました」

 落語の台本を書こうと思った動機は何ですか?
「大学で落語研究部に入部し、落語を始め、社会人になっても続けるつもりでしたが、古典落語ではプロやベテランに到底かなわないため、自分で作るようになりました」

 受賞作は実際に落語家さんによって上演されたと伺いました。
「授賞式の会場で観させていただきました。自分が上演するわけでもないのに、とにかく緊張しました。プロの技術で自分の台本が再現されていくことに多大なる感動を覚えました。当日はお客様にもウケていたので、ひとまずホッとしました」

 落語の台本の特徴は何ですか。
「落語は言葉としぐさだけで全ての描写を行う必要があります。ト書きをほとんど入れず、セリフと地の文だけで説明することを心がけています。また、できるだけ多くクスグリ(ギャグ)を入れること、あまり長くなり過ぎず、15分程度にまとめることにも注意しています」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「妙な理由で入ってきた人間ですが、シナリオ・センターで楽しく過ごしています。ご興味があれば是非、新作落語の台本制作にも応募していただきたいです」

 青山さんの今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。 (鍛治)

2021年7月号



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紅露冴さんが『アンダーグラウンド・マザー』にて第1回文芸思潮新人賞にて佳作を受賞されました!

 今回の受賞作についてお聞かせください。
「失業してひきこもり状態だった主人公の女性が代理母ビジネスと出会い、仲介者や依頼人たちと交渉を重ねながら強かに世の中を渡っていく話です。社会の最底辺で生きる女性が、自らの女性性を武器に生きづらい世の中でのし上がっていく様を痛快に描くと同時に、生命の営みでさえも全て経済的な価値に置き換えてしまう昨今の風潮がもたらす一抹の怖さと疑問を提起させるのが企画意図です。題材の斬新さが受賞に繋がったと思います。当初は小説研修科の課題を書き直して応募しました」

 小説、シナリオのアイデアはどのような時に思い浮かびますか?
「現代社会にある問題、テーマ、事象などに遭遇して心がひかれたときに思い浮かぶこともあれば、何かの拍子別々に書き留めていたアイデアが突然結びついて不意に思いつくこともあります。アイデアが浮かばないときは、まずはテーマやデティールに、関連する情報を収集し、書けるところからでも毎日少しずつ書き進めるようにしています」

 シナリオの勉強は、小説の創作にどのように活かされていますか?
「箱書きと人物表の技術が役立っています。予めストーリーや人物、エピソードを組み立てて、全体の流れを俯瞰することができ、ブレや散漫になるのを防ぐことができ、長篇の場合は特にこの最初の段取りが不可欠で、ひと手間かけることでその後の執筆をよりスムーズ進めやすくなり、スランプや挫折を防ぐことができます」

 紅露冴さんの益々のご活躍を期待いたします!(鍛治)

2021年6月号

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松宮信男さんが第56回岐阜市文芸祭で入選&第13回ノースアジア大学文学賞奨励賞を受賞!

 小説・シナリオのアイデアはどのような時に浮かばれますか?
「芥川賞作家の保坂和志氏が、小説は一作を全力で書き切ることによって、次回作が自ずと脳裏に浮かんでくると書いておられ、私も一作一作を懸命に書いていけば、次回作のアイデアが自然に浮かんでくると思ってます。シナリオは、テレビ時代劇を書いていた経験から、アイデアは絞り出すしかないと感じています」

 小説とシナリオの両方を執筆していて良かったと思う点は何ですか?
「現在の映像業界は、小説や漫画を原作にした脚本が圧倒的に多く、映像化されるような小説を書き、それが映像化されれば脚本を書く機会も得やすいと考えたからです。シナリオから小説への転換には、かなり苦労しました。小説の文章は、直接読者の目に晒されるので、文章力に秀いでていることが絶対条件です。文章修行のため、三島由紀夫・高橋和巳・ドストエフスキーなど、多くの文学作品を読んでインプットに努め、特に夏目漱石の作品から、日本の近現代小説の創作技法の原点が学べたと感じました」

 松宮さんはこれまでも多くの文学賞で受賞されていますが、モチベーションを保つ秘訣はありますか?
「小説を対象とした文学賞はシナリオコンクール以上に数が多く、しかもレベルの幅が広いので、投稿によって自分の技量の到達度を測ることができ、よりレベルの高い文学賞の受賞を目指すことが、応募への強いモチベーションになってます」

 松宮さんはさらに取材後、第54回多治見市文芸祭一般の部エッセイ部門で「多治見市教育委員会賞」を受賞されました!(鍛治)

2021年5月号

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山岡聡さん脚本・監督の映画『はらいそクラブ』が第6回賢島映画祭と徳島国際映画祭2020コンペティションでグランプリW受賞!

 受賞のご感想をお聞かせください。
「入賞を狙ってはいたのですがまさかグランプリとは、と驚きました」

 受賞作の撮影時のエピソードをお聞かせください。
「シナリオは、ある事情で当初の企画から大きく変更せざるを得なくなり、既に第4稿までリライトしていた時だったので流石にでんぐり返りましたが、どうせ変えるならもっと発想も面白くしてやろうと逆に楽しんで書けたのがよかったんだと思います。撮影もタイトなスケジュールだったので帰って炭酸飲んだ途端、脱水とか色々重なってたのがその場でぶっ倒れてしまいました」

 脚本と監督業の両立で、シナリオを学ぶ上でのメリット、苦労された点などをお聞かせください。
「書けていない(見えてなかった)ところが現場では学べますし、書けているからこそブレずに演出できるところがあります。ポスプロまで常に作り続けるという意識をシナリオ・センターで学ばせていただいたと思っています」

 今後の抱負などお聞かせ下さい。
「これからの若い映像作家を育てることに心血注いでおります。自身まだ学び多いですが作品を世に出せるよう努めて参ります。大変な状況が続いておりますが、なんとか劇場公開に向けて頑張って参ります。公開の暁には安全対策に気をつけて是非とも劇場へお越しください!」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「夢は必ず叶います。そのための冷静なプランニングをともに考え続けて行きましょう」

 山岡監督の益々の活躍をお祈り申し上げます。(鍛治)

2021年4月号

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山本昌子さんが「摩耶ぎつね」で第41回BKラジオドラマ脚本賞の最優秀賞を受賞されました!

 受賞作に関するエピソードをお聞かせください。
「私の父が生前、公民館の小説教室に通っており、『摩耶ぎつね』など、戦前過ごした神戸や戦時中の経験などを元にした短編小説を書いていたようです。現在、私がシナリオを考えていたとき『摩耶ぎつね』の語感が気にかかり、それが題名か素材か言い伝えか、見当もつかないまま、摩耶という名のキツネを主人公に物語を紡ぎはじめたのです。ファンタジーは苦手であまり書かないのですが、キツネを主人公にした成り行き上、ファンタジーになりました」

 受賞された際のお気持ちをお聞かせ下さい。
「シナリオ・センター入学から毎年応募してきた念願の賞を受賞でき嬉しいけれども、信じられず、しばらく頭がぼーっとしました」

 ラジオドラマの魅力は何ですか?
「設定が自由ということです。時代劇、ファンタジー、SFなど、あらゆるジャンルの物語を『ことば』『音楽』『効果音』だけで表現できます。映像だと、ありえない、作りようがない、というようなシチュエーションでも、ラジオドラマならすんなり受け入れられるものです」

 作品の注目してほしいポイントはありますか?
「絵や情景を、ことばで表現したところです。四十代の生真面目で朴訥な絵師と、十五歳の小生意気で口達者な版元の丁稚との方言でのやりとりや、絵師六興の人柄や現在の絵師としての状況を会話によって浮き上がらせています」

『摩耶ぎつね』は『FMシアター』(NHK-FM)にて、オーディオドラマが放送予定です!(鍛治)

2021年3月号

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桑原亮子さん脚本のドラマ「心の傷を癒すということ」が第46回放送文化基金賞のテレビドラマ部門で最優秀賞を受賞されました!

 作品で一番伝えたかったメッセージをお聞かせください。
「人の心を癒すことについて、精神科医などのプロだけではなく、社会に生きている私たち一人ひとりが考えていかなければならないということです。重苦しい空気に包まれている今の日本では、人と人のつながりをより大切にしなければならないのではないでしょうか。生きていることの素晴らしさ、愛する人と過ごす時間の輝きも伝えることができればいいなと思っていました」

 初めての連続テレビドラマの脚本で、苦労なさった点と、それをどのように乗り越えられたかをお聞かせください。
「皆さんが、私が苦労することがないように支えて下さいました。 大変だったのは、精神医療の勉強に少し時間がかかったことでしょうか。時代につれて精神医学用語が変化しているので、誤った言葉を使わないよう気をつける必要があったのです。それでも精神医療考証の先生方がおられたので安心して書くことができました。連続ドラマを初めて書かせていただいて、どうすれば視聴者の方々の興味が来週まで続くのか、などを考えたことが新鮮でした。また各話のサブタイトルを付けるという、初めての経験もさせていただけました」

 今後描きたい物語や挑戦したいジャンルはありますか。
「学生時代から法律に興味があり、いつか法廷を舞台にした物語を書きたいと思っています。長編ミステリも書いてみたいです」

 桑原さんの今後のご活躍に注目です! (鍛治)

2021年2月号

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長島清美さんが「カラハフッ!」で第20回テレビ朝日新人シナリオ大賞の優秀賞を受賞されました!

 受賞作の制作秘話をお教え下さい。
「母とのトラウマを抱えたヒロインが、ひょんなことから銭湯を継ぐこととなり、衰退していく銭湯文化をなんとか残そうと奮闘する物語です。滋賀県の銭湯を26歳の若さで継ぐことになった女性を実際に取材させていただきました。『銭湯を銭湯として残したいんだ』と言われた時、当たり前のことなのに、ガツーンとやられた感じでした。自分の頭の中で勝手に『イベントとかに使用して盛り上げていきたいです』みたいな答えを想像していたので、凄く恥ずかしくなりました。今の若者も捨てたもんじゃない、と熱くなりました」

 受賞された際のお気持ちをお聞かせ下さい。
「自分が面白いと思って書いたドラマを同じ様に審査員の方々が面白いと思って下さったということが、一番嬉しかったです。これでいいんだ。と、背中を押された気分でした」

 作品を書かれる上で、重要としている事はどのような事ですか?
「笑いです。シリアスなドラマや悲しいドラマにも笑いがあり、そして、笑いの中にも切なさの残る様な、そんな作品を目指しています」

 今後どのような作品を描かれたいですか?
「山田洋次監督の様な作品が書けたらと。目標だけは人一倍高いです」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「ドラマは空想の世界ですが、自分が経験し、感動した想いしか書けないと思うので、いろんな人と会い、話し、感動して、わくわくして下さい」
 長島さんの今後益々のご活躍をお祈り申し上げます! (鍛治)

2021年1月号

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山本昌子さんが「城南理紗の心意地」で第38回シナリオS1グランプリの奨励賞を受賞されました!

 受賞された時のお気持ちは?
「まず驚きました。コンクールは年齢コードがあるのではないかと諦めかかっていたので、私の作品が目につき、選んでいただけたことがとても嬉しく光栄に思っております」

 作品で伝えたかったメッセージはありますか?
「人には『居場所』が必要である。自分自身の存在が認められ、安心してわがままが言える場所がなければなりません」

 今回のシナリオ創作で苦労したことはありますか?
「当初、単に優秀だが人の心に配慮できない人物を描こうとしていましが、先生から『子どもがいた方が人間の幅が広がるのではないか』との指摘をいただきました。離婚した場合、子どもは母親が引き取ることが多いのですが、実母がいない理紗には無理と感じ、婚家先に残してきたという設定にしました。そのおかげで理紗の孤独感が増したと思います」

 創作で大切にしていることは?
「キャラクターの描き込みです。基本的に変わらない部分と、ドラマが進展するにしたがって成長していく姿を表現したいと考えています」

 今後書きたい作品はありますか?
「さまざまな女性を描きたいと思い、仕事と恋愛中心のドラマを作ってきましたが、もっと社会に根差した問題を含む、骨太なテーマに取り組みたいと考えるようになりました」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「粘り強く、書いてください! 辛抱して書き続けていると、ふと面白いアイデアが浮かびます」

 山本さんの今後益々のご活躍をお祈り申し上げます! (鍛治)

2020年12月号

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塚川悠紀さん、『ほたる狩りの思い出を上書きする』にて、第38回シナリオS1グランプリ、準グランプリ受賞!

 受賞作についてお聞かせください。
「本作はゼミの課題で発表した作品を膨らませたものです。書きはじめてすぐに2時間かけて描きたいなと思いました。人生をやり直す事はなかなか難しいことですが、再スタートを切る事、自分の中で折り合いをつける事はできる。後悔を反省に変え、過去や未来に拘りすぎず、今を生きよう! というメッセージを込めた作品です」

 第37回シナリオS1グランプリ奨励賞に続いての受賞となりますが、ご感想をお聞かせください。
「前回の受賞は本当に嬉しかったです。それが励みになって、これからも書こう! と決意しました。受賞をきっかけに、日常の出来事の理由や出会う人の心情等、様々な事への関心が、より強くなりました」

 作品を書かれる上で、一番、大事されている事は何ですか?
「テーマが描けているか、それとセリフが面白いか、これをいつも問いかけています。自分の迷いが出た時、テーマってなんだっけ? と自分に問います」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「私のシナリオは受賞するまではコンクールに出すことが目的のような品でした。でも、読み手や観客の立場に立った時、こんなんじゃ面白くないなぁと思うようになりました。作品を読んで下さる人の顔や、映像を見てくださる観客の顔を想像しながら書くと、きっと目指すところに近くなると思います」

 塚川悠紀さんの今後のご活躍からも、目が離せません!(片岡)

2020年11月号

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藤七郎さんが「異世界監督、シナリオ無双!」にて第10回講談社ラノベ文庫新人賞、優秀賞を受賞されました!

 受賞作についてお聞かせください。
「自主製作映画を撮っている監督志望の高校生が、中世西欧風な異世界に召喚され、シナリオの技術を駆使して王女の発言力を高め、王国を勝利に導いていく物語です。昨今の異世界ファンタジーでは、医者や薬剤師など、様々な職業の人が異世界へ転移して、地球時代の知識で大活躍する作品が多いのですが、映画監督がまだ異世界に行っていないな、と気が付きまして、監督が活躍できるキャラ設定、世界観、ストーリーを組み上げました」

 受賞されたご感想をお聞かせください。
「毎月、文庫本一冊分を書いて応募していましたので、やっと賞を頂けた! と、喜びでいっぱいです。シナリオ・センターで教わった技術が知識としてではなく、体で覚えられた証明になったと思っています」

 藤七郎さんはこれまでも、疲労困憊さんのPNで出版されました「勇者のふりも楽じゃない」シリーズ他、多くのライトノベルをご執筆されていますが、ライトノベルを創作される際の、コツなどはありますか?
「文章は読みやすく分かりやすく、お茶漬けのようにさらさらと読める文章を理想としています。あと、ライトノベルにもお約束があるので、それはしっかり押さえています」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオの技術が身に着けば、書きたいもので受賞できますので頑張ってください。ただ、技術は一朝一夕では身に付きません!」

 藤七郎さんの今後の活躍からも、目が離せません!(片岡)

2020年10月号

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「トモダチゲーム」「いしゃ先生」等の作品でご活躍中の永江二朗監督にお話を伺いました!

 永江さんが3、4話の監督を担当されました、2020年4月から放送の人気特撮、GAROシリーズの新作、「GARO-VERSUSROAD-」についてお聞かせください。
「『トモダチゲーム』を評価してくださった東北新社のプロデューサーに、今までのGAROとは世界観が違う、シリーズを見たことがない人にも面白いと思ってもらえる新しいGAROを一緒に作りたいと口説かれて、心に火がつきました。結果的に放送が始まって以降、物凄い反響をいただいており、今までのGAROとはまた一味違う素晴らしいシリーズが出来たと思います」

 今までの監督作品の中で、一番思い出に残っている作品は何ですか?
「一番というのは非常に難しいのですが、『いしゃ先生』と『トモダチゲーム』なのは間違いありません。内容やジャンルは全く正反対の作品ですが、この2作品は自分の監督人生を賭けてでも素晴らしい作品にしなければいけないという想いと、プレッシャーがかかった作品でした」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「私は18歳の頃から2年間ほどシナリオ・センター大阪校に通いました。監督となった現在も私の根幹にあるのは、独りよがりの作品を作らない事です。シナリオ・センターで教えていただいた事はプロとしての心得だったと思います。皆様とお仕事でご一緒できる日を楽しみにしております。最後は諦めない気持ちが全てなので心が折れないように頑張ってください!(笑)」

 永江二朗監督の今後、益々のご活躍をお祈り申し上げます!(片岡)

2020年9月号

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三谷武史さんの第40回BKラジオドラマ脚本賞、最優秀賞受賞作「家鳴り」が、2020年3月21日、のNHK FMシアターにて放送されました!

 甲本雅裕さん、戸田菜穂さんの出演を知られた時のお気持ちをお聞かせください。
「実は、橋田賞の佳作をいただいた『52歳のエレジー』の主人公のイメージキャストが甲本さんでした。そういう思い入れもあり、早い段階から、甲本さんのお名前を出させていただいておりました。戸田さんに関しては、以前からファンでしたので、マジですか? と、驚きでいっぱいでした」

 現場の方から要求された事はありますか?
「最初の打ち合わせで、『このままの形でドラマ化出来るものを選んだので、一切、直しはしない、ということであれば、それでもOKですけど、どうしますか?』と尋ねられましたが、少しでも良いものになるのであれば、直すことに抵抗はありませんでしたので、製作者の皆様と一緒に、より良いものを練っていきました。応募規定枚数いっぱいで書いてましたので、尺的に大丈夫か不安でしたが、実際は短すぎるようでした。私が制作側にお願いしたのは、集合写真に、僕も混ぜてくださいという一点です(笑)」

 実際に収録現場に立ち会われて、どう思われましたか?
「作品は、それに参加するすべての人が自分の作品、という思いを込めることによって、成立します。キャスト、スタッフの皆様に、自分の作品、という思いを込めてもらえるような脚本が至高の脚本である、そう思うようになりました」

 三谷さんの今後益々のご活躍からも、目が離せません!  (片岡)

2020年8月号

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田窪泉さん「届け、風の如く」にて第48回創作ラジオドラマ大賞、大賞受賞!

 受賞作についてお聞かせください。
「『届け、風の如く』は、目立ちたい、稼ぎたいだけの自分本位の若い瓦版屋が、自分の瓦版に影響され、好きな女が心中してしまった事件をきっかけに、自分の行いを省み、人の為に行動する人間になるまでの物語です。江戸時代には心中の瓦版が売れましたが、それに影響されて心中する人が続出した為、発禁になったという説と、大塩平八郎の乱は当初、不届きものの火付け騒ぎとしておさめられようとしていましたが、檄文と瓦版のお陰で、実は救民を訴える暴動だった、と庶民に知れ渡り、世直しの暴動が全国に波及した、という説を結びつけ、この作品が出来上がりました」

 一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「受賞作は研修科の時代劇の課題をもとに、長篇として書きあげた作品です。『時代劇を書くなら現代の問題を織り込むべき』とのご意見をゼミでいただき、SNSで誰もが情報を発信できる、現代への警告を織り込んだ時代劇を書こうと思いつきました。情報には大きな力があり、それは諸刃の剣でもある、それがこの物語に込めた私のメッセージです」 

 シナリオ・センターで学ばれた事の中で、一番の財産は何ですか?
「学んだことの中で大切だと思うのは、主人公をとことん追い詰め、行動させる事の重要性でしょうか。しかし、財産だと思うのは仲間です。もの凄いポテンシャルとモチベーションを持った人達と出会い、意見をもらえていなければ、この賞は絶対とれていませんでした」

 田窪さんの今後益々のご活躍からも、目が離せません!  (片岡)

2020年7月号

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塚川悠紀さん、『ROUTE66』にて第37回シナリオS1グランプリ、奨励賞受賞!

 受賞作につきましてお聞かせください。
「受賞作のもとは、ゼミの課題で発表した作品でした。講師の先生やゼミの皆さんの講評と感想に支えられ、1時間ドラマに書き上げ、応募いたしました」

 物語を思いつかれたきっかけ等ありましたらお聞かせください。
「今はもう閉店されているのですが、実在の雑貨店が舞台のモデルです。夜遅く、帰宅途中に見かける時は、電飾のせいもあってドラマのセットのように見えるお店でした。店内には、いつも同じ中年男性がいらっしゃって、この人をモデルに色々と想像しているうちにストーリーが出来ていきました」

 受賞作につきまして、一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「親の愛と絆です。他人や社会から見て平凡でつまらなくて、出来が悪くても、親からすれば子供は何ものにも代えがたい存在ですよね。無償の愛で子供を愛する……。この作品の父親はぐずぐずの息子を諦めることなく愛し続けているんです。小さな子供が可愛いのは当たり前ですが、このドラマの親子は高齢者と中年です。それでも愛情は変わりません」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「今まで何度応募しても2次までしかいきませんでした。それが今回、最終に残り奨励賞を頂きました。今までと何が違うのかといえば、何度も直した事と寝かせた期間が長かった事です。俯瞰で自分の作品を客観視できて、直しやすく感じました。これからも書き続けていきます!」

 これからの塚川悠紀さんのご活躍にも注目です! (片岡)

2020年6月号

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弥重早希子さん、『邪魔者は、去れ』にて第45回城戸賞佳作受賞!

 受賞作につきましてお聞かせください。
「『邪魔者は、去れ』は、平凡だった弟がシリアで人質事件に巻き込まれ、弟は無事に帰国するが、家族がバッシングに見舞われるお話です。初めてプロットを書いたのはかれこれ、3年前のことです。思いついた瞬間に、これは面白い、と自分でも楽しみながら一気にプロットを書きました」

 受賞作につきまして、一番伝えたかったメッセージは何ですか?
「実は、その部分がまだ曖昧なのが問題だな、と思っています。言いたいことは色々ありました。だけど、これ、という一つに絞り切れなかった。これから直しを進めていくうえで、一番言いたいことをハッキリと見出せるようにしたいです。もっと脚本を面白くして、なんとか映像化に辿り着きたいと思っています」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「小、中学生が、ふらふらとSNSで出会った大人たちに付いていってしまうニュースに興味があります。SNSが怖いとか大人が悪いとか、あるいはその子たちの意識が低い、とか、みんな色々言っているけど、本当にそうなのかしら、と思っています。まだまだ漠然としていますが、題材としてはそんなことをぼんやり考えています」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「とにかく書くしかない、と私が今、痛感しています。ネタがない、書くのがしんどい、色々あるんですが、とにかく書くしかない、と改めて思っています」
 弥重さんの今後益々のご活躍をお祈り申し上げます! (片岡)

2020年5月号

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菅浩史さんが「いつもの待ち合わせの駅での奇跡」にて、第40回BKラジオドラマ脚本賞、佳作受賞!

受賞作についてお聞かせください。
「別れの予感を感じている恋人同士が、ある騒動で出会った人たちとの交流で、やり直すことを決意する物語を描いてみたい、というのが、本作品執筆の発端でした。もともとは前年に応募する予定でしたが、締め切り前に体調を崩してしまい、応募を見送った経緯があります。結果として構想1年の作品となり、受賞に至ったので、何が幸いするのかわからないものだと実感しています」

 本作では関西でおなじみの駅名が人物の名前として多数登場しますが、制作秘話などありましたら教えてください。
「役名=駅名は、いわゆる、くすぐり感覚で決めました。これは、審査員の森下直先生にもご指摘をいただいたのですが、もっとセリフで役名をくすぐるべきだったと反省しております」

 日頃、創作のために工夫されていることはありますか?
「ラジオドラマを聴く時は、自分の知らないSEの使い方はないかな、と意識して聴くようにしています」

  このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「結果が出ないで、悩んでいる生徒さんもおられるかと思いますが、応募を続けていれば、いつか、いいことがあります!」

今後の菅さんの活躍からも目が離せません! (片岡)

2020年4月号

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三谷武史さん、「家鳴り」にて、第40回BKラジオドラマ脚本賞、最優秀賞!

 作品を通して一番伝えたかった事は何ですか?
「『家鳴り』は、両親が亡くなった後、空き家状態だった主人公の実家が台風に襲われ、帰省すると、隣家の住人から空き家をなんとかするよう言われ、空き家の解体を決意する、というお話です。空き家と言いますけど、その中には家族の思い出が詰まっています。その思いを認識した上でないと、どんな行政的仕組みを作ってもなかなか解決しません。空き家問題は、大きな社会問題として広く認識されていますので、大当たりのネタを見つけたつもりで書きました」

 コンクールに応募される際の心得の様なものはございますか?
「いやあ、もう、ひたすらバタバタしています。追いつめられたら力を発揮できる、と自分に暗示をかけ、ここまで来たら、出すっきゃない!と自分を鼓舞し続けております」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「いっぱいネタはありますが、まとめていうと、今、生きている意味を問いたい、ということでしょうか」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「書きたいものがある以上、書くしかないでしょう。あなたが書きたい物語は他の誰も書いてくれません」

「家鳴り」はFMシアターにて3月21日22時より放送予定です。(片岡)

2020年3月号

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床品美帆さん『二万人の目撃者』にて第16回ミステリーズ! 新人賞!

 受賞作につきましてお聞かせください。
「前回のミステリーズ! 新人賞、鮎川哲也賞ともに最終選考に残っていましたので、今年は賞を取るぞという気持ちでした。仕事が忙しすぎて、締め切り当日までファミレスで原稿を書き、月末の夕方、混んでいる郵便局に滑り込む、という強行スケジュールでしたが、諦めなくてよかったです」

 ミステリーに特別な思い入れはありますか?
「読書は全般に好きなのですが、特別、ミステリーに傾倒していた訳ではありません。ミステリーを書き始めるまでは、サスペンス小説にチャレンジすることが多かったです。大学生の頃にライトノベルを書いて応募したこともあります、いつかホラー小説は書いてみたいですね!」

 シナリオ・センターで学ばれた中で、一番役に立った事は何ですか?
「『だんごの串刺しになるな』『ドラマとは変化である』、シナリオ・センターで教えて頂いたこの二つの教えは常に頭にあり、創作の際に非常に役立っています。この二点に気を配ると、ぐっと作品の質が向上します」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「雰囲気作りが映像的で上手い、短編が上手いと褒めていただいているのは、シナリオ・センターで短編シナリオを何本も1000本ノックで書き続けたことがとても効いています。どうぞ最後までやりきってください。心から応援しています!」

床品美帆さんの受賞作「二万人の目撃者」は電子書籍(kindle版)にて出版中です!(片岡)

2020年2月号

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桑原亮子さん脚本のドラマ、『心の傷を癒すということ』が、1月18日、夜9時より放送開始!

 本作は安克昌氏のルポ、エッセイ集が原作ですが、物語として再構成されるにあたり、特に考慮された点は何ですか?
「安克昌さんが素晴らしい方ですので、その魅力が伝わるように、一つ一つのシーンを大切に書こうと思いました。同時に、ドキュメンタリーではない、ドラマだからこそ伝えられることは何か、をずっと意識していました。私は京都出身ですが、兵庫県の中学に通っており、阪神、淡路大震災が発生したとき西宮にいました。ガラスの降り注ぐ部屋で身動きできなかったあの朝から、いつか震災のことを書かなければいけないと感じていました」

 ドラマのキャスティングを聞かれた時のご感想をお聞かせください。
「主役の柄本佑さんを始め、素晴らしい方ばかりで、この方々にふさわしい台詞を書けるのだろうかと不安で気が遠くなりそうでした。ですがその不安は、プロデューサーやディレクターにお会いするたびに消えました。皆さんに優しく支えていただいたことに感謝してもしきれません。この作品はキャスト、スタッフ全員が愛情をもって大切に作り上げているドラマです。ぜひ画面の隅々まで見ていただきたいと思っています」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「脚本を書いていると、すてきな瞬間がいくつも訪れます。ドラマ好きの仲間に出会える瞬間、面白いと言ってもらえる瞬間、自分の書いたものに心を打たれる瞬間……。その瞬間を大切にしながら、楽しんで書いて下さい」

本作は、NHK総合にて全4回の放送です。お見逃しなく!(片岡)

2020年1月号

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青木万央さん活躍中!

 毎週日曜日朝9時より放送中の、少女向け特撮テレビドラマ、ガールズ×ヒロイン! シリーズの第3作『ひみつ×戦士ファントミラージュ!』を執筆の、青木万央さんにお話をお伺い致しました!

 青木さんはシリーズの第1作目から脚本を担当されておりますが、執筆の際、特に考慮されている点はありますか?
「未就学児がメインターゲットのドラマですが、実は私はそれほど、小さな子が全部理解出来る内容にしようとは思っていません。むしろ、ちょっとわからないことがあった方が楽しめるんじゃないかなと。一緒に見ているお父さん、お母さんに『どういう意味?』と聞いたり、何年か経って少し大きくなった時にドラマを見返して、『こういう意味だったんだ』と発見したり。そんな風に、見た後に子どもたちの世界が広がるような話にできればと思います」

 普段、シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?
「シリーズにかかわることになった時、日頃、子供と接する機会がほとんどなく、子ども向けのシナリオが書けるのかと心配になり、リアルな子どもたちと接してみようと学習塾でバイトをしてみました。バイトをして感じたのは『子供って結構オトナだな』と。その事で、『子供向けの粗ドラマだから大人とは違う考え方でシナリオを書かなければ』というプレッシャーからは解放されたように思います」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「引き出しは多いほどいいと思います。得意分野を(できればたくさん)持つべし」

青木万央さんの今後の活躍にも注目です! (片岡)

2019年12月号

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三谷伸太朗さん活躍中!

 10月25日より上映の映画「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」と、10月24日よりメ~テレにて放送中の連続ドラマ「本気のしるし」の脚本を担当されました三谷さんにお話をお伺い致しました!

「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」についてお聞かせ下さい。
「プロット、シナリオと、一緒に制作させていただきました。向井宗敏監督が、こういうシーンをやりたい、というものを明確にお持ちになり、進めていた企画でした。夏は胸キュン、春は泣かせてのように、各話事に感じてもらいたいテーマがありました。監督と一緒に意識しながら作りました。素敵な役者さんたちに出演いただいているので、役者さんの芝居にも注目して見ていただきたいです。春のストーリー市原隼人さんには泣かされました」

「本気のしるし」についてお聞かせ下さい。
「映像作品的には考慮した点は色々あります。特に考慮した点は1話約23分、全10話という尺の中で中心となる主人公とヒロインの辻と浮世というキャラクターをどう見せるかという部分です。浮世はトリッキーなキャラクターなので、脚色を失敗すると原作の持つ雰囲気も失われてしまい、視聴者もついてきてくれないと考えました。監督、プロデューサー陣と何度も打ち合わせを重ねました。深田監督の人柄のおかげで、制作期間のすべてが楽しかったです。1、2話の編集を終えた直後にプロデューサーが『めちゃくちゃ面白い』と興奮して夜中にメッセージを送ってきてくれました。見てない方は今からでも間に合いますので是非ご覧ください!」

映画、ドラマと活躍中の三谷さん、今後の活躍にも注目です! (片岡)

2019年11月号

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栄弥生さん「腸弱男の恋」で、第19回テレビ朝日新人シナリオ大賞優秀賞!

 受賞作についてお聞かせ下さい。
「受賞作の着想は、数年前に整骨院の待合室で読んだ健康雑誌の記事でした。お腹が弱いという男性芸人さんが、何をやっても良くならず、しまいにはオムツをはいて舞台に上がったとインタビュー記事で自虐的に面白おかしく語られていて、その時に『腸弱男の恋』というタイトルが浮かび、いつか、お腹が弱い男が恋をして体質改善に挑む話を書こうとネタ帳に残していました。それが今回のテレビ朝日の課題とも合っていたので作品にしました」

 受賞式の様子をお聞かせください。
「審査員の先生方とお話しさせていただく時間がありまして、大御所の大先生ばかりですが、とっても気さくで優しくて、作品以上に人間的にも魅力のある方々でした」

 普段、シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?
「アイディアレベルならいくらでも思いつくんですが、それを作品として形にしていくのが一番大変で、書くための筋力みたいなものがないと最後まで書けないと感じています。とにかく筋トレのつもりで毎日書く、それだけです」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオを学び始めた頃の私は、まだ本気で脚本家を目指していたわけではなく、コンクールで落選の悔しさを何度も味わっていくうちに自分で自分の本気に気づいていったという感じでした。私もまだプロのリングに立ったということではないので、お互いに気合い入れて頑張りましょう!」

栄弥生さんの、今後の更なる活躍にも注目です。 (片岡)

2019年10月号

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NHKFMシアターにて2月2日に放送されました新井まさみさん脚本のドラマ「エンディング・カット」が第56回ギャラクシー賞ラジオ部門奨励賞!

「エンディング・カット」執筆の経緯についてお聞かせください。
「FMシアター『一時帰宅』執筆時にお世話になったNHK名古屋局の方から、三重県津局のディレクターをご紹介いただきました。津局と名古屋局、両方の方々と制作する中、つながりの大切さを実感いたしました。執筆にあたり、元々取材を続けていた津局のディレクターと何度か現場へ伺いました。『エンディング・カット』を施行する方、された方のご遺族、両方を取材させていただきました。他にも、がん患者さんのコミュニティサイトなど参考にさせていただいたものはたくさんあります。主人公の少女の成長を中心に据えることでオリジナリティを意識しました。賞をいただけたのは、キャスト&スタッフ全員のチームワークのなせる技と思います」

 芦田愛菜さん、佐藤隆太さん、広末涼子さんの出演を知られた時のお気持ちは?
「キャスト決定を知らされたのは収録の数週間前です。超主役級の方ばかりで驚きました。『台本を読んで出演を決めた』と仰っていただいた時は、嬉し過ぎて息が止まりそうでした」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「今、書いているものが次につながるかもしれないし、明日、とんでもない幸運に恵まれるかもしれません。逆に、悔しい思いをする日もあるでしょう。それもこれも、書き続けていればこそ。継続は力なりです!」

今後の新井さんの活躍からも目が離せません! (片岡)

2019年9月号

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三谷武史さん「52歳のエレジー」にて第27回橋田賞新人脚本賞佳作!

 受賞作について教えてください。
「『52歳のエレジー』は、元小説家志望の地方公務員が、引きこもりのゲームオタクだと思っていた息子から、eスポーツのアスリートになると宣言され、猛反対しますが、息子から『生きてる実感ある?』と反論され、公務員としての仕事に煮詰まる中で、再び小説を書き出すというお話です。主人公の葛藤を温かい視線で見ていただけるような作品を、という思いで書きました」

 橋田賞の授賞式についてお聞かせください。
「挨拶の最中、受賞者のおひとりである宮崎あおいさんと視線が合いました。宮崎さんは、柔らかな微笑みで、緊張している私を励ましてくださいました。あの景色を、もう一度見たい、と切に願っております」

 三谷さんは第1長篇研究科を受講されていますが、今まで学ばれた中で、一番の財産は何ですか?
「自分の作品に関して、酷評が聞けるところでしょう。受賞作も当初は、もっとeスポーツを突っ込んで書きたいと思っていたのですが、第一長研で頂いたご意見を参考にして、中途半端になるより、抑えめの方がいいなと考えるようになりました。ちょっと前のドラマのセリフに『傷つけられたんじゃない。磨かれたんだ』というセリフがありました。作品を磨いてもらう機会というのは、実に得難いものです」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「書くしかないですね。書きましょう! 書いたら、磨いてもらいましょう!」

今後の三谷さんの活躍からも目が離せません! (片岡)

2019年8月号

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揚羽はなさん「METEOBACTERIA」にて第6回日経星新一賞一般部門優秀賞アマダホールディングス賞!

 受賞作について教えてください。
「星新一賞は、夏休みの宿題のように書きたいなぁと思っていました。もともと星新一さんはとても好きだったし、1万字という手の届きそうな字数が敷居を低くしてくれていて、がんばれたのではないかと思います。受賞作は小説研修科クラスの課題で書いた『脂肪を食べる細菌』の作品に加筆したものです。読んでくださった先生や受講生の皆さんからは、軒並、好評をいただきました。受賞のお知らせは、事前の電話が来ると聞いていたので、それまでの間は、不安で押し潰されそうでした」

 小説を書き始めたきっかけを教えてください。
「仕事では、事実に基づいた資料をかなりの量作成するので、まるっきり反対のフィクションを書いてみたいなぁと思ったのがきっかけです」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「楽しくて、読み終わった後に元気になるものが書きたいと思っています。SFは楽しいので、今後も書いていきたいです。SFの想像力は、人類を救うと思っています。児童文学にも挑戦してみたいです」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「私の座右の銘は『締め切りが私を作る』です。研修科や小説研修科クラスの締め切りがあったからこそ、たくさんの作品がいつの間にか生まれていました。とにかく、締め切り厳守で乗り切ることが大切かと。あとは、一緒にがんばってくださる受講生の皆様がいればこそ、です」

揚羽はなさんの今後益々のご活躍をお祈り申し上げます! (片岡)

2019年7月号

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平松克規さん、吉本新喜劇脚本家大賞受賞! 今年の3月5日~11日に平松さん脚本の舞台が上演されました!

 受賞後、作品が上演されるまでの経緯を、お聞かせください。
「受賞の記念として、昨年10月にすっちー座長の公園の台本を書かせて頂きました。それ以降は、川畑座長が定期的に行っている、プロットコンペに参加する権利を頂きました。今回はそれに運よく採用されて、公演する運びになりました」

 吉本新喜劇脚本家大賞に応募されようと思ったきっかけは何ですか?
「元々好きだったお笑いと、今勉強しているシナリオ。自分の<好きなこと>と<勉強していること>が交わる分野だったからです。多感な時期に『M-1グランプリ』が始まり、学生時代はよく劇場へ足を運んでいました。コメディ作品とは少し違いますが、自然と漫才・コントの台本を書くようになりました」

 舞台脚本ならではの苦労はございましたか?
「新喜劇はワンシチュエーションなので、何度も演者が出たり入ったりする時は、人物の出ハケの理由を考えるのに頭を使います。あと会話のラリーが多すぎるのや、長ゼリフも嫌がられます。何より一番苦労するのは、『面白いボケ』を書くことです。これが一番難しい!」

 普段、シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?
「閃くタイプではないので、時間のある時や締切が迫っている時は、ずーっとパソコンやノートに意味のないことを書いています。その中になにか突破口があるかもしれませんので」

平松さんの今後益々の活躍をお祈りいたします!(片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー 小野寺香奈さん(79期)

2019年6月号

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公募小説専科の咲沢くれはさんが「五年後に」で第40回小説推理新人賞!

「受賞作は、実際に勤務している中学校のピロティに立って、下校する生徒を見ていて、なんとなく思いつきました。受賞してからは特に、仕事もしつつなので、創作の為に体調を整える事と書く時間を捻出する工夫しています。感性を磨くことはいつも意識しています」

 小説を書きはじめたきっかけは?
「多分ずっと昔から書きたくて、ある日思い立って、無理でもいいから書いてみようと思い書き始めました。最初の作品は、27歳女性の恋愛小説のようなものです。人生の岐路に立つ主人公が、自分の生き方を模索するという内容だったと思います。400枚弱の長編がどうにか書けたので、本格的にやってみようかと思いました」

 大阪校の公募小説専科で学ばれた中で、一番の財産は何ですか?
「皆さんに作品を読んでもらい、ご意見をいただいた事です。そうする事で自分の中に新たな気づきが生まれる事は多かったです。また、800字のあらすじ、登場人物の設定、プロットを小説を書く前に作る方法はとても役に立ちました! プロットでは、どのシーンに何枚使うか、このお話が何日分のものになるかも考えていました。この工程がしっかりできていると、書くのはずいぶん楽でした」

 今後の目標をお聞かせください。
「働いていれば、生きていれば、理不尽に思うこともいろいろ。そういう思いを抱いている人の心に寄り添えたらと。読んでくれた人に楽しんでもらえる心理ミステリーを描いていきたいです」

咲沢くれはさんの今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。(片岡)

2019年5月号

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山本雅嗣さん「幻タクシー」にて、第39回BKラジオドラマ脚本賞最優秀賞!

「幻タクシーは 実際のタクシードライバーの方のブログを参考に執筆していました。その方には受賞してからお礼のメールをして、受賞とFMシアターでの放送をブログで宣伝して頂きました」

 受賞式や、ラジオドラマ制作時の様子についてお聞かせください。
「授賞式の後、受賞コメントや記者の方の質問に答えたりもしたのですが、授賞式前後のディレクターとの打ち合わせに緊張し過ぎたせいか、何を喋ったのかを覚えていません。ラジオドラマ制作時は、ホン読みと収録に参加させて頂きました。役者さんから何を聞かれてもいいように登場人物の履歴と人物像を掘り下げていきました。台詞のアクセントについては役者さんと打ち合わせさせていただきました」

 創作のために工夫されていることはありますか?
「執筆は、最終的に体裁を整える以外の作業をすべて携帯でやっています。PCに同じ文章ソフトを入れて、1日書いたらバックアップ用にPCへ送ってます。空き時間は見逃さず、昼飯の後も書いてますが、気がつけば会議室で寝てます」

 在籍者の皆様に励ましのエールを一言。
「書きたいことはあるけど時間がない、という皆さん。時間の作り方は甘くないですか? 私は車椅子生活で移動にはすべて手を使ってますので、電車通勤の人を見ると『何や、時間あるやん』と思ってしまいます。皆さんには、おそらくプロの作家以上のインプット量があります。お互い頑張りましょう!」

今後の山本さんの活躍にも注目です!  (片岡)

2019年4月号

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松宮信男さん「演劇キャンプ・イン・中津川」にて第12回島崎藤村記念文芸祭一般の部創作部門佳作!

 受賞作についてお聞かせください。
「5年前に、タイトル通りのイベントが有り、そのプログラムの一つが、島崎藤村の『夜明け前』の朗読公演を行うワークショップでした。当時、主役は私が務めたのですが、ヒロインを演じた女子大生との演技者同士の交流を小説化しました。中津川市は、島崎藤村の生家の馬篭宿が有る場所で、土地勘とそこでの体験があったことが、今回の小説を執筆する動機になりました」

 日頃、創作のために工夫されていることはありますか?
「私が小説を書き始める切っ掛けになったのは、大阪校の小説講座を受講したことでした。シナリオから小説への転換にかなり苦労しました。3年前、第6回立川文学賞の大賞を受賞した作品は、三人称視点で書きましたが、この方法は視点がぶれるリスクが有り、とても執筆に神経を使いました。幸い大賞を受賞することが出来たのですが、断然一人称の方が書きやすく、その分文体に意識を集中出来るので、それ以後の小説は、全て一人称で書くようにしています」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオのスキルは、小説にも十分生かせます。現在の映像業界は、漫画や小説原作の映像化が大変多く、湊かなえさんや和田竜さんのように小説とシナリオの両方が書ければ、原作者自身がシナリオも担当することで、オリジナルの映像作品を制作することが可能です。小説を書く時は常に、映像化を視野に入れて執筆しています」

松宮さんの、今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。 (片岡)

2019年3月号

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松本和子さん「ロボ恋」で第43回創作テレビドラマ大賞、佳作!

 創作のきっかけをお聞かせ下さい。
「ロボ恋を書こうと思ったのは遠隔操作する人がそこにいるように会話したり、周囲を見たり出来るロボットを紹介する番組を見た時に、難病でベッドにいる人がロボットを通して海外旅行をする様子を見て、心揺さぶられたのがきっかけでした。近い将来、ロボットを通して友情や恋愛感情を持つ仲間も出来るだろうと思い、またそんな経験もして欲しいなぁと、素直に応援したい気持ちから書き始めました」

 日頃から創作のために工夫されていることはありますか?
「こだわりとしては、現代性のある素材、または少し未来を見据えた素材は必ず入れるようにしています」

 今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「ありふれた日常だと思っていることが実はとても尊いことだというテーマをこれからも書いていきたいと思っています。それは、私が阪神淡路大震災を経験した時に、学校へ行き友達に会って、とりとめのない会話で笑っていた日常生活が、とても大切なものだったのだと痛烈に感じた経験からです」

 今後の目標をお聞かせください。
「まず、脚本家としての仕事で食べていけるようになりたいです。朝ドラ、大河の脚本を書くことが昔からの夢であり、目標です」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「長年お世話になっている先生方、先輩方、仲間の皆さんに感謝しています。自分が書いた作品の良さをわかってくれる人は必ずいると信じて、発信していきましょう!」

今後の松本さんの活躍にも目が離せません! (片岡)

2019年2月号

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尾崎悟史さんシリーズ構成のアニメ「蒼天の拳REGENESIS」が放送されました!

 2018年4月から第1期が、10月から第2期が放送されました。
 シリーズ構成を担当されました経緯をお聞かせください。
「制作サイドに、今作はドラマ経験者にお願いしたいという意図があったそうで、声をかけていただきました。作品内に複雑な人間関係や設定が盛り込まれていたためです。数人候補者がいたそうですがコンペで選ばれました」

 シリーズ構成のお仕事についてお聞かせください。
「全体の大きなストーリーの流れ作りと各話への振り分けが主な仕事です。新しいキャラクターや拳法技、敵組織の設定など文芸的なことにも関わっています。それと、この作品ではお約束な敵の断末魔の叫びも、別会議を開いて話し合いました」

 ヒーローショー、ドラマ、ゲームの脚本など様々な活躍をされてきました尾崎さんですが、今までの仕事と大きな違いはありましたか?
「それぞれ微妙に表現方法は違いますが、ストーリーを作ること自体に大きな違いはありません。その他での一番の違いは長丁場だったことです。全24話を書き上げるのに1年以上かかっています。恥ずかしい話ですが途中で一度、ぶっ倒れて救急搬送されました」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「辛い時もありますが、とにかく書き続けてください。チャンスはいつ来るかわかりません!」

活躍の場を更に切り開いていかれる尾崎さん。これからの快進撃にも目が離せません! (片岡)

2019年1月号

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平石夏海さん、セリフまつりにて最優秀賞!

「90才のおじいちゃんが、80才のおばあちゃんに恋の告白をするセリフ 」を課題に開催しました「セリフまつり」にて研修科の平石夏海さんが最優秀賞に選ばれました!

「90歳のおじいさんという設定で、どうしても考えてしまったのが後世でした。冥土の土産、棺桶に足を突っ込む、三途の川……。でもこれは、セリフとは言え未熟な自分が書いて良いようなものではないなと思い、走馬灯なら失礼に当たらないのではないか、と思って考えたのが賞をいただいたセリフでした。90歳のおじいちゃんなので、ゆったりした口調、強気なセリフなのに弱気に聞こえてしまうような穏やかな雰囲気が醸し出せるよう心掛けました」

 セリフを書くのは得意ですか?
「得意かはわかりませんが、大好きです。私が人と話す機会が少ないので、自然と色んな年齢層の方のお話を盗み聞きしています。面白かったことやしょうもないけど笑えたことなどは、シナリオセンターの先生方に教えていただいたミソ帳に随時メモするようにしています。剽軽で面白い掛け合いが書ける脚本家になりたいです」

 このイベントのご感想をお願いします。
「研修科クラスの発表以外で、他の方が考えられたセリフを訊くことはなかったので、とても勉強になりました。ダジャレ、自虐、下ネタ、純愛、と様々なセリフを聞いて、私がいかに、90歳のおじいちゃん、という既成概念に縛られてしまっていたのかを痛感致しました」

 これからの更なる活躍が楽しみな平石さん。大阪校のHPでは、平石さんがセリフまつりにて優勝されたセリフや参加者の皆様のセリフを読むことが出来ます!   (片岡)

2018年12月号


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永井和男さん、活躍中!

 永井和男さん助監督の映画「見栄を張る」が2016年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭長編コンペティション部門にてSKIPシティアワードを受賞、イタリアのWorking Title Film Festivalにてスペシャルメンションを受賞したほか、ドイツ、アメリカ、オランダなど世界の国際映画祭で注目を集めました。
「『見栄を張る』はCO2という大阪市の助成金が出る企画の1つで、僕は演出のワークショップなどに参加していて助監督をやってほしいと声をかけていただきました。助監督をさせていただいたことでたくさんの方々と出会うことができました。今作で出会った磯部鉄平監督とは、『予定は未定』で原作・脚本を担当させていただきました。2016年に続き、2018年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭では『予定は未定』が短編部コンペティション部門のグランプリに選ばれ、すごく縁のある映画祭だなと思いました」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「先日、基礎科の皆様を前に映画の宣伝をさせていただいたのですが、今、学んでいらっしゃる生徒様を前に、やる気に満ちていたあの頃を思い出しました。ぜひ、僕の映画を見に来てください」

 永井和男さんの監督作「くさいけど『愛してる』」がAmazonプライムビデオにて配信中、「霞立つ」がYouTubeにて公開中です。
 また、「予定は未定」「オーバーナイトウォーク」等、各映画祭などで永井さんの作品が続々上映されています。詳しい情報は各映画の公式HPをご覧ください。   (片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー
北川由美子さん(79期)

2018年11月号


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日浦明大さん監督の映画「たいようのドロップキック」が元町映画館とシアターセブンにて上映!

 日浦さんが監督として関わるようになった経緯をお聞かせ下さい。
「大阪校の40周年記念ショートシネマコンテストで、制作をお手伝いしたチームの作品で今回の主役をしている松田花くんと出会いました。そのご縁で彼のお母さん、レゲエシンガーのSista-Kさんから今作の主題歌のプロモーションビデオの制作依頼をされたのが、この作品を製作する直接のきっかけになります。その後、打合せを重ねる中で花君を主役にした映画の話になりました」

 映画作りで、特に拘った点は何ですか?
「ドロップキックのクオリティにこだわりましたが、一番は神戸の街の景色の見せ方と物語の盛り上がりとをマッチさせた事です。そこを感じていただけたら嬉しいですね」

 映画作りの原動力は何ですか?
「脚本は映像の設計図であって、脚本だけでは完成した事にはならないと思うんです。脚本のまま埋もれさせるって凄いもったいない。だったら自分達で映像化して、観客の皆さんに評価して頂こうっていうのがそもそもの始まりです。それだけに、伝える、伝わる事に拘っている所はあると思います」

 このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「作品を大事にできる人と一緒にやっていきたい思いがあります。同じ思いの方と出会えて一緒に仕事ができると嬉しいですね」

日浦さんの今後益々のご活躍をお祈りいたします!  (片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー
北四季さん(78期)

2018年10月号


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三谷武史さん第34回シナリオS1グランプリ奨励賞!

三谷武史さんが「R.I.P.アニキ」で第34回シナリオS1グランプリ奨励賞を受賞されました。
22回奨励賞、28回準グランプリに続き、三回目の受賞です。

「今回、奨励賞をいただいた『R.I.P.アニキ』は、疎遠だった兄が急死し、上昇志向の強いエリート商社マンの弟が、面倒くさいと思いながら、葬式を出すお話です。アニキが急死する。どんな暮らしをしていたのか、さっぱりわからない。住んでいた家さえ分からない。手がかりは残された携帯電話。その携帯電話にもロックがかかっている。パスワードさえ分かれば……というお話を書きたかったのですが、『受賞のことば』でも書いたように、基礎科の同期の方にズタボロな評価をいただきました、『良薬は口に苦し』、と言いますが、まさしく今回の受賞は『良薬』を処方されたおかげなのであります。なかなか自身の作品を客観的には眺められません。だからこそ、ズタボロな評価をしてくれる仲間を身近に持つことは、とても大切なことだと、今、しみしみ感じております」

今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「三回も賞をいただいたので、つまらないものを書くと、コンクールの価値を下げることになっちゃうなあ、と思っております。描きたいのはコメディです。面白~いモノが書きたいです」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「たぶん、書くことでしか、未来は、開かないです。一緒にガンバりましょう!」

三谷さんの、今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。  (片岡)

2018年9月号

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菅浩史さん、「母の日、義父に会いに行く」で第2回MBSラジオドラマ脚本コンクール優秀作!

「作品の原型は、前の研修科の課題、『女のエゴ』でした。この作品は自身初のロードムービーでしたが、尺を伸ばして、より良い作品に完成させたい想いがありましたので、ラジオ用に修正して応募しました。主要人物は4人ですがラジオドラマでは、セリフしかありませんので、描き分けに腐心しました」

菅さんは長篇研究科にご在籍ですが、長篇研究科の魅力を教えて下さい。
「長篇研究科は、作品の直しをしている実感があります。先生の具体的なご指導も勉強になります。見学もありですので一度、お越しください」

今後の目標をお聞かせください。
「喜劇、悲劇のこだわりなく創作していきたい想いがあり、たぶんこの先も、そういう感じでいくと思います。今回、幸運にもラジオドラマで受賞することができました。今後もこだわりなく多種のコンクールに応募していきたいと思います」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「続けていれば、いつか、いいこともあります。46期生で初受賞の私が言うのですから間違いありません」

菅浩史さんの、今後の活躍からも目が離せません! (片岡)

2018年8月号

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出雲弘紀さん、「ツアー・老人と海」で第10回ノースアジア大学文学賞短編小説の部、第10回記念特別賞!

特別賞を受賞されたご感想をお聞かせください。
「以前からとても関心のあったキューバに、アメリカが国交回復をした直後に出かけました。革命広場、ゲバラの大きな顔のモニュメント、ヘミングウェイが愛用したレストラン・フロリディータ。見聞きしたすべてが、刺激的で今回の小説のベースになっています。これまで3回の入賞で、今回限りの『記念特別賞』を頂きました。文字通り、私にとって特別な賞だと思っています。授賞式で、選考委員の内館牧子さんが、『ヘミングウェイの原作をとてもうまく扱っていて、文章力もある。筆者はおそらく、老人はライオンの夢を見ていた、の一行を書きたかったのだろう。ヘミングウェイへのオマージュとして、老人の生き方として、いい小品になっている』と講評してくださいました」

今後の目標をお聞かせください。
「映像、ラジオ、漫画シナリオ、小説、エッセイでそれぞれ賞を頂きました。おそまきながらこれからは、プロ作家を目指すんだと自分に言い聞かせています」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「受賞は、創作者の勲章です。それを得るためには、常にバッターボックスに立たねばなりません。打率は1割にも達しません。連続三振で心無い野次を飛ばされても、ひたすらバッターボックスに立ち続ける。そんなセンターの皆さんに、心からのエールを送ります」

出雲弘紀さんの、今後の活躍からも目が離せません! (片岡)

2018年7月号

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川島祐介さん「俺をクズにしてくれ!」、緒方苑さん「缶詰の底に昇る月」で第6回TBS連ドラマ・シナリオ大賞入選!

川島さんと緒方さんのお2人に、①受賞のご感想、②今後の抱負、③皆様への一言、を伺いしました。

川島さんからのご回答。
①「受賞作は3回書き直した作品でした。褒めると推理力があがるキャラクターをつくって気に入っていたのですが、トリックが上手くつくれずコンクールで2回落選し、パソコンの中で眠っていました。それでも諦めきれず、褒めるのではなくうぬぼらせて推理させる形式を閃いて、それが受賞した理由だと思います」
②「今回の受賞で自分の実力を信用してもいいのかな、と思うようになりました。ハードルは高いですが、次はプロとしてやっていきたいと思います」
③「今回受賞したのはたくさん書いた落選作があったからです。結果がダメでも諦めず切磋琢磨して共に挑戦していきましょう!」

緒方さんからのご回答。
①「もともと、作家集団の『旅』の課題として提出した作品を完成させたいと思い、シナリオの初稿を書き上げました。最初は主人公の子供時代のみの話でしたが、大人になってから子供時代の思い出を振り返るシナリオに変更して、応募しました。自分の作品を選んでいただけたことの有難さを実感しています」
②「もっと上手くなりたいです。尺の長い作品にどんどん挑戦していきたいと思います」
③「勉強しなければいけないことばかりです。これからも引き続き学ばせていただきますので、どうぞよろ
しくお願いいたします」

川島さんと緒方さんの今後の活躍にも注目です! (片岡)

2018年6月号

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桑原亮子さん2017年1月放送のラジオドラマ「冬の曳航」で、第54回ギャラクシー賞奨励賞と第72回文化庁芸術祭ラジオ部門・ドラマの部優秀賞受賞をW受賞!

放送に至るまでの経緯をお聞かせください。
「2014年秋、『夏の午後、湾は光り、』のラジオドラマ化に向けてディレクターさんとメールをやりとりさせて頂いていたのですが、そのときに本題とは別に書き送ったのが、那智勝浦の海上、元武士を乗せた渡海船をひとりの青年が曳いていく話でした。すぐにディレクターさんが取材に連れて行って下さり、帰りの列車の中で話し合ううちに『冬の曳航』の骨格が見えました」

受賞のご感想をお聞かせください。
「チームの一員として、本当に嬉しいです。素晴らしい現場に居られて幸せでした。作品がオンエアされる時は、二度と会えない人を見送るような気持ちだったのですが、今回賞をいただいて、ドラマが元気に遠くまで行ったことを知ったような、しみじみした喜びがありました」

ラジオドラマの一番の魅力は何だと思われますか?
「音だけでひとつの世界を構築できる、そしてその世界を多くの方々と共有できるところです。ラジオドラマというものは制作側だけで完成するものではなく、聴いて下さる方々の想像力をお借りして、はじめて出来上がるものだと思います。皆で一緒に作り上げることができる、それが一番の魅力ではないでしょうか」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「誰かに褒めてもらったら、その言葉を忘れないように何度も思い出して下さい。それはとてもよく効くお守りになります」

桑原さんの今後のご活躍も見逃せません! (片岡)

2018年5月号

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八十川勝さん監督の短編映画、「今日、恋人を連れてあいさつに行きます。」が、2017年カリフォルニア国際映画祭&デイビス中国映画祭短編部門にて作品賞!

「受賞作品は、私が毎週、演技指導をしている事務所からの依頼で、演技レッスンの一環として制作した作品でした。充分な時間、予算が合ったわけでもなく、かなりタイトなスケジュールの中で、しかもハプニングで急遽、脚本を一から書き直す羽目になり、出来上がったのが、撮影当日の朝! 今更ながら、よく無事に撮影できたな、と思います」

受賞されたご感想をお聞かせください。
「まさか受賞するようなことがあるとは、まったく思っていませんでしたので、うれしかったです。名前を読み上げられたときには、自分のことだと気がつくまでに時間がかかりました。緊張して頭が働かない中、日本語ですら何を言っていいのか思いつかないのに、さらに英語での受賞スピーチ。まったく何も考えていなかったので、『Thank you』と『I‘m glad』のみを、ひたすら連呼していました」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「基本的に、孤独な作業が続くことが多いので、もっと、シナリオ・センターで、友達、横のつながりをっておけばよかったなと、思っています。今、学ばれている皆さんは、ぜひ、このシナリオ・センター大阪校で、同じ目標を持つ友達をたくさん作ってほしいと思います」

八十川さん監督の作品は、カンヌ国際映画祭のショートフィルムコーナーで2年連続上映されております。
「もちろん今年もカンヌをねらっています」と八十川さん。今年の活躍にも注目です! (片岡)

2018年4月号

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槌谷健さん(55期)共同脚本、新春ドラマスペシャル「都庁爆破!」が2018年1月2日TBSにて放送されました!

執筆に至りますまでの経緯をお聞かせ下さい。
「TBSのプロデューサーから共同執筆のお話をいただき、派手な爆破シーンを入れつつも家族で視聴できるドラマを作りたいということでエンターテインメント性の高いものを意識して脚本チームで話し合い、執筆を進めました。テロリストと戦うアクションものであるのと同時に、家族の絆の話でもあるので、お子様がいらっしゃるご家族でも楽しんで見ていただけるように意識して執筆しました。今までもウェブ配信の作品を執筆させていただいたことはあったのですが、今回は新春ゴールデンでしたので、多くの反響をいただきました」

日頃、創作のために工夫されていることはありますか?
「リアルなディティールを描けるように、時事的なニュースや最新のテクノロジーの記事などにはなるべく多く触れるようにしています。実際に制作されるドラマでは職業ものや推理ものが圧倒的に多いので、犯罪捜査や医療、金融、法律などに関する情報は特に注目して見るようにしています」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「なかなか面白い発想が浮かばず書けない時期というのもあるかと思いますが、自分の中で〆切を設定し、駄作でも、とにかく期限までに書き切ることを目標に取り組むと、自然と書く力がついてくるようになると思います。シナリオを楽しんで、執筆に励んでください」

槌谷さんの今後の活躍から目が離せません! (片岡)

2018年3月号

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緒方苑さん、函館イルミナシオン映画祭で第21回シナリオ大賞グランプリ!

緒方苑さん(66期)が「夢の続きを空で見る」で函館市長賞(グランプリ)を受賞されました。
「応募のきっかけは、旅行で訪れた函館の街がとても印象的で、本気で住んでみたいと思った事です。それと、今年は絶対に二時間のシナリオに挑戦しようと決めていました。『夢の続きを空で見る』は、看護師の主人公と妹が函館を旅して、家族とは何かを模索する物語です。時間軸が複雑な作品なので、話の流れに矛盾がないか、年表と箱書きと本文の照らし合わせをいつもよりも念入りに行いました。姉妹の変化と成長を感じ取っていただければ、嬉しいです」

日頃、創作のために工夫されていることは何かありますか?
「メモをこまめにつけることです。見た映画や小説、街中を歩いてる時や、新聞記事を読んで、感じたことなどを記録するようにしています」

今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「この度の受賞で、映画のシナリオをもっと書きたいなと思いました。今は色々と厳しい時代なので、若い人の心に寄りそえる作品を書きたいです」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「研修科、作家集団時代に書いた作品は、みんな愛着があります。この経験は間違いなく私の財産です。先生方とカリキュラムを信じて書いていけば確実に力はつくと思います。これからも一緒に頑張りましょう」

緒方苑さんの、今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。 (片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー
和泉柊志さん(76期)

2018年2月号

 

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松本和子さん脚本、岩﨑えりかさん出演(共に60期)の一人芝居「記憶のケルンVOL.3砂の棺」が10月1日、成城山耕雲寺にて公演されました!

今回の公演についてお聞かせください。
「記憶のケルンシリーズは、風化させてはいけない事実を取り上げた舞台公演です。今回は『福島原発』について春夏秋冬を背景とした4つのストーリーを描く内容で、私は春のパートを担当しました。現在進行中の大きな問題を題材としていますので、誠実に向き合って書き上げることを心掛けました」と松本さん。

シナリオ・センター大阪校に通われたきっかけは何ですか?
「仲間と劇団を立ち上げたのですが、自分の酷い演技により作品を台無しにしてしまい、毎日悶々と悩んでた時期に、シナリオ・センター大阪校に入学しました。通う前と後では芝居への愛情が本当に変わりました。特にゼミで音読するようになってからは『もう一度舞台に立ちたい』との気持が強まり今の私がおります」と岩﨑さん。

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
松本さん「岩﨑さんと基礎科の時に出会い『いつか私の脚本で岩﨑さんが演じて一緒に仕事をしたいですね』と語り合った夢が叶いました。これからもひとつずつ夢を叶えていきたいと思います」
岩﨑さん「何かに躓いた時、入学式で辻井先生から伺った『志友を作って下さい』とのお言葉が浮かびます。志友・松本和子が書いてくれた今回の作品は私の宝物となりました」

皆様もぜひ、大阪校で志友を見つけて下さい。 (片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー
加藤縁(64期)

2018年1月号


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谷口雅美さん、第58回講談社児童文学新人賞、受賞!

谷口雅美さん(54期)が「大坂オナラ草紙」で第58回講談社児童文学新人賞佳作を受賞されました!
コンクールに応募しようと思われたきっかけはなんですか?
「友人に『児童文学が合ってそう。応募してみたら?』と言われたことがきっかけです。古文書講座で知った、『将軍に献上される象』をヒントに、主人公が江戸時代に行く話にしました。長編の小説を書いたことも、児童文学を意識して書いたことも初めてで、最初はこの『山』の頂上まで登れないのではと思いましたが、シナリオ同様に大箱、中箱とつくり、短編小説を複数書いてみる感覚で臨んだので書き上げることができました」

シナリオや小説を書き始められたきっかけはなんですか?
「本を読むことが好きで、気が付いたら書くことも好きになっていました。小説を細々と投稿していて、講評で『文章は読みやすいが、構成とキャラクターがダメ』と言われ、勉強しなければと思っていた時期にシナリオセンターの門を叩きました」

今後、描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「子どもも大人も楽しめる作品を書きたいです。その中で、命や時間の大切さを盛り込めていけたらいいですね」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオセンターに毎週行って先生や仲間の顔を見ることが大きなモチベーションになっています。これからも一緒に頑張りましょう!」

谷口さんの、今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。  (片岡)
★祝!「心のいこい」デビュー
長崎順(50期)

2017年12月号


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2014年ハードカバーで出版されました宮本紀子さんの第6回小説宝石新人賞受賞デビュー作「雨宿り」(光文社)がこの度、文庫化されました!

文庫化されましたご感想をお聞かせ下さい。
「とても嬉しく思います。文庫は手に取ってもらえやすいですからね。『へぇ、この人こういう話を書いているんだ。他にどんな小説を書いているのかな?』なんて思ってくださればありがたいです」

今までの執筆作品の中で、特に思い入れのある作品はありますか?
「選ぶのは難しいですね。デビュー作『雨宿り』は初めての連作短編。これがかなり難しく、本にするまで2年かかりました。2作目『始末屋』は初めての長編です。3作目『狐の飴売り』は長編に加え、今まで書いたことのない喜劇のテイストにしました。どの作品も新しいことへの挑戦でした」

創作のために工夫されている事はありますか?
「登場人物たちの姿をただただ静かにじっと見つめる静かな時間を持つことでしょうか。それともう一つ。本は必ずといっていいほど買っています。『物を書く人間なら本は買え!』デビューする前、友人に言われた言葉です」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「プロって他人が決めることなんです。自分で決められるのは、書くか、書かないか。あなたにしか気づけないことがあり、あなたにしか感じられないことがあります。それを大事に、信じて、書き続けてください」

宮本さんの今後の活躍からも目が離せません!(片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー
松仔波子(77期)

2017年11月号


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新井まさみさん執筆の「トコマとよっちゃん」が8月5日NHKFMシアターにて放送されました!

「2年前の受賞作が放送された時のNHK大阪のディレクターに、去年、企画書を送り、何度か改良しているうちに、今年になって具体化しました。
『トコマとよっちゃん』は『戦争マラリア』の被害者の孫である生活保護家庭の女の子と、普通の家庭の男の子のお話です。
沖縄戦というと、民間人を巻き込んだ地上戦や玉砕の悲劇がよく伝えられていますが、八重山諸島での『戦争マラリア』は『ひめゆりの塔』ほど知られていません。『戦争マラリア』とは、感染するとわかっていながらマラリアの蔓延する地域に強制疎開を命じられ、爆撃ではなく、蚊に刺されて大勢の方が亡くなられた被害者のことです。
また、生活保護といえば、不正受給のニュースが多く伝わってきますが、実際は満額からお給料分を差し引いた数万円だけを支給されている方も多いそうです。
世の中になんとなくあるイメージに惑わされたくないと思いました。ネットに溢れるフェイクニュースにも騙されたくありません。特に若い世代の方は、手元の小さな画面に振り回されやすいと思ったので14歳を主人公に設定しました。
現場では役者さんが口にすると言いにくかったセリフもあったので、同じことを表現するのでも、一番自然で発声しやすい言葉を見つけるようにしたいと思いました。ラジオは、言いやすさ、聴きやすさも大事だと思います」

追記:11月18日(土)午後10時~、NHK FMにて『トコマとよっちゃん』の再放がございます! さらに11月20日(月)から1週間限定で配信もされます!! 詳しくはこちらまで!
新井さんの今後の活躍からも目が離せません! (片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー
田窪泉さん(77期)

2017年10月号


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槌谷健さん活躍中!

今月は『サンタの倒し方』、『東京ダラダラ娘』などの作品でご活躍中の槌谷健さん(40期)にお話を伺いました。

「『サンタの倒し方』はスマドラというフジテレビオンデマンドのオリジナルドラマの1つとして作られた作品です。このドラマはPOVという、いわゆる主観ショットで撮られた作品です。スマホで見てもらうということを前提にしているので、カメラの視点は意識してシナリオを書くようにしました。
『東京ダラダラ娘』は、すでに放送中だった『東京タラレバ娘』のスピンオフ作品です。『東京ダラダラ娘』は、本家『東京タラレバ娘』の放送を見終わったアラフォー三人娘が繰り広げる会話劇という設定です。なので、ダラダラ娘の各話では本家タラレバ娘の放送内容とリンクするような工夫がされています。その辺りのエピソードの調整だったり、キャラクターの描き方などが少し苦労した点かと思います。ネタバレがセリフに含まれていたりして、後から直したこともありました」

今後描きたい作品、伝えたいテーマ等はありますか?
「とにかく面白いものを書きたいです。そして、できれば原作無しのオリジナルで勝負したいです」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「シナリオを仕事にするようになってより一層、シナリオを書くことを楽しむということが大事だと思うようになりました。なので皆さんもぜひ楽しんで書いてください!」

槌谷さんの今後の活躍からも目が離せません! (片岡)

★祝!「心のいこい」デビュー
高橋千鶴子さん(50期)
金築佳子さん(62期)

2017年9月号


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田中美帆さん、第15回北区内田康夫ミステリー文学賞、区長賞!

田中美帆さん(75期)が「赤羽猫の怪」で第15回北区内田廉夫ミステリー文学賞、区長賞を受賞されました。

受賞の連絡を受けた時の感想を教えて下さい。
「次はミステリーを書きたいと思っていた時に、公募ガイドでこの公募を見つけて応募しました。受賞の連絡時は意外と心中穏やかでしたが、最終選考に残ったという旨の書面を、真夜中のマンションのエントランスで見た時の方が、ドキドキしたように記憶しています」

小説を書き始めたきっかけはなんですか?
「本を読むことが幼い頃からとにかく好きでした。はじめての小説は小学1年生の頃にかいた『チャッピーの冒険』というもので、それを両親が面白いと言ってくれたことが、物を書きたいと思う原動力になっていると思います」

普段、シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?
「気力、時間ともに満ちている時にたくさん書いておくようにしています。映画を見る時には、どういう仕組みになっているか、仕掛けは何か、と意識しながら見るようにしています」

今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「ホラー小説、サスペンス小説、ミステリ小説、恋愛小説など、エンターテイメント性の高い小説をたくさん書いていきたいです」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「夢を追いかけて今年で10年になります。みなさん、一緒にがんばりましょう」

田中さんの益々のご活躍を、応援いたします!  (片岡)

2017年8月号

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新井まさみさん、第10回WOWOWシナリオ大賞、優秀賞!

新井まさみさんが「洛中洛外ソロウェディング」で、第10回WOWOWシナリオ大賞を優秀賞を受賞されました。

受賞作「洛中洛外ソロウェディング」につきまして、創作秘話などあればお願いします。
「独身だけれどウェディングドレスを着て写真を撮る、という『ソロウェディング』という題材について書きたいと思っていました。少しずつ調べてはいたのですが、そろそろ書かないと他の誰かが書いてしまう! と思い、このタイミングで書きました。応募時期がラジオドラマの短編を書かせていただいた直後で、より映像を意識して書いた気がします。ドレスの華やかさは音よりも映像で魅せたいと思いました」

受賞したことで何か気持に変化はありましたか?
「3月に授賞式があったのですが、その1ヶ月前に、NHKのFMシアター『ふたりの娘』というラジオドラマで文化庁芸術祭ラジオ部門優秀賞をいただきました。新人なのに大きな賞をいただいてしまい、何とも言いがたい一発屋感があふれていました。なので、続いて受賞できたことで一発屋感が少しでも薄れたかな、と思いました」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「2月に京都で、木皿泉さんが『山田太一シナリオ』を語る、というイベントに参加してきました。ドラマのシナリオの話が中心で、とても勉強になりました。どん欲にアンテナをはりめぐらせましょう」

NHKFMシアターにて、6月24日には『ふたりの娘』が再放送、夏には新作ラジオドラマが放送の予定です。今後の新井さんの活躍からも目が離せません!   (片岡)

2017年7月号

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北川由美子さん、長浜ものがたり大賞2016入選!

北川由美子さん(79期)が長浜ものがたり大賞2016原作・シナリオ部門で入選されました!

入選作『四代目お花は修行中』の創作秘話などあればお願いします。
「コンクールに応募しようと思ったのは、『長浜ものがたり大賞』の募集要項に『長浜市が舞台だとわかればファンタジーでも可』という一文を見つけたのがきっかけです。もともと伝奇、ファンタジー系の童話を書きたく、シナリオを学んでおりましたので、シナリオでもファンタジーが書けるなら是非チャレンジしてみたいと思いました。時間を作って三日間長浜に滞在してネタを探しました。そこで大通寺という大伽藍の天井裏に寺と縁の深いキツネが住んでいるという伝説を知り、それを元に書き上げたのが『四代目お花は修行中』です」

今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「今回の受賞に際して長浜ものがたり大賞の主催者さんから、『審査員からも主催者からも続編が見たいという意見が上がった』というメールを頂きました。そのコメントがとても嬉しかったので、今後も、続編が見たいと言って頂けるような作品を目指そうと思っています」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「今まで先生方が一様に言われていた『兎に角、書きなさい。ただひたすらに書きなさい』というご助言に心を動かされています」

これからの更なる活躍が楽しみな北川さん。ちなみに、大阪校のHPでは、北川さんが「楽しくシナリオ道場」で優勝された過去2回の作品を読むことが出来ます! (片岡)

2017年6月号

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谷口雅美さんの第44回創作ラジオドラマ大賞佳作「父が還る日」が2月4日に放送されました!

放送が決まるまでのいきさつにつきましてお聞かせ下さい。
「大賞作品以外のドラマ化は難しいと聞いていたのですが、大阪弁の主人公ということで、NHK大阪局のディレクターからお声掛けいただき、ドラマ化が実現しました。大筋の変更はありませんでしたが、受賞作品でほとんど語られていなかった母親の心情をきちんと掘り下げてほしいと言われました。回想シーンのみの登場だった父親は、家族の口から語られるのみ、という形になりましたが、それによって父親像が際立ったと思います。直しは本当に勉強になりました。ディレクターとの打ち合わせや、読み合わせや収録で役者さんからいただいた意見を取り入れて、脚本が少しずつ完成形に近づいて行く行程はすごく楽しかったです。読み合わせの際、役者さんからセリフや状況について質問されることもありましたが、シナリオ・センターの課題発表時に同じ状況に置かれてきたので、あまり動じなかったように思います」

シナリオを書き続けてこられた理由は?
「シナリオ・センターに通い続けているおかげだと思います。毎週、自分では発想しないようなジャンルやストーリーに触れることで、モチベーションが上がります」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「ラジオドラマの現場を経験し、またチャレンジしたいと思いました。課題の提出は大変ですが、公募や企画書の種になります。すごい財産ですのでお互い頑張りましょう!」
意欲的な谷口さん、今後の更なる活躍にも注目です。 (片岡)

2017年5月号

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出雲弘紀さん、第9回ノースアジア大学文学賞短編小説の部で奨励賞受賞!

出雲弘紀さん(64期)が「町会長の2日間」で、第9回ノースアジア大学文学賞奨励賞を受賞されました。

エッセイ部門では第6回で奨励賞、第7回で優秀賞を受賞されていますが、連続受賞された感想をお聞かせ下さい。
「奨励賞より上が優秀賞ですから、うれしかったです。ただ、エッセイは実体験がベースになりますから、特異な経験からの自己分析がちゃんとできるかどうかが重要だと思います」

今回の短編小説の部受賞作について創作秘話などあれば教えて下さい。
「現在、私は地元の自治会で町会長をしており、アライグマの捕獲に動いています。ですから、今回の作品も最初は実体験を中心にしたエッセイで書こうとしたのですが、途中から外来種の駆除に疑問を持ち、できればラスカルのようなアライグマなら救えないだろうかと考えました。そうしたら町会長の職務との葛藤となり、結局、小説としてのスタイルを取ることになりました」

現在、出雲さんは小説研修科クラスに在籍されていますが、小説研修科クラスはどういった点が魅力ですか?
「書きたいものが書きたいように書ける、それが小説の魅力だと思います。それに小説だとシナリオのように色々な約束事、例えば起承転結などに縛られず書きたい所から書き出せますから。シナリオで型を覚えたら、次は小説で型破りな作品を書けば良い。作者の精神的安定のためにも、小説研修はお勧めです」

最後に今後の抱負を一言。
「ご指導頂いている先生方の熱意に応えるためにも、コンクール受賞を目指します。合わせてマンガや特撮ヒーローのムック本の執筆参加も続けたいと思っています」

これからの出雲さんの活躍にも目が離せません!(片岡)

2017年4月号

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北村四季さん、最優秀賞受賞!

シナリオ・センター大阪校創立40周年記念20枚シナリオコンクールにおいて北村村四季さんが「背負いし者」で最優秀賞を受賞されました。

大阪校の記念式典での受賞ですが、感想をお聞かせ下さい。
「初めてコンクールに出させて頂きましたが、通っているシナリオ・センター大阪校主催というのは出しやすかったように思います。イベント当日もクラスにみんなにおめでとう!とか同じクラスの人が取ったって事が嬉しい!とか言ってもらえて素直に嬉しかったです」

受賞作が朗読劇として脚色されました。いかがでしたか?
「私の中では10分で完結していたので、それを30分にし山場となるシーンを書き加えるという事が大変で、かつ、とにかく時間がなくて、小島先生に随分ご相談に乗ってもらいました。ですが、朗読劇用のシナリオという初めての経験ができたのは良かったです。誰かに自分の作った作品を演じてもらう、という事ももちろん初めての経験でしたので、とても新鮮でしたし、プロデュースをしてくださった辻井先生や演じてくださった三林さん、素敵な音楽で彩ってくださったハヤオカさんには本当に感謝しています」

現在、北村さんは作家集団クラスに在籍されていますが、ゼミのどういった点が魅力ですか?
「まずは、締め切りがある事だと思います。締め切りがあって何かを出さなければいけない、という事は作品を絞り出す為にも大きいです。あとはやはり人の作品を聞ける事、聞いてもらえる事、あとは先生に指導して頂ける事や直接その場で質問したりで
きる所だと思います。それと、会いたい友達がいる事も通い続けられるポイントです。身近な人が頑張っている、それこそ賞を取ったりしているのを見ると、自分も頑張らないと、と思わされます」

今後の活躍が楽しみな北村さんです!頑張って下さい!(浜田)

2017年3月号

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川島祐介さん、第28回フジテレビヤングシナリオ大賞で佳作受賞!

川島祐介さん(68期)が「赤い糸が切れてくれない」で第28回フジテレビヤングシナリオ大賞の佳作を受賞されました。

受賞作の創作秘話などあれば教えて下さい。
「きっかけは授業の課題『赤い糸』を考えるところから始まりました。いろいろな展開を考えていたのですが、よくありがちな赤い糸を繋ぐ話ではなく、赤い糸を懸命に切ろうとする話にしようと思い立ちました。この構想を仕事帰りの車の中で閃いたのですが、思わずいけると叫んでしまいました(笑)その頃、書く作品が面白いと感じられない病に陥っていまして、苦しんでいたのですが、登場人物をつくりあげ、タイトルが決まり、面白いものを書けていると思いながらスルスルと楽しく書いていくことができました」

川島さんは作家集団クラスに在籍されていますが、ゼミのどういった点が魅力ですか?
「やはりいろんな意見が聞けるところ。思いもしない意見が聞けると、とても得した気分になります」

今後どのような作品を描かれたいですか?
「伏線を張ったらきちんと回収する見ていて気持ちのいい作品を書きたいです。シナリオを書き始めてから一貫して目指しているのは1つの作品の中で笑いもあって泣きもある作品をつくること。それをうまく組み立てて面白く仕上げることが究極の目標です。辻井先生の教え、愛と葛藤をきちんと描くことも目指してます」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「自分は他の方と比べて飛び抜けて上手いと思ったことはないし、まだまだ未熟だと思っています。皆さんも作品を書いてどんどんコンクールに出してみてください。大事なのは諦めない勇気と熱意だと思います。出さないと始まらない。そして共に競い励ましあえる好敵手として頑張っていきましょう!」
今後の活躍が楽しみな川島さんです!(浜田)

2017年2月号

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疲労困憊さんの小説が書籍化!

ウェブサイト「小説家になろう!」の人気作品、疲労困憊さん(76期)作の「勇者のふりも楽じゃない-理由? 俺が神だから」が書籍化されました。

ウェブサイトにアップされている今回の作品は、四百字詰めの原稿用紙で三千枚とお聞きしましたが、長篇を書くコツは?
「自分の場合、舞台設定やキャラの背景動機などをしっかりと作ってから書き始めます。それとプロットを作って、この話を通して主人公が何をする話なのか、主人公自身がどうアクションを起こしていくのかを明確にすること、をやっています。あと三百枚(単行本一冊分)を一区切りに起承転結の話を作ると書きやすくなるかと思います」

現在、作家集団クラスに在籍されていますが、ゼミのどんなところが魅力ですか?
「異世界だろうと現代だろうと近未来だろうと、魅力的な人物と視聴者を飽きさせないストーリーは共通しています。なので、書いた作品に対して大勢のクラスメイトから感想を貰えるのがとても参考になります。あと基礎科や研修科と違い、ゼミではみなさんが賞へ応募する作品を出してくるので、とてもレベルが高くて参考になります。小島先生の鋭い指摘も励みになります」

小説を書く上で、シナリオのどのような点が役立っていますか?
「小説的な文章作法以外はすべて役に立つ気がします。特にシナリオ作りにおける魅力的な人物作り、飽きさせない構成、楽しませるストーリー作りが、小説でもとても参考になっています。あと研修科での『魅力的な男・女』と『一瞬シリーズ』はとても力になりました」

今後の抱負をお聞かせください。
「すでにネットでは10巻分を公開してあるので、続きを出せるようがんばります」

疲労困憊さんの作品はこちらのウェブサイトからご覧いただけます。(浜田)

2017年1月号

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山岡聡さん、新作映画が上映開始!

山岡聡さん(56期)脚本・監督作品「はらいそクラブ」が新春より劇場公開されます。
作品の内容や、制作秘話などあればお聞かせください。
「当初プロデューサーの企画案はもう少し重たいテーマでリアルな青春映画だったんですが、撮影に際して企画変更をせねばならなくなり、一年書き直し続けた決定稿がまるまる根底から変えざるを得なくなりました。辛かったです。とはいえ結果として、これで自分が作りたいものにさらに近づけた思いもあったので、二年越しの決定稿には自信がありました。自分では青春SFラブ(コメディも)な映画になりました。全客層向けになったんでよかったと思います」

映画作りにおいてシナリオはどれほど重要ですか?
「はっきり言ってシナリオが全てと言っても過言ではありません。『イチスジニヌケサンドウサ』を常に心掛けて撮っています。シナリオは航海における海図です。これがおかしいと、撮影という航海は成り立ちません」

シナリオ・センター大阪校に通われる前と後ではどのような変化がありましたか?
「通ってよかったしかありません。様々な視点の模索、同世代以外の意見、さらにはプロの先生の卓越したご指摘!はっきり言って授業料以上のものを学ばせていただきました。これは撮影現場も社会一般もそうだと思いますが、伸びようとしないものは伸びません」

創作をする上で、普段どんな工夫をされていますか?
「シナリオ以外での時間も大事にすることです。書くために机に向かうことだけでなく、家族との時間、日々何を机から離れて感じるかがシナリオの種だと思ってます」

今後の抱負をお聞かせ下さい。
「新春公開の『はらいそクラブ』は、単館系映画館を回りたいと思ってますので是非劇場でお待ちしております!」
今後の活躍が楽しみな山岡さんです!(浜田)

2016年12月号

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松澤綾子さん、イヤホンガイド解説員オーディション優秀賞受賞!

松澤綾子さん(74期)が、イヤホンガイド解説員オーディション文楽部門で優秀賞を受賞されました。
どのようなオーディションですか?
「『あなたにとって、文楽の魅力とは?』という文章が一次試験。二次試験は、「冥途の飛脚・封印切りの段」の台本に、こ
こ!というタイミングで解説を入れていきます。この物語の舞台は大阪新町の遊廓ですが、私の今の住まいは大阪の西区新町。もう運命だと思い込みました。三次試験は、その解説文を実際に読むという試験です。私は、十五年位、地方のFM局で月に一度の小さな
番組(自分で書いたラブストーリーを朗読する番組)を任せて頂いているので、三次試験まで進むことが出来れば、何とかなるかも?というちょっとした、いやらしい期待を持っていました。だから、本当にラッキーだったと思います」

松澤さんにとって文楽の魅力とは?
「何となく劇場に足を運んだのですが、一目惚れしました。こんなにも美しい舞台があるのだなぁと感心しました。とにかく、人形が愛らしい。けれど、人形だからこそ、醜い心も切ない思いも演じられるのだと、そのうち気が付きました。人間では絶対に出来ないポーズも人形では表現出来たりしますから。好き過ぎて…、話せば長くなりますのでこの辺で止めておきます」

シナリオ・センターに通い始めたきっかけを教えてください。
「奈良に住んでいた頃から、シナリオ・センターのことが気になっていて、遠くて通えないことを承知でワークショップに参加
しました。とにかく、小島先生が素敵だと思った。これまた、一目惚れです。(最近、小説クラスに通い始めて、ちらっと告白?できました。笑)その後、大阪に戻って来て、やっと通うことが出来ました」
今後の活躍が楽しみな松澤さんです!(浜田)

2016年11月号

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松宮信男さん、立川文学賞で大賞受賞!

松宮信男さん(74期)が、「美しすぎる人」で第6回立川文学賞の大賞を受賞されました!
受賞作の創作秘話などあればお聞かせ下さい。
「受賞作『美し過ぎる人』は、私が映画俳優をしていた時の経験を元に描いた小説です。テレビ時代劇が撮影されなくなり、活躍の場を失った超絶イケメン俳優が演劇の世界に転身しようとする話です」

小説を書こうと思われたきっかけは?
「シナリオ・センター大阪校の短篇ノベル基礎実習クラスを受講したことがきっかけです。受講者は皆、シナリオから小説への転換を苦労していましたね。基礎実習クラスを受講後、小説研修クラスに進級してから初めて提出した作品が今回の応募作です」

松宮さんは、現在シナリオの長篇研究科に在籍されていますが、シナリオの技術が、小説のどんなところで役立っていますか?
「小説は、視点の問題やディティールの描写が難しいですが、それをクリアーすれば文学賞ではとても有利です。なぜなら、登場人物のキャラクター作りやストーリーにおける構成の点で、シナリオ・センターの受講者は、他の小説専業の応募者より遥かに高いテクニックを身に付けているからです。シナリオ・センターでは、基礎科から段階的にコンテンツを作るテクニックを身に付けて行きますが、小説の世界には、そのような学習機会そのものがありません。そのため独学で習得するしかなく、とても長い期間と無駄な努力を必要とするようです。私が今回受賞した立川文学賞は、中間・エンタメ小説が対象で、受賞作品の傾向にも幅があるので、シナリオ・センターで学
ばれている方が応募するには、最適な文学賞だと思います」

今後の抱負をお聞かせ下さい。
「映画やテレビの原作となるような小説を書くことです」
これからの活躍が楽しみですね!(浜田)

2016年10月号

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福島伸幸さん、テレビ朝日新人シナリオ大賞で優秀賞受賞!

福島伸幸さん(65期)が、「LastMessage」で第16回テレビ朝日新人シナリオ大賞・配信部門の優秀賞を受賞されました!
受賞作の創作秘話などをお聞かせ下さい。
「罪とは何なのか?罰とは何なのか?赦しとは何なのか?ということをよく考えるのですが、着想のきっかけは、そんな中で湧いた一つの疑問からでした。その疑問は、死刑になりたいと願って殺人の罪を犯した人間を死刑にすることは、罰ではなく赦しではないのか?というものです。そして、作家集団の初めての課題である『トキメキ』で、今回受賞した作品の元となる時代劇を描き上げました」

応募方法が今回から新しくなりましたが、こだわったことなどはありますか?
「ひとつの物語を1話各10分の計5話に分割して応募したのですが、こだわったのは続きが気になるような終わり方にした点です。注意した点は1話が10分なのでト書きをできるだけ簡潔にすることでした。ですが、これは研修科の時に20枚シナリオをやっていたので、比較的すんなりと描けました」

現在作家集団クラスに在籍されていますが、ゼミのどういった点が魅力ですか?
「やはり自分の作品を聞いてもらえるところです。そして自分では気づかない点を指摘してもらえるのが良いところです。あと、ゼミが終わった後の飲み会で意見交換をし、その時にアイデアが浮かんだりします」

普段シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?
「いつどこからアイデアが生まれるか分からないので、寝る時には枕元にノートを置き、移動の時にはメモ帳を持ち歩いています」

最後に今後の抱負をお聞かせ下さい。
「観て下さる、または読んで下さる人に面白いと言って貰える作品を描きたいです」

今後の活躍が楽しみな福島さんです!(浜田)

2016年9月号

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永井和男さん、数々の映画賞を受賞!

今月は初監督作品「くさいけど『愛してる』」で関前諸島岡村島映画祭最優秀作品賞&最優秀脚本賞、京都国際映画祭クリエイターズ・ファクトリー劇映画部門優秀賞、水戸短篇映画祭入選等、短篇の映画賞を総なめにされている永井和男さんにお話を伺いました。

大阪校の「楽しくシナリオ道場」で「光っているシナリオ大賞」を受賞された作品を映像化されるまでの流れをお聞かせ下さい。
「初めて自主映画を監督する上で一番大切なのは役者さんだと思いました。演技経験のない友達が大きいスクリーンで棒読みするのだけは見たくなかったからです。小劇場の舞台や自主映画の上映会、映画監督が開催している俳優ワークショップなどに通って役者さんを必死で探しました。100人以上の役者さんを見ていると上手い下手以外にも、自分の好きな芝居のテイストやキャラクターを持っている役者さんたちに出会うことができました。役者さんには直接脚本を持ってお願いしに行きました」

カリフォルニアの映画祭でも入選されました。
「完成してからまだ英語字幕もついていない段階で、たまたま知り合った日本語のわからないアメリカ人に見せてみると『Oh,my god!』と言って笑っていました。彼は左腕に映画のフィルムのタトゥーが入っているぐらい映画好きなので、彼にウケた段階で海外でもウケる確信みたいなものができました」

創作をする上で、普段どんな工夫をされていますか?
「身近な出来事は大切にするようにしています。最近では、知り合いが『カニクリームコロッケ』のことを間違えて『カビクリームコロッケ』と言いました。そういった日常の出来事は常にメモしていて、いつか『カビクリームコロッケ』を出す定食屋の物語を書きたいと思っています」

今後の活躍が楽しみな永井さんです!頑張って下さい!(浜田)

2016年8月号

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永江二朗さん活躍中!

今月は映画「いしゃ先生」、ドラマ「山本周五郎人情時代劇」などの監督としてご活躍中の永江さんにお話を伺いました。

シナリオ・センターで一番勉強になったことは何ですか?
「自分よがりの作品では絶対にいけないということです。これは今でも私の一番の基礎となっています。自分よがりの作品というのは本当の天才でもないかぎり誰も見向きもしてくれません。誰も見向きもしてくれないということは、プロにはなれないということです。1割の人にしか分からない作品より7割の人に分かってもらえる作品を作るという感覚は、今でも一番大事にしている精神となっています。そして、その中に自分の色をいかにして出せるかが一番大切なんだと思います」

映画監督までの道のりを、よければお聞かせください。
「監督になれたのは上野境介プロデューサーとの出会いです。出会いというか再会です。実は上野プロデューサーはシナリオ・センター大阪校の基礎科の同期生で、お互い大学生という事もありよく話していました。その後、私が助監督として東京で頑張って働いていたある日、Vシネマの現場で再会したのです。基礎科から実に8年以上もの月日が経っていました。夢を諦めず、辞めずにお互いプロとして頑張って再会できた事が何より嬉しかったです。それ以降、タッグを組ませていただくようになり、監督として様々な作品に抜擢していただけるようになりました。映画『いしゃ先生』に関しても、大抜擢して下さったおかげで監督をすることができました。今にして思えば、あの時シナリオ・センターに通っていなければ、上野プロデューサーと出会う事もなく監督になれなかったと思います。監督になって一番想う事は、人との繋がりや縁が本当に大切なんだと思います」

今後の活躍が楽しみな永江さんです!(浜田)

2016年7月号

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谷口雅美さん、第44回創作ラジオドラマ大賞佳作受賞!

谷口雅美さん(54期)が「父が還る日」で第44回創作ラジオドラマ大賞の佳作を受賞されました。

受賞作の創作秘話などあれば教えて下さい。
「作家集団クラスの課題『旅』で書いた作品がきっかけです。教室で発表した時は『遺骨を砕く』描写に拒否反応を示す方も多かったのですが、『還る』というタイトルを変えたくなかったので、そのままにしました。応募したきっかけは大阪校のクリスマスパーティです。様々なコンクールの受賞者の方々がスピーチされた時に『課題で書いた作品がもったいなくて・・・』という旨のことをおっしゃっていて、『ホントだ、もったいない!出さなきゃ!』という衝動に駆られました。真っ先に頭に浮かんだのが今回の作品で、遺骨を砕くシーンもラジオなら受け入れてもらえるかも、と考えました」

作家集団クラスのどういった点が魅力ですか?
「辻井先生が粘り強くご指導くださること、『コンクール出しましたか?』と匙を投げずに催促してくださることも魅力の一つです。発表が定期的に回ってくるので必然的に習作が増えていきますし、シノプシスとシナリオを交互に書くので、企画書のたたき台にもなります。〆切を守る練習にもなりますね」

ラジオドラマの良さとは?
「映像では不可能だったり、予算が膨大になったりする設定でも実現可能なところです。聴く人のイマジネーションを音とセリフだけで引き出すという点は難しいのですが、このシーンを描くならどういう音がいいだろう?と聴く側の立場でいろいろ考えている時間はとても楽しいです」

今後の抱負をお聞かせ下さい。
「今迄は来た球は何でも打ってみるという姿勢でしたが、今後はこちら側から球をガンガン打ち込む姿勢でも書いていきたいと思います」と、今後の活躍が楽しみな谷口さんです!(浜田)

2016年6月号

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吉川信幸さん活躍中!

今月は「父と飲む」、「いつかのピクニック」などの監督作品で様々な映画賞を受賞されている吉川さんにお話を伺いました。

シナリオ・センターに通い始めたきっかけを教えて下さい。
「学生の頃から映画制作をしておりますが、専門的に映画の勉強をしたことがなく、一切独学で作ってました。それでもなんとかやっていけていたのですが、たまたま知り合ったシナリオ・センター大阪校受講生の江藤直樹さんと一緒に『いつかのピクニック』という映画を制作することになり、その過程で、彼のプロットの上手さやライティングの早さを見て驚きました。『やっぱりシナリオを専門で学んでいると全然違うな』と感じ、改めてシナリオの基礎を学んでしっかりとした長編映画を作ろうとシナリオ・センターに通うことを決めました」

シナリオを学ばれたことで、どんな影響がありましたか?
「画面やシナリオに直接描かれない『人物像』を、より明確に設定し意識するようになりました。これまでは役者にその部分をけっこう委ねていて、ある意味丸投げだったんですが、監督としてもっとはっきりと思い描いた方が良いことを学びましたね。丸投げ、ダメ、絶対!」

映像を作られる側からみたシナリオ執筆の楽しいところは何ですか?
「自分で監督をする場合、ついつい『どうやって撮影するのか?』『制作費が足りないのではないか?』など現実的な事を考えてしまい発想にブレーキが掛かってしまいますが、20枚シナリオや公募であれば、そんなことを考えずに『巨大化したゾンビがビルをなぎ倒す。群衆、逃げまどう』等と自由な発想で書けるのが楽しいですね」

今後描きたいテーマは?
「『人生って、ちょっと素敵』と観終わった時に感じられる映画を作りたいな、とずっと思っています」と、今後の活躍が楽しみな吉川さんです!(浜田)

2016年5月号

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オルソン予史江さん、「第8回つたえたい、心の手紙」入選!

今月は「第8回つたえたい、心の手紙」の入選など、様々なジャンルでご活躍中のオルソン予史江さん(75期)にお話を伺いました。

今回の受賞作の創作秘話などあれば教えて下さい。
「母が他界して初めて迎える一年は季節ごとに思い馳せるものがありました。受賞した作品『両親のいない秋』は台風の中執筆してたもので、子どものころ台風が来た時の我が家の様子を思い出し、恐れや不安を感じずにいられたのは守られていたからだったのだと気づき、それを両親に宛てました」

アメリカで10年間生活されていたと伺いましたが、シナリオを学ぶ上でプラスになられたことや、苦労されたことをお聞かせ下さい。
「アメリカ在住中は映画館のはしごをし、多くの映画を見ました。世界中の映画を見る中で、映画はその国や文化、人間、事案が映し出されるものだと感じました。ボストンのある小さな映画館で、黒澤明監督の映画が一週間上映されました。『静』『無』『敬』『情』が伝わる日本の映画にあらためて感動。海外で暮らすからこそ日本の良さを再発見できました。苦労していることは、たまに頭の中で英語と日本語がぶつかります」

現在小説研修クラスに在籍されていますが、どういった点が勉強になりますか?
「先生はアイデアの発想から組み立て方など様々なメソッドを通し教えてくださいます。クラスの仲間はシナリオ課題に加え毎月新鮮な小説を書いてきます。それだけで感動し、刺激になります」

今後、伝えたいテーマや抱負をお聞かせ下さい。
「『家族』について描きたいです。人間の一番醜い部分と一番美しい部分が現れる関係が『家族』ではないかと。そして、人の心に温もりや喜びが響く、そんな作品をお届けしたいと思います」

今後の活躍が楽しみなオルソンさんです!(浜田)

2016年4月号

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新井まさみさん、第36回BKラジオドラマ脚本賞最優秀賞受賞作「ふたりの娘」がオンエアー!

新井まさみさんが第43回創作ラジオドラマ大賞の佳作に続き受賞された、第36回BKラジオドラマ脚本賞最優秀賞受賞作「ふたりの娘」がオンエアーされました!

受賞作の創作秘話などあれば教えて下さい。
「応募条件が関西を舞台に、ということだったので、地元の京都を描くことにしました。ふたりの娘が訪れる場所は、全部足を運びました。担当のディレクターの方も収録前に訪れてらっしゃいましたので、ちゃんと取材してよかったです」

制作現場に立ち会われたご感想は?
「主演の吉岡里帆さんに『どういう女の子かもう少しヒントを下さい」と言われ、『ジャニーズメンバーより吉本芸人に詳しい女子』と答えたところ、『それ、わかりやすい』と言ってもらえました。他にも、シナリオに書き切れなかった裏設定をご説明させてもらいました。緊張しましたが、この本を一番わかっているのは私だ、と思いこんで臨みました」

新井さんにとってラジオドラマの良さとは?
「難しいです。映像だと簡単なことが、とっても工夫しないと伝わりません。そこが伝わってくる作品を聞くと、すごいなっ、と感動します」

これからラジオドラマに挑戦しようと思われている方にアドバイスをお願いします。
「説明っぽくならないセリフ、でしょうか。映らないのでどうしても状況を説明しなければならないのですが、出来るだけ自然な会話で進めたいと、常に思っています」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「BKラジオドラマ脚本賞は大阪校生に有利だと思います。是非、地元や住んでいる場所の自分しか知らない話を盛り込んでください」

今後の活躍が楽しみな新井さんです!(浜田)

2016年3月号

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槌谷健さん、第27回フジテレビヤングシナリオ大賞で佳作受賞!

槌谷健さん(55期)が「人体パズル」で第27回フジテレビヤングシナリオ大賞の佳作を受賞されました。

受賞作の創作秘話などあれば教えて下さい。
「ずっとヤンシナを第一目標にしていたので、さて今年はどんなものを出そうかとメモを見ていた時、『謎のQRコードが街の片隅に現れてそれを読み込むと変なことが起きる』というネタと『3Dプリンターを小道具に使ったホラー』というネタを組み合わせると面白いなと思ったのが最初の着想です。ただホラーであってもドラマを書かないといけないので、その点は少し苦労しました。登場人物の葛藤と心情変化をストーリーの中心に置き、それにホラーとしての面白さ(=怖さ)を加味していきました」

現在、槌谷さんは長篇研究科クラスに在籍されていますが、どういった点が勉強になりますか?
「直しです。長研の一番のメリットは『コンクールの締め切りより前に仮の締め切りを設けることができること』だと思います。よって直しができるので、それがとても勉強になります」

このコーナーをご覧の皆さんに励ましのエールをお願いいたします。
「柏田道夫先生著『シナリオの書き方』の最終章『あなたに才能はあるか?』を今まで何度も読みました。自分の書いているものが報われるときがくるのか、そういうことで悩んだ時期は多々ありました。でも今はもう自分なりの答えを出すことができました。『自分が書いたものを自分で面白いと思える人』には才能がある、それが私の答えです。だからもし、自分が面白いと思って書いたものが他人に否定されても悲観しないでください。それはその伝え方に問題があるだけです。そしてその伝え方は大阪校のどのクラスでも学べます。だから伝わる日が来るまで、シナリオを続けて欲しいと思います」今後の活躍が楽しみな槌谷さんです!(浜田)

2016年2月号

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別府典子さん、第40回創作テレビドラマ大賞で奨励賞受賞!

別府典子さん(59期)が「幽かな友だち」で第40回創作テレビドラマ大賞の奨励賞を受賞されました。

受賞作の創作秘話などあれば教えて下さい。
「昨年の1月、親友の旦那さんが亡くなり、通夜の席で彼女が語ったエピソードがきっかけです。意識混濁の中、彼が苦し紛れに発した最期の言葉は何と『どつくぞ!』。それには納得の理由があり、彼女はサバサバと笑っていましたが、こっちは衝撃的で…。以後『どつくぞ!』が頭から離れず、もし旦那さんが生きていたら、謝りたいのでは? そんな勝手な思いに駆り立てられ、二人に捧げようと描いたファンタジーコメディーです。最初は課題『現代の問題』で定年退職後の熟年夫婦の話を書き、今回はそれがベースになりました。実は彼女もシナリオ・センターで共に学んだ事があり、今回の受賞を心から喜んでくれています」

シナリオを書き続ける秘訣などあれば教えて下さい。
「シナリオ・センターに通い始めて10年になりますが、週一回顔を合わせ、日々の鬱憤やストレス等をアフタースクールの雑談で笑い飛ばし…一にも二にも、シナリオ・センターのゼミの仲間の存在が大きいですね。そして、私にとってここは、日常と妄想世界の切り替えスイッチで、もし、ここに来なくなれば、確実に日常生活の中に溺れ、ただのぐうたらになると思います」

今後描きたい作品、伝えたいテーマはありますか?
「若者のドラマは若者に任せ、大人が楽しめるクスッ、ウルッ、そして、最後はジワ~の『ユーモアとペーソス』に溢れた大人が観るに値するドラマを描きたいです」と、今後の活躍が楽しみな別所さんです!頑張ってください!(浜田)

2016年1月号

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鳥谷歩さん、ラジオドラマ等で活躍中!

今月はラジオドラマ等でご活躍中の鳥谷さん(70期)にお話を伺いました。

現在、通信科に通われていますが、通学との違いで、何か感じられることがあればお聞かせください。
「通学は仲間と直接コミュニケーションをとれたのがよかったと思います。刺激にもなりましたし、通信では情報の伝達量に限界があるので、口頭で柔軟にさまざまなことを教えていただけるのは、ありがたかったです」。

シナリオや小説の題材を探すときや構想を練るときの、工夫や秘訣はありますか?
「エンタメを書くときは、なるべく三幕構成を下地にしたいと思ってます。また、うまくいってるかどうかは別にして、活字で人間を描くということを目標にしています。登場人物たちにとって切実な問題と、当人たちが必死に闘っているさまを描いて、読者の方や視聴者の方にいとしみを覚えてもらえるような人間を描きたいです」。

鳥谷さんにとって文章を書くことにはどういった意味がありますか?
「なにか書いていないと生きていけない気がします。プロになれなくとも、ずっとなにか書き続けると思います。少しまえにちょっと大きな病気をしてしまい、長く入院していましたが、せっかく拾った命なんで、生きている間は、後悔のないように、書けるものは全部書きたいです」。

ボクシングをされていたとお聞きしましたが、書くことと何か繋がりはありましたか?
「自分に自信がつきました。人にはできないことが、自分にはできるという自信です。作家も同じだと思ってます。ある程度訓練をした人にしかシナリオは書けませんが、それが自分にはできるというのは、生きるということに対して、大いに有益だと思ってます。これからの創作に活かしていきたいと思ってます」と、今後の活躍が楽しみな鳥谷さんです!(浜田)

2015年12月号

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野村久美子さん、シナリオS1グランプリ」で準グランプリ受賞!

野村久美子さん(64期)が第28回シナリオS1グランプリで準グランプリを受賞されました。
野村さんは、3年前の「第5回富士山河口湖映画祭シナリオコンクール」での準グランプリに次ぐ受賞になります。

今回の受賞作「国境なき天使」は、主人公の男子看護師と外国人看護師とのふれあいを描かれた作品ですが、着想のきっかけを教えて下さい。
「『インドネシアから看護師候補生が来日』というニュースを見たのがきっかけです。『看護師候補生って、なんだ?』から始まり、色々調べるようになって、『看護師候補生と看護師候補生を受け入れる側のドラマを書こう!』と思い、1時間もので書き上げ、次に2時間ものに直しました」。

作品を書くために、普段どのような工夫をされていますか?
「ニュースや記事で気になることがあれば、手帳や携帯のメモ帳に書き留めるようにしています。最近は書き留めておかないと、記憶喪失のようにすっかり忘れてしまうことが多いので…」。

シナリオを書き始めたきっかけや、シナリオ・センターに通うことになったきっかけを教えて下さい。
「物語を考えるのが好きだったので、これを何か形にできないか思っていたところ、内館牧子さんがシナリオ・センターの出身ライターだと知り、シナリオの響きに『ピン!』ときて、シナリオ・センターの門を叩いたのがきっかけです」。

今後の予定、抱負などを教えてください。
「今後は見ている人が元気になるようなシナリオにチャレンジしていきたいと思います。そして、いまだ自分の作品が映像になったことがないので、『映像化!』を目標に頑張ります!」。
戯曲、ラジオドラマなどでも活躍されている野村さんですが、これからも楽しみですね。頑張ってください。(浜田)

2015年11月号

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三谷武史さん、シナリオS1グランプリ」で準グランプリ受賞!

三谷武史さん(78期)が「ロスト」で第28回シナリオS1グランプリで準グランプリを受賞されました。

受賞の連絡を受けた時の感想をお聞かせ下さい。
「なぜか割と冷静でしたね。一次落ちに慣れてしまっているので、うまくリアクションがとれない体質になっているのかもしれません」。

シナリオを書き始めたきっかけをお聞かせ下さい。
『サッカーボールを蹴るのが好きな少年がサッカー選手になりたいと思うように、小説を読むのが好きだった私は、小説家になりたい、と思ったってことですね。ですが、自分の文章力に絶望せざるを得なかった。で、自分の物語を世に送り出すためには、別の表現形式じゃないとってことで、シナリオに辿りついたわけです」。

書くのが辛くなった時、どのようにして乗り越えられてきましたか?
「そういうのはあまり感じたことはないですね。それより、自信満々に応募した作品が一次で落とされたときは、かなり凹みます。ダメ人間っていう烙印を押された気分です。で、どうやって切り換えるかですが、理想としては、天使のような人に優しくハグしてもらって『大丈夫。あなたは大丈夫』と囁いてもらう、っていうのが一番効くでしょう。それが無理なら、『書かなくなれば、自分が自分にダメ人間の烙印を押すことになっちゃう』ということに気づくことでしょうね」

今後の予定、抱負など、差支えのない範囲で、教えてください。
「TBS連ドラ、テレビ朝日、wowow、新人シナリオコンクール、S1の二時間部門等に応募する予定です。抱負は、当然、一等賞を獲ることです」
と、これからの活躍が楽しみな三谷さんです!頑張ってください!(浜田)

2015年10月号

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大桑康博さん、第2回集英社ライトノベル新人賞で特別賞受賞!

大桑康博さん(71期)が「呪術法律家ミカヤ」で第2回集英社ライトノベル新人賞の特別賞を受賞されました。

受賞された感想をお聞かせ下さい。
「本当にうれしい気持ちで一杯です。ようやく夢の第一歩が踏み出せた、という思いです。ヴァイオリンを教える仕事をしているんですが、まだ生徒さんに言ってないので、いつ言おうか迷っています」。

受賞作「呪術法律家ミカヤ」のアイデアは何から着想を得られましたか?
「実はこれといってないのですが、元々ファンタジーが好きで、小説の『ロードス島戦記』や映画の『ロードオブザリング』などをよく見ていました。そこで、ファンタジーの世界で法廷物をやろうと思ったのがきっかけです。現代の映画でも冤罪を取り扱った作品はよく見かけられます。それをファンタジーの世界でやれば面白いだろうと思いました」。

シナリオの技術が、小説のどんなところで役立っていますか?
「今回の作品は主役と副主役を対立させながら、徐々に謎を解決していき、やがてお互いに認め合うという形です。主役と副主役の間で葛藤を生み出させるというシナリオ技術は生きていますね。魔法を使う弁護士のヒロインが、暗殺者の副主役を弁護して冤罪を晴らすという作品ですので、正反対の役柄の主役と副主役でストーリーを進めていくというシナリオ技術は役に立っています」と大桑さん。

今後の予定、抱負などを教えてください。
もちろん、『呪術法律家ミカヤ』を仕上げていきたい。色んなジャンルの小説に挑戦していきたいですし、シナリオも当然書いていきたいです。やはり努力は続けていきたいですね」と、これからの活躍が楽しみな大桑さんです!(浜田)

2015年9月号

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新井まさみさん、創作ラジオドラマ大賞で佳作受賞!

新井まさみさん(40期)が「プア」で第43回創作ラジオドラマ大賞の佳作を受賞されました。

受賞の連絡を受けた時はどんなお気持ちでしたか?
「最終選考に残った時点で何も考えないようにしました。そして、誰にも言いませんでした。最終に残るのも今回で3度目、どうせ無理だろうと思っていましたが、東京03で始まる知らない電話番号からの着信表示を見た時、『来たかもっ!』と飛びついてしまいました」。

受賞作を書かれたきっかけを教えて下さい。
「実際にいた少年がきっかけです。中学3年生の冬まで動物園に連れて行ってもらったことのなかった彼は幼い頃から家庭に恵まれず、不登校がちで小学校の遠足にも行けず、15歳にして初めて見るゾウの大きさに驚いていました。今まで動物園に行ったことがないのは、その子が悪いせいじゃない。動物園だけじゃなく、人生に必要な教育や経験をする機会を奪われている子どもたちがどこかでひっそりと生きている…。そんな思いから貧困を生きる10代のドラマを書きました。ニュースやドキュメンタリーで『日本の子どもの6人にひとりは貧困』と聞きますが、本当に深刻な問題だと思います」。

作品を書くために普段どんな工夫をされていますか?
「平日の昼間はフルタイムで働いているので、シナリオの時間を確保するためとにかく早起きです。4時とか5時とかに起きます」。

今後の抱負をお聞かせください。
「これからもコンクールに応募したり、ライターズバンクのコンペに挑戦していきたいです。落ちるのは慣れっこなので、少々のことではへこたれません」と、これからの活躍が楽しみな新井さんです。頑張って下さい!(浜田)

2015年8月号

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長﨑和子さん、第40回城戸賞で佳作受賞!

長﨑和子さん(53期)が「浪速オヤジキッド」で第40回城戸賞の佳作を受賞されました。

受賞の感想と城戸賞に応募しようと思ったきっかけを教えて下さい。
「嬉しさ半分、やっと何とか引っかかることができて(笑)。ホッとした気持ちが半分ですね。城戸賞はやっぱり歴史のある賞なので応募したいと思いました」と長﨑さん。

着想のきっかけを教えて下さい。
「受賞作は大阪の阿倍野を舞台にした小学五年の女の子が主役の物語ですが、阿倍野で路面電車を初めて見た時にインパクトがあっ
たので、ここを選びました」とのこと。

長く書き続けるコツ、モチベーション維持の秘訣などあれば教えて下さい。
「スランプになったら他の話を書いたり、書くことを辞めて本を読んだり映画やドラマを見たりしますね。しばらくするとまた書きたいって思うんですよ。なんか書いてないと落ち着かなくなるんですよね。中学とか高校の時に全然勉強しない日があるとなんか落ち着かないというか罪悪感のようなものを覚えたんですが、それとおんなじような気分になるんです(笑)」

今後、描きたいテーマはありますか?
「私が一番描きたいのは中国映画の「山の郵便配達」のような雰囲気の作品ですね。大きな出来事があるわけじゃないのに、観た後号泣でした。とにかく、『えーもうこのドラマ来週から観られないの?寂しいな~』って思ってもらえるような作品が描きたいです」

今後の抱負をお聞きしました。
「私は小説も描いてるんですが、今の仕事を大事にしながら、マイペースで書き続けていきたいと思ってます。今年は脚本1本と小説1本を書き上げる予定です」と長﨑さん。今後の活躍が楽しみです!(浜田)

2015年7月号

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栄弥生さん、WOWOW大賞受賞作品が映像化!

大阪校出身の栄弥生さん(66期)脚本のWOWOW大賞受賞作「十月十日の進化論」が映像化されました。

映像化によりどんな刺激を受けられましたか?
「映像化に向けて繰り返されたホン打ちがとても良い経験になりました。最初はどんなダメだしがあるんだろうと不安だったのですが、監督もプロデューサーのお二人も、脚本家の伝えたいことが一番大事だとおっしゃって、作品の芯となるものを引き出して導いてくださるようなホン打ちとなったので、学ぶことも多く楽しかったです。おかげで一人で向き合っていた時より、より様々な角度から脚本を掘り下げることができたと思います。この経験で脚本を書く上での根本的な心構えが変わりました」と栄さん。

尾野真千子さんが主人公を務めてられていましたが、演じる方を想定してシナリオを書くということはありますか?
「あります!あて書きほど楽しい妄想はないと思っています。今回の作品は想定して書いてはいなかったのですが、映像化が決まり、主役は誰ということになった時に尾野さんの名前があがりまして、まだ決まっていない段階からもう尾野さん以外に考えられなくて、推敲中はずっと彼女をイメージして書いていました」

映像化された作品をご覧になっての感想をお教えください。
「単純に面白かったです!普通にイチ視聴者として楽しめました。演出ひとつで人物のキャラが際立ったり、奥行きが出たり、性格がにじみ出たりと、脚本と映像では命があるかないかくらい違うなと感じました」とのこと。

今後の抱負をお聞きしました。「二作品目の映像化に向けて、ひたすら書くのみです!」と栄さん。
今後の活躍が楽しみです!(浜田)

2015年6月号

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馬場さくらさん、シナリオS1グランプリで奨励賞受賞!

大阪校作家集団在籍の、馬場さくらさん(60期)が、「真夜中の美容室」で第27回シナリオS1グランプリ奨励賞を受賞されました。

受賞作は、美容室を舞台にしたドラマですが、着想のきっかけを教えて下さい。
いつも行っている布施の行きつけの美容室があって。そこの雰囲気がイメージです」とのこと。

演劇を長くされていますが、映像シナリオが演劇に及ぼすプラスの影響あれば教えて下さい。
「キャラクター作りと、お客さんがどんなセリフで感動するかや、どんな構成にしていると途中でお客さんが飽きてくるかなどをリアルに分かっているということだと思います」と馬場さん。

普段書くためにどんな工夫をされていますか?
「人をものすごく観察しています。その人の行動がどんな動機でそうしているのか、心の奥まで想像します。例えば目の前にいるこの女弁護士は隙がないけれど、どんな変な趣味があったら面白いかなと妄想したりします」とのこと。

書くのが辛くなった時、どのようにして乗り越えられてきましたか?
「他の世界ものぞいてみて、リフレッシュしたら、また書けるようになりました」

書き続けるモチベーション維持の秘訣は?
「私は他のことがあまりできなくて、書くことしかなく、とにかく一生書き続けると決意しているからです!」と馬場さん!

今後の予定をお聞きしました。
「5月23日(土)に舞台があります。『グリーン・ライン』というタイトルで、少女兵をテーマにした演劇を前半に上演し、後半は戦場カメラマンをゲストに迎えトークライブをします」
と、演劇に映像シナリオに、これからの幅広い活躍が楽しみな馬場さんです。頑張ってください!(浜田)

2015年5月号

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藤村美千穂さん、書き下ろし小説「マトリガール」出版!

大阪校出身の藤村美千穂さん(57期)の書き下ろし小説「マトリガール」がポプラ社より発売されました!
今回はそんな藤村さんにお話を伺いました。

女性麻薬捜査官(通称マトリ)のお仕事を詳細に描かれていますが、調べものや取材をする上で注意されていることはありますか?
「元麻薬取締官の方々にお話を伺いました。ドラマティックな事件が常に起こっている訳ではなく、地道な捜査という日常が積み重ねられていることを改めて知り、そこは作品にも反映させました。取材では仕事の話だけではなく、その方の暮らしぶりを伺うようにしています。例えば終業後は何をしているか、家族や友人とどんな会話をするか、などです。資料からは知り得ない情報で、その職業ならではのものの見方や考え方が潜んでいることが多いです」と藤村さん。

小説を書く上で、シナリオのどのような点が役立っていますか?
「小説はシナリオとは違って心情を細かく書きこむことも出来ますが、全部説明してしまうよりも読者さんが想像する余地を残した方がいいのではないか、あえて登場人物の行動や情景描写で心情を表現したい、と模索しながら書いています。あと、登場する部屋の広さや小道具の配置など、映像としてきちんと浮かぶように気をつけています」とのこと。

今後の抱負をお聞きしました。
「サスペンスだけではなく、幅広く、そして息長く書き続けたいです」と、これからも楽しみな藤村さんです!(浜田)

2015年4月号

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岩﨑敬子さん、第35回BKラジオドラマ脚本賞佳作受賞!

大阪校作家集団クラスに在籍の岩﨑敬子さん(44期)が第35回BKラジオドラマ脚本賞で佳作を受賞されました!
今回はそんな岩﨑さんにお話を伺いました。

受賞作「お乳の神様」の着想の過程と、応募のきっかけをお聞きしました。
「研修科の課題『兄嫁』で描いた作品をリライトしました。92才で亡くなった母が最期まで、父の写真の右下に叔父の写真を掛けて祀っていました。戦死した婚約者や、いとこの面影も重ねていたのだと思います。以前、叔父の軍事葉書の束が仏壇の引き出しにありました。母の世代の女性にとって、死を強要された同世代の若者を悼む気持ちが最後まで強かったのだと思いました。内容はすべてフィクションですが、当時の平凡な女の気持ちを表したいと思いました」と岩﨑さん。

シナリオを書くきっかけをお聞きしたところ
「ペットの愛犬を失い、唯一の趣味がなくなりました。のんびり、ぐだぐだしていると、空気頭現象が進んできたので、全くの消去法でシナリオ・センター大阪校に入学しました。そこで、今までの読書体験を覆すような濱田先生の作品分析がとてもおもしろく、はまりました。」とのこと。

普段シナリオを書かれるためにどんな工夫をされているか、お聞きしました。
「ともかく、ゼミの課題をこなしています。提出しないと、皆さんのお時間を無駄にすることになり、お粗末で嫌気がさしても一応、おわりまで書くようにします。ご講評いただいたものを参考にまた書き直したりすることもあります」と岩﨑さん。

今後の抱負をお聞きました。
「豚もおだてりゃ木に登るはずです。怠け心を叱り飛ばします」と、これからの活躍が楽しみな岩﨑さんです。頑張って下さい!(浜田)

2015年3月号

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桑原亮子さん、第35回BKラジオドラマ脚本賞最優秀賞受賞!

大阪校出身の桑原亮子さん(60期)が、第35回BKラジドラマ脚本賞の最優秀賞を「夏の午後、湾は光り、」で受賞されました。桑原さんは第41回創作ラジオドラマ大賞奨励賞に次ぐ受賞です。
今回はそんな桑原さんにお話を伺いました。

受賞の感想をお聞きしたところ
「受賞の連絡をいただいた時、喜びが大きすぎて、30分くらい感覚が麻痺しました。歩いても足元がふわふわするのです。自分の書いたものを認めて下さった方がいる、ということがとても嬉しかったです」と桑原さん。
受賞作を書かれたきっかけをお聞きしました。
「子どもの頃から丹後半島によく連れていってもらったのですが、あるとき、海へ向かう橋のそばに小さなリヤカーが置かれていました。きっと野菜か魚を運ぶリヤカーだったと思うのですが、もしあれが花を売る女子高生のリヤカーなら、背後にはどんな物語があるだろう?と考えたのがはじまりです」とのこと。

作品を書くために普段どんな工夫をされていますか?
「思いついたことは、こまめにメモをとるようにしています。私のメモ帳は俳句と短歌とシナリオの台詞とで混沌としています」

書くのが辛くなった時、どのようにして乗り越えてこられましたか?
「書くのが辛いときでも、一行書き進めれば、そこはさっきとは違う場所です。辛い、と思ってその場所にうずくまっていると風景は変わらないので、とにかく一行、一文字でも書いてみる、そうやって乗り越えました」

今後、描きたいテーマを伺いました。
「描きたいテーマがいくつかあります。その中にかなりの勉強が必要なテーマがあるので、今、受験生のように資料に埋もれています」と、今後の活躍が楽しみな桑原さんです。尚、今回の受賞作は「FMシアター」として全国放送の予定です。(浜田)

2015年2月号

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作家集団クラスの塩屋薫さん、5分ドラマが映像化!

J:COMチャンネル「私立輝女学園」のシナリオコンペで115作品の中から採用された大阪校作家集団在籍の塩屋薫さん(71期)の作品「朝組4」が、5分間のドラマとしてOAされました。一流の女優を目指す小中一貫校「私立輝女学園」の生徒たちが、実践的な体験を通じ、女優の基礎を学ぶという番組で、その中のドラマ体験としての5分間のドラマ製作というのが今回の企画の内容です。
そんな塩谷さんにお話を伺いました。

撮影現場に立ち会われた塩屋さんに、その時の感想をお聞きしたところ、
「演出を見ていて、台詞のリズムや目線にちょっとした変化をつけるだけで、人物像が深まるのだと勉強になりました。人物をより立体化・実在化するために、スタッフさんが脚本には書いていない部分まで一緒に考えてくれたのも印象的で、自分の書いたものが、多くの方の力で映像化される瞬間に魅力と責任を感じました」とのこと。

そんな塩屋さんに作品を書き続けるためのモチベーション維持の秘訣をお聞きしました。
「多趣味&好きな事を追求するオタク気質なので、興味をもったら即行動に移すようにしています。小旅行にもよく出かけて、あれこれ想像をふくらませるのが好きです」と塩屋さん。

ずばり書くことの魅力をお聞きました。
「口に出してすぐ言うより、何度も考え直して書いたメッセージの方が相手に深く伝わるような気がします。台詞に共感してもらえた時は、何よりも嬉しいですね」

最後に今後チャレンジしたいことや抱負をお聞きました。
「まだ作家集団クラスの課題をこなすのに必死ですが、ラジオドラマや童話にも興味が出てきたので、勉強していけたらと思っています」と、これからの活躍が楽しみな塩屋さんです。(浜田)

2015年1月号

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作家集団クラスの吉川幸子さんが落語を執筆!

大阪を愛し、大阪の庶民の生活を描き続けた人気作家「織田作之助」さんの小説を、大阪校作家集団の吉川幸子さん(62期)が第44回上方はなし彦八まつり」の「織田作之助銅像建立記念落語会」において、落語にアレンジされました。中でも「節約合戦」は、吉川さんが41年の同名作品を現代の大阪・ミナミを舞台にアレンジされたそうです。
今回はそんな吉川さんにお話を伺いました。

小説を落語に脚色する上で楽しかったこと、苦労したことをお聞きしたところ、
「とにかくオモロかったらそれでエエやんという大阪人的発想でいきました。苦労したことは、やはり織田作之助さんの小説のテイストを生かすこと、それと落語の落ち(下げ)をつけることだったと思います」と吉川さん。

落語脚本を書く上で、シナリオのどんな点が役に立っているかお聞きしました。
「シナリオを書くために、映画、小説や落語など色々なものを見たり、聞いたりすることだと思います」とのこと。

作品を書き続けるためのモチベーション維持の秘訣をお聞きしました。
「シナリオの勉強というより、ネタを探すため、世間は何を楽しんでるのかな?と、自分自身も色々楽しむようになりました。ネタづくりと称し?、娯楽芸能(映画、落語)を楽しむことだと思います。とにかく、楽しみながらやってくことではないでしょうか」とのこと。

今後の抱負をお聞きしました。
「アンチエイジングのためにも、頭をつかっていくことを続けねば、と思っています」と、吉川さん。

映像シナリオ、ラジオシナリオ、そして今回の落語など様々な分野で活躍中の吉川さんですが、今後のますますのご活躍が楽しみですね。頑張ってください!(浜田)

2014年12月号

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石黒久人さんの「超救助犬リープ」が発売!

大阪校出身・石黒久人さん(46期)の「第25回日本動物児童文学賞」大賞受賞作品「超救助犬リープ」が学芸みらい社より発売。
今回は石黒さんにお話をお伺いしました。

小説を書く上で、シナリオのどんな点が役に立っていますか?
「最初の掴み、構成の仕方など、いろんなことが役に立っています。シナリオ・センターで学ぶ以前と決定的に違うのは、読む人を意識することでした。本作品も犬が人間に語りかけてくるような文体にしていますが、そうしたことは明確に意識しています。また、取材とリアリティについて学んだこと、『徹底的に取材して、わかった上で、嘘をつく』というのは、そのまま使わせていただきました。本作品執筆にあたっても、災害救助犬の訓練所に電話で取材申し込みをしていろいろお話を伺いました。出版後も取材先の方は喜んでくださったし、今でも仲良くお付き合いしています」と石黒さん。

作品を書き続けるためのモチベーション維持の秘訣をお聞きしたところ、
「シナリオや小説を書いている親しい知人がいることです。個人で習作を重ねても、シナリオライターをやっている人とか、小説を書いて出版している人が知人にいないと、しょせんは遠い世界の話という感覚しか持てません。しかし、『知人のあの人がどこかの賞を受賞したらしい』『シナリオが映画化されたらしい』と聞くと、俄然やる気になってきます。シナリオ・センターで知り合った人を、「ライバルとして自覚する」のは、モチベーション維持にとって有効だと思います」と石黒さん。

今後の抱負をお聞きしました。
「読んでくれた人に『面白かったよ』と言ってほしい。だから、これからもずっと、頑張っていこうと思います」

今後の活躍が楽しみな石黒さんです。(浜田)

2014年11月号

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月瀬りこさん、小説「コロモガエ」発売!

大阪校出身の月瀬りこさんが書かれた小説「コロモガエ」がブリジットブックスより発売。
今回は月瀬さんにお話を伺いました。

小説を執筆する上で、シナリオの知識がどんなふうに役立っているかお聞きしたところ
「シナリオで学んだことは本当にたくさん役立っています。シナリオでも小説でも『人間を描く』ことは忘れたくありません。その他にも役立ったことはたくさんありますが、今回の作品でひとつあげるとすれば、『小道具』の使い方はシナリオと同じです。登場人物のキャラクターを際立たせたり、感情を表現するうえで、シナリオでも小道具は欠かせません。小説においても小道具を効果的に用い、出しっぱなしにしないということを心がけています」と月瀬さん。

シナリオや小説を書くためにどんな工夫をされていますか?とお聞きしたところ
「学んだことはすべて無駄にしないように走り書きしたメモも残すようにして……。企画書やシノプシス・プロットを書き続けることは良い訓練になっているのではないかと思います。好き嫌いせず様々な時代やジャンルの名作・名画・名曲といわれるものに触れると、そこから学ぶことがたくさんあります」とのこと。

シナリオや小説を書き続けるための秘訣をお聞きしたところ
「気合いと根性とわずかな下心(笑)でしょうか。ただ行き詰ったら、ブログを書いて肩の力を抜いたりしています。読んだ方の反応をすぐに受け取ることができるのはとても有難いことです」と月瀬さん。

今後の予定と抱負をお聞きしました。
「只今、小説を執筆中です。また、オムニバス映画三部作が秋頃からクランク・イン予定で、去年から撮影中のホラー映画が引き続き……」

これからも楽しみな月瀬さんです。(浜田)

2014年10月号

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西史夏さん、「こおのとり短編戯曲賞」を受賞!

大阪校62期生の西史夏さんが書かれた「Bridge」が「こおのとり短編戯曲賞」を受賞。
今回は西史夏さんにお話をお伺いしました。

最終候補に残られた方が滞在取材をして書き上げ、完成した戯曲を街のどこかでリーディングをし、観客が投票する…という、少し変わった戯曲賞だと思うのですが、全体を通して楽しかった事や苦労した事などがございましたら教えて下さい。
「『北但大震災』をテーマにするという事は決めていました。滞在取材中は、災害について調べることが想像していた以上に重くて、午前中に資料を集中して読むと、午後にはグッタリしていました。それでも、訪ねていった城崎町の皆さんが快く取材に応じてくださり、交流の中で、創作のヒントを得ることが大いにありました。昨年、『第6回富士山・河口湖映画祭シナリオコンクール』でグランプリを頂戴し、富士河口湖町で映画を撮影しました。富士河口湖町が私の第二の故郷であるように、城崎町もまた故郷になりました。『Bridge』は、大正14年に起こった北但大震災で亡くなった旅館の若女将<サヨ>を主人公にした物語です。災害も戦争も、弱者から先に命を奪われてゆくのは同じ。拙作では、今も昔も変わらない女性の辛苦を書き込んだつもりです。いわば『災害とジェンダー』の物語です。街角リーディングでは、私が思っている以上に共感してくれる女性が多くて、泣きながら聞いてくれる方が沢山いらっしゃいました。仕事でも、日常でも、女性として悔しい思いをすることが沢山ありますが、多くの人が同じ思いを抱いている事を知りました。今後も、女性の気持ちを女性の言葉で書き続けてゆきたいと思います」

これからも楽しみな西さんです。頑張ってください!(浜田)

2014年9月号

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大沢望子さん、シナリオS1グランプリ奨励賞受賞!

大阪校出身の大沢望子さん(62期)が書かれた「狐の嫁入り」が第26回シナリオS1グランプリにて奨励賞を受賞!
大沢さんにお話を伺いました。

受賞の連絡を受けた時の感想をお聞きしたところ
「『えっ?本当に?』っと驚きましたが、すごく嬉しかったです」と大沢さん。

受賞作の作成秘話がありましたら教えて下さい。
「大阪校の作家集団での『兄嫁』の課題で書いた作品が元になっています。最初『真夏の桜』というタイトルだったんですが、その後『真冬のサクラ』というドラマが放送されたので変えたんです。実はこの作品は別のコンクールに出した事があったんですがダメでした。でも、書き直して再チャレンジしてみたところ、奨励賞をいただきました」とのこと。

大沢さんがシナリオを書き始めたきっかけは何ですか?
「夫の転勤で水戸から大阪に引越ししてきて、大阪にはシナリオ・センターがあるのを知っていたので、行ってみようと思いました。昔からドラマを見るのは大好きでしたが、書き始めたのはシナリオ・センターに入ってからです」と。

普段、シナリオを書くために題材探しなど、どんな工夫をされていますか?
「なるべく何でも拾い上げらるるように心がけています。たとえば、電車やお店などでも周囲の会話を聞いている中でもヒントがあったりしますので、注意しています」と大沢さん。

書くのが辛くなったり、挫けそうになった事はありますか?そんな時はどのようにして乗り越えてきましたか?
「コンクールに落ちた時は毎回挫けます。でも、気分転換にドラマを見ているうちに、また書きたくなります」

今後の抱負を教えて下さい。
「プロのシナリオライターになりたいです!」

これからも楽しみな大沢さんです! (臼井)

2014年8月号

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林日里さん、審査員奨励賞受賞!

通信作家集団の林日里さん(57期)が書かれた「不惑ノヒト」が伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2013、中編の部にて審査員奨励賞を受賞。
林さんにお話を伺いました。

受賞が決まった時の感想を教えて下さい。
「審査発表の時は、頭の中が真っ白だったので、実はあまり覚えていないんです。龍居由佳里先生から名前を呼ばれたときは、たぶん飛び上がって喜んだのではないかと思います」とのこと。「受賞式は、最終候補に残った人全員が招待され、当日発表があるまでは自分が受賞できるかどうか分かりません。受賞できなかったとしても、審査員の先生やスタッフの皆様に、最終まで残していただいたお礼を言わねばならないと思い、あまり気負わずに受賞式に参加しようと思いました」と。「審査発表の夜、審査員の先生方と懇親会があり、賞に選んでくださった龍居由佳里先生やほかの審査員の先生方からも、作品についてどこを直したらいいか具体的にご指導いただきました。先生方が作品を何度も読んで丁寧に審査してくださっているということが分かり、とても感激しました」と林さん。

コンクールに応募しようと思ったきっかけは何ですか?
「伊参スタジオ映画祭のコンクールでは、大賞に選ばれると自分で映画化するという条件があるので、私のように監督の勉強をしていない者がトライするのは、向こう見ずで図々しいことなのかもしれません。でも、どうしても自分の作品を映像化したい。なにか行動を起したいという一心で応募しました」と。

これからの抱負を教えて下さい。
「どんな形でもいいので、オンエアされる作品を目指して頑張っていきたいです」とのこと。これからも楽しみな林さんです! (臼井)

2014年7月号

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有信由美子さん、橋田賞新人脚本賞にて佳作を受賞!

大阪校出身の有信由美子さん(69期)が書かれた「消えた卒業証書」が第22回橋田賞新人脚本賞にて佳作を受賞。
有信さんにお話をうかがいました。
「3月中旬携帯が鳴って『橋田文化財団です。このたびは…』と言われ『キター!』と思いました。先方が『受賞式に来られますか?』と聞かれたので『行きます行きます行きます!』と3回ぐらい答え、相手が笑われていたのが記憶に残っています。それからしばらくすると落ち着いてきて『5月の受賞式(芸能人がたくさん来る)に絶対行くためにとにかく交通事故にあわないようにしよう』と真剣に思いました」と有信さん。

応募しようと思ったきっかけは?
「大阪校研修科時代に濱田先生のゼミで書いた20枚シナリオ『古キズ』が元です。そのとき先生から『これで長編を書いて下さい』と言われ、さらに先生やゼミ仲間からいくつかの具体的な提案をいただき、ほぼそのとおりに膨らませて書きました。物語は戦時中子どもたちに『お国のために死ね』と教えた元小学校の美術教師が、自身の過去にオトシマエをつけるという内容です。書き直そうと思ったのは去年の夏、日本でも新たな戦前を思わせるようなニュースが相次ぎ、腹が立ってしょうがなかったからです。再び教師が子どもを戦地に送るようなことがあってはいけない!そういう思いを込めて書きました」と。

今後の抱負を教えて下さい
「今仕事が忙しくなってしまい、シナリオに向き合う時間もとれなくなってしまっているのですが、この受賞を契機に改めて書き続けたいと思いました。シナリオを書き始めるきっかけとなったジェームス三木先生の『翼をください』のような視聴者の心にいつまでも残るドラマを描けるようになることが目標です!」 (臼井)

2014年6月号

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凪司工房さん、NHK-FM青春アドベンチャー「幻坂」を執筆!

大阪校出身の凪司工房さん(51期)が、NHK-FM青春アドベンチャー「幻坂」を執筆されました。

書くことになった経緯を教えて下さい。
「ディレクターさんより連絡があり、原作がある青春アドベンチャーの企画で脚色になりますが参加されますか? というお声を掛けていただきました。元は山本雄史さんの企画でオムニバス形式の作品のいくつかを関西の若手作家に書いてもらおう、という話だったようです」と。

書かれた感想は?
「初めて脚色という形で作品を書きましたが、想像していた以上に原作を脚色するということは大変でした。今回はBK(NHK大阪放送局)制作ということで『関西弁で』ということと、制作側から『人間ドラマで』という条件が出されました。原作はミステリーで有名な有栖川有栖先生で、今作は幽霊等が登場する不思議で情緒に溢れたお話が多く収録されたものでした。ただ自分が担当したのはミステリー要素の強い回で、それを15分にまとめるのが大変でした」とのこと。

凪司さんにとってズバリ「書くこと」とは何ですか?
「『苦楽と責任』ですね。書くことは好きでずっと書いていたいくらいなんですが、実際に作品制作に関わって自分が以前考えていたよりずっとシナリオがそのまま作品化されるのだな、ということが分かり、より一つ一つの事柄を考えるようになりました。シナリオは設計図で、そこに歪みがあれば、出来上がった作品は大きく傾いてしまう。ミスは許されないけれど、出来上がってみるまで分からないミスも多い。そして一度上げたシナリオは後戻り出来ない…と思いました」

今後の抱負を教えて下さい。
「1本でいいので、人の心がぐぐぐっと動かせるような作品を書きたいです!」 (臼井)

2014年5月号

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西史夏さん、「ブーケ~a boupuet~」が映像化!

作家集団の西史夏さん(62期)が書かれた第6回富士山・河口湖映画祭シナリオコンクール、グランプリ作品「ブーケ~a bouquet~」が映像化。
西さんにお話しをうかがいました。

映像化にあたり、大変だった事はありますか?
「撮影条件や予算の関係で、監督と改稿のやりとりがありました。ちょうどその時、初めての長篇戯曲の上演があり、こちらも稽古と改稿の真っ最中。切羽詰った状態の中、時間と闘いつつ改稿をしたことは良い経験でした。映像化するという事は、もはや一人だけの作業ではない事をひしと感じました」と。

ロケには参加されましたか?
「はい。ロケは4日間あり、私は後半の3日間参加しました。撮影当日は、甲府で本州の最高気温を記録するという灼熱の日でした。炎天下での運動会シーンや河原でのシーンなど、日陰の無い場所での撮影が続き、俳優、エキストラ、スタッフの皆さんは本当に大変だったと思います。また、富士山・河口湖映画祭は町民による手作りの映画祭。ボランティアの皆さんの手作りの食事や、撮影場所のハーブ館の皆さんのご協力など、現場や地域の皆さんの温かさに感激しました。今では、河口湖町を第二のふるさとのように感じています」と。

映像化された感想は?
「脚本の映像化にあたり、撮影条件や予算、現場判断で度々シナリオの改稿がありました。シナリオはディティールも大切ですが、作者はそうした改稿に負けない『太いドラマ』を描く必要があると感じました」と。

今後の抱負を教えて下さい。
「戯曲も書いているのですが、近い将来、自分で主宰して上演出来る場を持ちたいと考えています。また、歌舞伎や能の脚本も書いてみたいですね」と西さん。
これからも楽しみです!(臼井)

2014年4月号

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出雲弘紀さん、ノースアジア大学文学賞にて受賞!

作家集団と小説研修クラス在籍の出雲弘紀さんが、第6回ノースアジア大学文学賞にて奨励賞を受賞!今月は活躍中の出雲さんにお話を伺いました。

受賞された感想をおききしたところ
「率直に言って嬉しかったです。創作は孤独な作業なので、その結果としての作品が認められたことが嬉しかったです」と出雲さん。

今回このコンクールに応募しようと思ったきっかけがありましたら教えて下さい。
「エッセイは実生活をもとにしながら具体的なテーマがあり、それが読者の共感を呼ぶ普遍性のあるものでないといけないと思います。自分にどこまでそんな作品が書けるかチャレンジしたいと思いました」とのこと。

エッセイでの受賞ですが、何か執筆秘話はありますか?
「作品のテーマは、自然の移り変わりの中で時間を五感で感じとるような、ゆったりとした気持ちが必要だというものでした。ケータイやスマホが使いこなせない世代の人間なので、若い人達の反応が気になっていました。大学の文学賞で認められたのですから、若い人にも受け入られたのではと安堵しました。」と出雲さん。

今後の抱負をお聞かせ下さい。
「シナリオ・センターの若い生徒さんから年賀状で、受賞のお祝いと合わせて、『今年は負けませんよ!』とのメッセージを頂きました。いつまでも若い人達からライバル視される存在でありたいと思います」とのこと。

いつまでもパワフルな出雲さん!これからも楽しみです。(臼井)

2014年3月号

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田中智章さん、活躍中!

大阪校出身の田中智章さんが映画やアニメに活躍中!今月は田中さんに脚本を書かれた映画「シャニダールの花」についてお話をお聞きしました。

書く事になった経緯を教えて下さい。
「僕が茨城県の水戸短編映像祭で監督した自主映画『放課後ノート』がグランプリを頂き、その時の審査員が『シャニダールの花』の石井岳龍監督でした。その時に色々とお話をさせて頂き、名刺交換をし、別れ際に『映画界は厳しいけど、これから色々作品を作って企画書書いたり頑張って。田中君はきっと大丈夫だから』と仰って下さったんです。とても嬉しかったです。それから数年後、東京に引越しした時に石井監督に連絡したんです。また、何かございましたら宜しくお願いいます、と。自分が書いた脚本をお見せしたら『面白かった。いつか脚本をお願いするね』と言っていただきました。社交辞令かな…と思いきや、実際この作品のお話を頂きました」とのこと。

書かれた感想は?
「『人間が花にのっとられてしまう』という難しい題材でした。5年かけて、石井監督と改稿を重ねました。でも全然苦ではなかったです。まだ映画人としての駆け出しの僕の意見もちゃんと聞いて頂き…結構偉そうな事も言ってしまいました。でも全然頭ごなしに否定しない。強い信念を持ちながら、ものすごい包容力もある方だ思いました。この映画に携わる事が出来、監督と一緒に映画を作ることが出来て本当によかったです」

今後の抱負を教えて下さい。
「監督としてオリジナル長篇映画も作りたいですし、脚本家としても、映画、テレビ、アニメなど幅広く執筆したいです。子供~中高生たちが、ストレスの多い社会の中で、逃げ場所になれる作品を作りたいです」  (臼井)

2014年2月号

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谷口雅美さん、短編小説等で活躍中!

作家集団の谷口雅美さん(54期)が短編小説等で活躍中!今月は谷口さんにお話を伺いました。

今年の夏にMBSラジオ「ありがとう浜村淳です」の中で、小説「あなたが生まれた日ー家族の愛が温かな10の感動ストーリー」(リンダブックス)掲載の「母の言霊」がラジオドラマとして放送されましたが、感想を教えて下さい。
「5分のミニドラマを3日連続という形でしたので設定はナレーションで回想は使わず時系列にと、構成も大きく変わり、また浜村さんの感想や時事ネタも盛り込まれていましたが、作品の持ち味は変わらず感動しました。書いた時は自分が最良と思っていた構成も、まだまだ考える余地があるのだと勉強になりました」と谷口さん。

小説とシナリオ、どちらも書かれている谷口さんですがそれぞれの良いと思うところを教えて下さい。
「シナリオでは心情をストレートに書かずに行動やしぐさなどから読み取ってもらえるように工夫する楽しさがありますが、小説では心情そのものを、表情や五感を使った描写を駆使する楽しみがあると思います」

ズバリ書くことの魅力は?
「書いている時は苦しいしうまくいかない時は落ち込みますが、小説もシナリオも、ネタのピースがうまくハマった時のスッキリ感と、一本書き上げた時の爽快感が魅力です」とのこと。

今後の抱負を教えて下さい。
「できるだけ長く、書き続けていきたいです!」と谷口さん。
これからも楽しみな谷口さんです。頑張って下さい!(臼井)

2014年1月号

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松元秀智さん、GADGET主催 超短編小説レーベル「ナノベル」で執筆!

作家集団の松元秀智さん(53期)が、GADGET主催 超短編小説レーベル「ナノベル」で執筆作家として活躍されています。
今月は松元さんにお話をお聞きしました。

このナノベルは、文字数2000字以内という制限がありますが、書かれてみた感想はいかがでしたか?
「小説、特にナノベルはシナリオよりは表現が自由なので、編集部に面白いと判断して頂ければ、通ることがあります。通ると嬉しいです。2000字というしばりは、けっこうキツイです。でもその分要点が絞られ、磨き上げられた内容になっていると思います」と松元さん。「作家集団でシナリオと40枚のシノプシスを書きますが、シノプシスを書く作業が、小説を書く時に役に立っていると思います」とのこと。

シナリオや文章を書き始めたきっかけは
?「現実逃避の落書きです」シナリオや小説の題材を探す時や、構想を練る時の工夫や秘訣はありますか?
「常に頭のどこかで考え続けてアンテナを張り、書き続ける事だと思います。それがいつも出来ればいいのですが…」と。

小説やシナリオを書く事はとても大変な事だと思いますが、挫けそうになった時どのように乗り越えられましたか?
「挫けてばっかりなんですが、それでも書くしかない!と思って書いています。自分の人生は書く事でしか開かれないんだと呪文のように言い聞かせています」と。

今後どのような作品を描かれたいですか?
「毎回違った面白いものが書きたいです。大げさな事を望むなら、読んだ人の人生にプラスに働くものが書ければいいな、と思っています。それが2000字で出来たら凄いことだと思います!」と松元さん。
頑張って下さい! (臼井)

2013年12月号

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江藤直樹さん、EXILE PRESENTS 脚本家募集で最優秀賞受賞!

長篇研究科の江藤直樹さん(64期)が、EXILE Presents CREATOR BATTLE AUDITION 第1弾 脚本家募集で最優秀賞を受賞されました。
受賞の感想をお聞きしたところ
「今でもまだ信じられない気持ちです。小島先生やクラスのみんなからお祝いの言葉やお祝いの会を開いていただき、少しずつ実感が湧いているところです」と。

応募しようと思ったきっかけは?
「自分の書いた脚本を映画化することを常に目標にしていたため、今回の賞に応募しました。今回の話は、地方で働く若者を主人公にしています。あまり知らない世界を舞台にしているので、普段の暮らしや町の雰囲気などディテールを調べるのに非常に苦労しました」とのこと。

江藤さんが書いた作品が映画化される予定ですが、今の気持ちは?
「自分の書いた脚本が堤幸彦監督によって映画化されるということに、何よりも感激しております。それと同時にプロの現場に自分の脚本を提出するということについて、責任の重さを感じていると共に、何としてでも頑張らなくてはと思っています」と。

シナリオを書く事は江藤さんにとってどのような事ですか?
「自分にとって作品を作るということは『エンターテイメントの作品を通じて、世の中を少しでもよくしていきたい』という想いがあります。自分の作品で泣いたり笑ったり、さあ明日から頑張ろう!と元気になってもらいたいです。そして何か人生や自分について考えて、一歩踏み出せるきっかけにしてもらいたいです。どんなに小さくてもいいので、誰かの人生のほんの一部に影響を与えられるような作品を作っていきたいです」と江藤さん。

これからも楽しみな江藤さんです。頑張って下さい!(臼井)

2013年11月号

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月瀬りこさん、今秋完成のホラー映画「おおわいこ」を執筆!

作家集団の月瀬りこさん(61期)が今秋完成のホラー映画「おおわいこ」を書かれました。

書かれた経緯をお聞きしたところ「仲谷監督から、映画のシナリオをお願いしたいというお話を頂きました。実は面識はなく、わりと突然のことでした。仲谷監督曰く『こういうのは、フィーリング』と仰ってました」と。「ジャンルは特に問わないということでしたが特殊メイクで有名な先生だということを知り、それを生かせる作品を書いていこうと決めました3本ほど企画書を書き、その中で『おおわいこ』が決定しました。」と月瀬さん。

書かれた感想を教えて下さい。「実はホラーは初めて書きました。シナリオ・センターの課題でも書いた事はなく…なのにホラーの企画書を書いてしまいました。書いたからには、とにかく必死。ここで逃してなるものか!ってことしか記憶にありません。」とのこと。

本読みや撮影にも行かれたとの事ですが、現場に行かれた感想は?「手元を離れた脚本は本当に監督、プロデューサー、キャストのみなさん、スタッフのみなさんのものだと、強く感じました。どんな料理に仕上げて頂けるんだろうかと、ワクワク感がいっぱいでした。撮影でも徹夜でみなさんとご一緒させて頂いた事がありましたが、チームワークの良さに感動!みんなで血糊だらけになりました。(笑)その中に脚本担当としれ入れて頂いたことは感謝の気持ちでいっぱいです!」と。

シナリオを書くのは大変だと思いますが、今まで続けてこられた理由はなんだと思いますか?「粘りすぎて引くに引けなくなったからというのもありますが、書く事は私にとって生きることだと感じているからです」と月瀬さん。
これからも楽しみな月瀬さんです!(臼井)

2013年10月号

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水川奈津さん、ドラマCD「ソラの唄い手~ある夏の音譜」発売中!

通信作家集団の水川奈津さん(49期)が書かれたドラマCD「ソラの唄い手~ある夏の音譜」がリップルエンターテイメントから発売中!

書かれた感想、何か意識して書かれたことをお聞きしたところ「ドラマCDと言うことなので、聴いていただく方に届けられる情報が『音』だけだな、と思って五感で感じられるように意識はして書きました。小道具にカレーを出してみたり、登場人物のルックスをモノローグで説明させたりしました。あとは、第一稿を執筆したのが震災の年で…震災で傷つかれた方や苦しい状況下にいる青少年の方々がこれを聴いてくださり、少しでも心がいい方に向いてくださればいいな…という想いが書く源動力になり、書き上げられたと思っています」と。

ドラマCDを聴いてみた感想は?「一番は声優の方々が感情移入して演じてくださり、感謝の気持ちで一杯になったことです。出来上がった作品に反省点も多々ありました」と水川さん。

シナリオを書き始めたきっかけを聞いたところ「それまで小説とかエッセイとか、仕事でキャッチコピーとかは書いていましたが、本格的にシナリオを書くきっかけになったのはシナリオ・センターのチラシを見てからだったと思います」とのこと。

今まで書き続けてこれた理由は何だと思いますか?「これを誰かに伝えたいな、という『想い』だと思います」

今後の抱負を教えて下さい。「このドラマCDを劇場アニメーションとして映像化したいです。難しければ次回作で実現したいです!」と。
これからもますます楽しみな水川さんです。がんばって下さい!(臼井)

2013年9月号

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馬場さくらさん企画オムニバス公演vol.1「白と手錠」上演!

作家集団の馬場さくらさん(60期)が企画された舞台SAKURA PRESENTSオムニバス公演Vol.1「白と手錠」にて作家集団の野村久美子さん(64期)と桜庭奈々子さん(71期)そして企画・演出もされている馬場さんがオムニバス作品として書かれました。

「今不景気で色んな問題が社会にあるなかで、そんな時にこそエンターテイメントな舞台をみて少しでも笑ってもらえたり、ナマ(LIVE)ならではのパワーをお届けできればと思い企画しました」と馬場さん。「上演してみて、観てくださった方々の心に届いたという手ごたえがありました。もともとは、作・演出をすべて自分でやるタイプなのですが、今回は他の人が書いた本を演出する事で自分のスキルアップになりました」との事。

野村さんは「馬場さんに、三人の女流作家によるオムニバスのお芝居を一緒にしようと声をかけていただきました。自分の脚本が上演され感無量!自分の作品でありながら、クライマックスでは三公演とも思わず涙してしまいました」と。「実は、今回の脚本は研修科の時に先生に唯一褒めてもらった作品を、舞台用に書きかえたんです。とても思い入れがある作品なので映像化もしてみたいです!」との事。

桜庭さんは「今回の公演は元々交流があった馬場さんにお話を頂きました。舞台脚本を書くのが初めてだったので不安も大きかったのですが、様々な分野に挑戦してみたいという思いがあり書かせて頂きました」と。「役者さんに演じてもらい、それをお客様に観て頂くという事が初めてだったので、自分の作品が形になりとても嬉しかったです。お客さんの反応を直に見る事ができ、とても勉強になりました」との事。
これからも楽しみな三人です!(臼井)

2013年8月号

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桑原さん、第41回創作ラジオドラマ大賞にて奨励賞受賞!

大阪校出身の桑原亮子さん(60期)が書かれた「星と絵葉書」が第41回創作ラジオドラマ大賞にて奨励賞を受賞されました。受賞の感想をお聞きしたところ「まさか、と思いました。これまでほとんどシナリオの賞に応募した事がなく、当面の目標が『一次選考通過』でしので、ご連絡をいただいた時は本当にビックリしました!」と桑原さん。受賞式に出席された感想をお聞きしました。「とても楽しかったです。その上、NHKのディレクターさん、脚本家の方々とたくさんお話しできてとても勉強になりました。ホテルに帰ってから、いただいたご意見や裏話など、一言も忘れないように全部ノートに書き留めていたら午前2時頃までかかりました」とのこと。

応募しようと思ったきっかけ、着想のきっかけを教えて下さい。「突然『応募してみよう』と思い立ちました。題材は何がいいかと考えるうち、大学生の頃から身近なものである『詩・短歌』が浮かびました。音だけに集中できるラジオドラマと『詩・短歌』は相性がいいのではと思ったのです。主人公を詩人と決めて、どんな詩を書く人物かを考えたあと、鳥が魚を丸呑みするみたいに、物語の最初一文から最後の一文まで一気に書きました」と。シナリオを書き始めたきっかけをお伺いしたところ「昔から映画やドラマが好きで多く見ているうちに、自分でも書きたくなり二十代半ばから書き始めました。今はシナリオを書くのがとても楽しいです」

今後の抱負を教えて下さい。「ラジオドラマ、映画、テレビドラマ、それぞれについて『これを書きたい』と思っている題材がありますので、いつか一つずつ形にしていければと思っています」と。これからも楽しみな桑原さんです!(臼井)

2013年7月号

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富士山・河口湖映画祭シナリオコンクールグランプリ受賞おめでとう、西史夏さん!

作家集団の西史夏さん(62期)が書かれた「未来のウエディングブーケ」が第6回富士山・河口湖映画祭シナリオコンクールにてグランプリを受賞されました。受賞された感想をお聞きしたところ「携帯の留守電に『直接お伝えしたいことがあります』と実行委員の方のメッセージが入っていて、『キター!』と正直思いました。しかし実際に嬉しさをかみしめる事が出来たのは数週間後でした」と西さん。応募しようと思ったきっかけは?「作家集団クラスで河口湖の話題が出た事。映像化されるし、私も出してみようかなと思いました」との事。今までシナリオを書き続けてこれた理由は何だと思いますか?「『執着心』ですね。たぶん、人と比べて相当しつこい性格だと思います。あと、趣味でマラソンを始めたことも大きいと思います」と。

普段書くためにどんな工夫をされていますか?「時間と場所を確保する。執筆を決めたら手帳に『執筆』と書きこんで、仕事や雑事に時間を奪われないようにします」と。書くのが辛くなった時、どのように乗り越えられてきましたか?「書くのが辛いと思ったことは今のところありません。むしろ、書くことにすがって生きているようなものです。けれど筆が止まってしまったときは、チョコレートを食べるようにしています。あとは寝ること。切り替えが大事なのかな、と思います」と西さん。

今後の抱負を教えて下さい「シナリオと並行して戯曲も書いています。今は上演の事しか考えられません!」これからも楽しみな西さんです。頑張って下さい!

☆西さんの戯曲が上演されます! 処女長編戯曲「林檎幻燈」6月27日~30日、大阪のアトリエS-paceにて ぜひご来場下さい!(臼井)

2013年6月号

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みんとさん「切恋」「切恋2」を執筆!

作家集団の「みんと」さんことY.Hさんが、現在発売中のアダルトDVD「切恋」「切恋2」を書かれました。「『年下の男性と私(30代半)男性が既婚の女性に恋をしてしまう、切なさをあらわす作品』という指定があったので、それに沿うような形で執筆しました。女性用アダルトDVDでしたので、あくまでも『美しく』を心がけました」とみんとさん。

書かれた感想をお聞きしたところ「『切恋』は30分ものの作品で作家集団で書いている量と同じで今まで勉強してきたままの感じで書き、ストーリーは誰もが分かりやすいように単純なものにしました。アダルトDVDは色々な縛りがある中それをどうクリアするのかが、大変と言えば大変かもしれません。でも、そんな事はまったく苦になりませんでした。執筆はとても楽しかったです」との事。

「しばらくして先方から続編のお話をいただきました。前回は30分のシナリオだったのですが、続編は90分だったので正直どう書けばいいのか戸惑いました。でも、よく考えれば30分を3本書くような気持ちで書けばいいんだ、と気付いて、そのように書きました。本当に楽しいお仕事で、とても勉強になりました」と。普段シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?「シナリオ・センターで勉強したことを何度も見返して、教えられた通りに書くようにしています。結局は基本が大切だと思うのです。『ゼミの三本柱』は、パソコンの横に貼ってあります。いつでも見ることができて、それがちゃんと自分の作品の中にあるのかチェックしています」との事。

ズバリ、書く事の魅力は?「妄想が現実になる!」パワフルなみんとさん、これからも楽しみです!(臼井)

2013年5月号

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木村さん大阪校、5枚シナリオコンクール最優秀賞受賞!

作家集団の木村敏男さん(47期)が書かれた、「パートナー・テスト」が2012年大阪校クリスマスわいわいパーティ5枚シナリオコンクールにて最優秀賞を受賞されました。以下の質問にお答えいただきました。今回の課題は「いいね!」ですが、応募しようと思ったきっかけ、着想の過程を教えて下さい。「きっかけは、クラス対抗戦三題噺に参加するため、シナリオ・センターのパーティーに参加するなら、5枚シナリオコンクールも…と色気が出てしまいました。僕の周りの女性が髪型を変えられた時、無言の『何か言えば!』オーラを出されている経験が多々あり『いいね!』はそんな時に僕が使う言葉でした。それが着想のきっかけです」と木村さん。

シナリオを書き始めたきっかけをお伺いしたところ「私生活の転機を機に。昔憧れていた事をしたいと思ったからです。何度かの休学を経て、10年選手になってしまいました」今まで続けてこられた理由は何だと思いますか?「ドラマが好きだと言う事。ご指導頂いている辻井先生、それにクラスの仲間の刺激と叱咤があればこそです」

普段シナリオを書かれるために何か工夫はされていますか?「映画、テレビドラマはもちろんですが、本を読んで知識・情報を蓄えるように努めています」と。

今後どのような作品を描かれたいですか?「大人の男性に喜んで貰える作品が書ければ、と思っています」今後の抱負をお伺いしたところ「『継続は力なり』その一言を信じて、自分のシナリオがドラマ化されるよう、チャレンジしていきます!」これからも楽しみな木村さんです。頑張って下さい!

★祝!心の憩いデビュー 前田向代さん(66期) (臼井)

2013年4月号

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十時直子さんの小説が発売されました!

大阪校出身の十時直子さんが書かれた小説「佐久間くんといっしょ」がリンダパブリッシャーズより発売されました。小説を書かれた感想をお聞きしたところ「大変でした。行き詰って書けなくなったら、すぐに編集担当さんに相談し、書き上げました。いろんな面で支えてもらい本当に感謝しています。本屋に並んだ時は嬉しくて何店もはしごして回りました」と十時さん。

今までに短編小説も書かれていますが小説の魅力をお聞きしたところ「ボキャブラリーの少ない私はいまだに小説の地の
文を書くのが苦手で、同じ枚数でもシナリオを書く時の5倍くらい時間がかかります。でも地の文で物語を演出・色づけ出来るのは、小説にしかない魅力だと思うので、読者を作品に引き込めるよう、これからも脳をフル回転させて頑張ります」と。

シナリオや小説を書くためにどんな工夫をされていますか?とお聞きしたところ「引き出しを増やすために、色んな年齢や職業の方と出会って、話を聞くようにしています。友達同士のガールズトークもネタの宝庫!友達には失礼だけど、恋バナも人生のお悩みも、何かに使えるのでは…と思いながら話を聞いています」との事。書き続けるのは大変だと思いますが、今まで続けてこれた理由をお聞きしました。

「続けてこれたというか、もうこれしか道はないな…と思っています。あと、お世話にな
った人、支えてくれた人に恩返しをしたいので、書き続けています」と。今後の抱負をお聞きしたところ「小説以外に、ドラマや映画のシナリオを書けるようになりたいです!」との事。とてもパワフルな十時さん!これからも楽しみです。頑張って下さい。(臼井)

2013年3月号

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おめでとう、岡田幸男さん!

研修科の岡田幸男さん(70期)が書かれた「神の壊れた秤~17 and pain~」が第24回フジテレビヤングシナリオ大賞にて佳作を受賞されました。受賞の連絡を受けた時の感想をお聞きしたところ「ある日、非通知の電話がかかってきて、その電話が受賞の連絡の電話でした。ビックリしました」と。

コンクールに応募しようと思ったきっかけをお聞きしたところ「シナリオ・センター大阪校に入学して、シナリオコンクールの存在を知った時から、早くどこかのコンクールに応募しようと思っていました。ヤングシナリオ大賞は自由度の高いコンクールと感じましたので、アレコレ考えずとにかく好きなものを書いてみようと思いました。とても楽しく書け、書き終わった時はキャラ達と別れるのが名残惜しかったくらいです」と岡田さん。

シナリオを書き始めたきっかけは?「ネットで偶然、シナリオ・センターのホームページを見つけて興味を持ちました。シナリオを書き始めたのも入学してからです」との事。普段シナリオを書くためにどんな工夫をされていますか?「映画(DVD)をよく見ます。でも、これはシナリオを書くためと言うより、ただ単純に映画が大好きなだけなんですが、レンタルビデオ屋の隣りに住んでいた時は1年で1000本見ました(笑)。今は、平均して月に10本程度です」と。

今後の抱負を教えて下さい。「小説を書いてみたいです。大阪校の皆さんとはどこかで顔を合わせる事もあると思います。ふつつかな私ですがどうぞ宜しくお願いいたします!」と岡田さん。これからも楽しみな岡田さんです!(臼井)

★祝!「心の憩い」デビュー 竹中あいさん(62期)、満井玲衣さん(66期)

2013年2月号

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篠原昌裕さんの小説が発売!

保健室の先生は迷探偵!?

大阪校出身の篠原昌裕さんが書かれた小説「保健室の先生は迷探偵!?」が宝島社より発売されました。「この作品は第10回『このミステリーがすごい!』大賞の応募作品で、受賞は逃したものの編集部推薦で出版してもらえる『隠し玉』という枠で、文庫出版していただきました」と篠原さん。「出版していただけたのは、ミステリーとしての価値ではなくシナリオ・センターで学んだ『登場人物の心情や関係の変化』を評価していただけたのではないかと思います」との事。

「お話をいただき、出版までは打ち合わせやメールでのやり取り、直し作業もかなり大変でしたが、発売されて自分でも知っている大型書店に平積みされていた時は感慨もひとしおでした」と。「小説を書かせていただき、なおかつ出版していただいて思った事なんですが、1冊の本を出版するのには人とお金が凄く動き、そのぶん責任がかかります。しかし僕一人の力ではなく、色々な人の力があり出版出来ました。その事に感謝し、忘れてはいけない事だと感じました」との事。
「これからも少しでも多くの人に感動してもらえるような作品、面白いドラマを作りたいです」と篠原さん。これからも楽しみな篠原さんです!

☆篠原昌裕さん続いて執筆!
2012年12月6日発売予定 宝島社出身作家のショートショートアンソロジー「5分で読める ひと駅ストーリー 乗車編」内「電車強盗のリスクパフォーマンス」(臼井)

2013年1月号

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作家集団の山口文秀さんが、映画「いろは食堂の夜」を監督されました

いろは食堂の昼

作家集団の山口文秀さん(64期)が、映画「いろは食堂の夜」を監督されました。この映画を作った経緯をお聞きしたところ「毎年一本、短編映画を撮っています。去年、大阪校の30周年の記念誌を見ていましたら、嶋政治さんの『いろは食堂の夜』を見つけました。読んでみましたら、これは映画にしたい!と感動しました。そこから、小島先生に連絡して嶋さんにも会い、映像化へと進みました」と山口さん。

「僕の頭の中では、シナリオを読んだ段階で、配役が決まっていました。その俳優さんに連絡を取り承諾を貰い、スタッフを集めて撮影に入りました」との事。制作秘話をお伺いしたところ「昔ながらの定食屋さんが舞台ですので、撮影場所となる定食屋を探すのが大変でした。ようやく見つけて、撮影ですが、店の休憩時間を使い、撮影させてもらいましたので、撮影自体は結構タイトなスケジュールでした。一番良いシーンを撮る時に、隣のカラオケから曲が流れたり、外のシーンでは、おじさんに絡まれたり…と色々とトラブルはありました」と。

これからはどういう作品を作っていきたいですか?「ここ3年ほど、20枚シナリオを題材に短編映画を撮っています。来年は、少し長めの30分~40分ほどの映画を撮りたいと考えています。あと大きな抱負ですがメジャー映画、商業映画を撮り、シネコンで舞台挨拶をしたいです」と山口さん。頑張って下さい!(臼井)

2012年12月号

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第一長篇研究科の松下寿美子さんと、市川静さん(45期)、嶋政治さん(45期)と舞台脚本を書かれました!

第一長篇研究科の松下寿美子さん(47期)が、大阪校出身の市川静さん(45期)第一長篇研究科の嶋政治さん(45期)と共同脚本として、三田市民演劇三田交響曲「さんだほたる第二章~ふれんず~」を書かれました。

感想をお伺いしたところ「楽しかった。この一言です。大変だった事も含め、初めての事が多くその一つ一つが貴重な経験でした。共作は自分では思いつかないアイデアが出てくるので面白いです」と松下さん。大変だった事をお聞きしました。「セットや衣装の変更を考えて構成しなければならなかった事。舞台ではカットバックが出来ません。あと、出演人数が多くそれぞれに魅せ場を作らねばならなかった事。後からの追加もあったり、話の本流をおさえながら枝を作るのが大変でした」と。

シナリオを書き始めたきっかけをお聞きしたところ「OL8年目に内館牧子さんの『せつないOLに捧ぐ』を読みまして、ちょうどその頃社会人としての理想と現実のギャップや人生に悩んでいた時だったんです。とにかく自分の道を切り拓くのは自分『とにかく動くことしかない』と思い切って大阪校に通い始めました」シナリオを書かれる一番の理由は?「ひとえに、楽しいからです。シナリオを書いていると、人生を客観的にもう一つの目で見ることが出来ます。イヤな人に会ったり、辛い事があっても、この想いはシナリオを書こうと思うと楽しめるようになります」と。

今後の抱負をお聞きしました。「次の展開が気になってしかたがない、感情移入して主人公にのめり込めるような話を書きたいです。あと生々しいですが、シナリオで食べていけるようになりたいです!」これからも楽しみな松下さんです。頑張って下さい!(臼井)

2012年11月号

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大阪校出身の市川さんと、第一長篇研究科の嶋さん、松下さんが舞台脚本を書かれました!

大阪校出身の市川静さん(45期)と第一長篇研究科の嶋政治さん(45期)、松下寿美子さん(47期)が三田市民演劇三田交響曲「さんだほたる第二章~ふれんず~」を書かれました。今月は嶋さんにお話を伺いました。

「出演者数十人の舞台を書く事自体が初めてで、この大人数を動かしてドラマを作ることが非常に難しかったです」と嶋さん。
「三人での共同脚本は、付き合いが長く各々の個性を理解しているせいか、わりとスムーズに書き上げる事が出来ました」との事。

舞台の脚本を書いた感想をお聞きしました。
「映像作品よりも台詞中心なので人物同士の掛け合いが主になります。主人公が喋れなくなるシチュエーションがあるのですが、相当苦労しました」と。

大学生の頃からシナリオを書き始めた嶋さん。今まで書き続けてこれた理由をお聞きしたところ「やはりシナリオ・センターという発表の場があることと、同じ喜び・苦しみを知っている仲間がいることです。シナリオ・センターがなければ、シナリオを続けてないと思います」との事。

「書くのは毎回辛いですが、依頼にしろコンクールにしろ出来るだけ〆切を作ってコンスタントに書くようにしています。結局、同じペースで書き続けていく事が大切だと思います」と嶋さん。

今後の抱負をお伺いしました。
「マイペースに書き続けたいです。まず、書き続けられる環境に身を置くことが重要だと思います。書き続ければ今回のような舞台のお話もいただけますので…継続は力なり、です」との事。

「共作すると刺激があって、得るものがたくさんあります。みなさんも共作してみてはいかがでしょうか?」と嶋さん。

これからも楽しみな嶋さんです。頑張って下さい! (臼井)

2012年10月号

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宮本さん、小説宝石新人賞を受賞されました!

通信作家集団の宮本紀子さん(62期)が書かれた「雨宿り」が、第6回小説宝石新人賞を受賞されました。

小説での受賞ですが、応募しようと思ったきっかけをお聞きしたところ「実は、小説は今までも書いていました。この賞は短編で書きやすいかな…と思ったのと選考委員の方が大好きな作家さんだったので応募しようと思いました。賞を頂いて嬉しさの反面、正直これから気合を入れて書いていかないといけないと言う怖さもあります」と宮本さん。

今、シナリオを書かれている人の中でも、小説を書きたい!という人がいるんですが、何かアドバイスはありますか?「シナリオを書いている人が小説を書くのは、私は比較的書きやすいと思います。シナリオを書かれている人は話の構成を考えるのも上手く出来ると思いますが、小説でも構成はとても大切な事です。小説を書くのは難しく思われるかも知れませんが、シナリオを書いている人は強みがあると思いますので、どんどんチャレンジしていけばいいと思います!あと、他の人の作品をたくさん読む事だと思います。私も今までたくさん読んできました」との事。「小説や、もちろんシナリオもなんですが『書く』事はとても孤独なことだと思います。でもここまで書いてこれたのは、教室に行けば先生やクラスのみんなが居る、そう思えたからだと思います。これは当たり前の事ではなく、とても幸せな事だと思います」と。

今後の抱負をお聞きしました。「今はとにかく、デビュー作に向けて書いていく!ここまできたら書くしかない!!と思い進んでいきたいと思います。あと大好きなラジオドラマも書いていきたいです」これからも楽しみな宮本さんです!(臼井)

2012年9月号

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谷口さん、新井一賞を受賞されました!

作家集団の谷口雅美さん(54期)が書かれた「ともに白髪の…」が、新井一賞にてジェームス三木賞を受賞されました。受賞の感想をお聞きしたところ「賞をいただけると思っていなかったので驚いて、舞い上がりました!」との事。「応募本数×100円が震災への募金金額になると書かれていたので微力ながら…と思った事が応募のきっかけ。ネタ帳の『とも白髪』と『双鳥』という言葉でイメージを膨らませました。作家集団にあがってから課題の60枚ばかりを書いていたので、久しぶりの20枚は緊張しましたが、とても楽しく書けました」と。

シナリオを書き始めたきっかけは何ですか?とお聞きしたところ「実はそれまで小説の賞に応募していたんですが、構成力やキャラ作りが良くないと指摘され、勉強できるところを探していました。色々な人たちと作品を作り上げるドラマや、映画にも興味を惹かれたのでシナリオ・センター大阪校を選びました。気がつけば昔から夢だった小説も書かせていただいているので、不思議なご縁だなぁと思います」と谷口さん。

シナリオを書き続けてこれた理由をお伺いしたところ「続けていられるのは、辻井先生と同じクラスの人たちの存在です。モチベーションを維持するため、客観的になるためになくてはならない存在です。インプットし続けていれば、アウトプット出来ると信じているので、普段も行き詰ったときも、ひたすらインプットを心がけています。人との会話や、旅行、テレビや新聞など手当たり次第です」

今後の抱負をお聞きしたところ「見たり読んだりした人の心に波紋をつくるような作品を書いていきたいです」と。これからも楽しみな谷口さんです! (臼井)

2012年8月号

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村尾さん、新井一賞を受賞されました!

作家集団の村尾美幸さん(56期)が書かれた「夏のびっくり箱」が、新井一賞にて森治美賞を受賞されました。

感想をお聞きしたところ「すごく嬉しかったです!提出前はあかん!ヤバい!!とへこたれそうでしたが、今回は作品を提出する事でワンコイン募金出来るというのが自分への動機付けになったと思います。
この頑張りは全然無駄って訳じゃない、少なくともワンコイン分の意味だけはあるんだ…と思い頑張りました」と村尾さん。
「この作品は研修科の課題『男と女』をベースに書いたんですが、今回は課題が『恋』なので、男女2人だけの逃げ場の無い対峙に絞って20枚書こうと人物の設定も含め書き直しました。郵便の投函時間ぎりぎりまで書いては直し…しました」とのこと。

「実は、シナリオ・センターで勉強を始めたのは7年程前なんですがその間に仕事の関係で2回長期休学したんです。1回目は休んでる間も、夏合宿などに参加していましたが2回目は2年半全くご無沙汰していました。
昨年再開した時、あまりにも書けず怖いなぁ…と。『どんなに忙しくても、ネタを集め続けたり、毎日少しずつでも書く事から離れない事が大事…』これはつい最近も、クラスの先生に私が諭された言葉です」

今後の抱負をお聞きしたところ「作家集団の課題で悩んだり、逃げたくなることもありますが、好きなジャンルに持ち込んだりこじつけるのではなく、出来るだけ課題と素直に向き合って色んなジャンルの創作を練習していきたいと思っています。
そして、人やドラマを描くという、苦しくも楽しい仕事を、早く本業に出来るよう、少し急いでいきたいです!」との事。これからも楽しみな村尾さんです! (臼井)

2012年7月号

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第5回富士山・河口湖映画祭シナリオコンクールを受賞!

作家集団の野村久美子さん(64期)が書かれた「スポットライト」が、第5回富士山・河口湖映画祭シナリオコンクールの準グランプリを受賞されました。

受賞の感想をお聞きしたところ「連絡を受けた時、実は風邪をひいてしまい会社を休んで家で寝てたんです。そこへ受賞の電話を 頂きビックリしました。このコンクールは毎年応募しようと思ってたのですが、中々出すことが出来ず、今回やっと応募する事が出来てしかも賞を頂き、嬉し かったです」との事。
受賞式にも参加された野村さん。感想をお聞きしたところ「とても緊張しました。スピーチをしたんですが緊張しすぎて自分で何を言ってるか分からないほどでした」と。

シナリオを書こうと思ったきっかけをお聞きしたところ「シナリオを初めて書いたのはシナリオ・センター大阪校 に入学してからでした。シナリオに柱やト書きがあるのを知ったのも入学してから。
昔から空想好きで何か形にしたいと思いシナリオを書こうと思いました」との事。「これまで書いてきて落ち込んだり、やっぱり頑張ろうと思ったり…の繰り返しでした。今まで続けてこれたのは同期の人やクラスの人の存在があるからだと思います。
大げさかも知れませんが、仲間が居なかったらシナリオを書くのを止めていたかも知れません。皆頑張っているから私も負けていられない!とやる気を貰っています」と野村さん。

今後の抱負をお聞きしたところ「昔、再放送で見たん ですが向田邦子さん脚本のテレビドラマ『寺内貫太郎一家』みたいな、家に帰るのが楽しみになるようなホームドラマを書きたいです」との事。
これからも楽しみな野村さんです。頑張って下さい!(臼井)

2012年6月号

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シナリオS1グランプリを受賞されました!

通信作家集団の源祥子さん(64期)が書かれた「僕はポルノ女優に恋をした」が、第21回シナリオS1グランプリで奨励賞を受賞されました。

受賞の連絡を受けた時の感想をお聞きしたところ「とても嬉しかったです。今までいくつかコンクールに出してたんですが、なかなかうまくいかず少しへ こんでたんです。でも今回賞を頂き、誰かが私の作品を認めてくれたという事がとても嬉しく、今まで自分がやって来た事は間違いじゃないんだと思いました」 と源さん。
受賞式にも参加された源さん。感想をお聞きしたところ「楽しかったです。スピーチの時は緊張しましたが、表彰式ってこんなに気持ちがいいものか!と思いました」と。
「実はこの作品は子供の頃の話を膨らませて書いたんです。シナリオの世界に足を踏み入れてから、ずっとこのネタを書こうと思っていました。作家集団の課題で書いて、濱田先生にアドバイスをいただき直しをし、応募しました。
大阪を舞台にしたコテコテの大阪弁で書いたシナリオなんですが、大好きな大阪弁で書いた作品で賞を頂いたというのもとても励みになりました」との事。

これからの抱負をお聞きしたところ「今回賞を頂いて、これからもコツコツと書いて行こうと思いました。ゆくゆくは、大阪弁を散りばめたオリジナルで書いた作品を映像化してもらえるよう頑張りたいと思います」とてもパワフルな源さんです!(臼井)

2012年5月号

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第3回科学ドラマ大賞の佳作を受賞!

作家集団の南部八恵子さん(66期)が書かれた「歌え!クマゼミ!」が第3回科学ドラマ大賞の佳作を受賞されました。

受賞の連絡を受けた時の感想をお聞きしたところ「連絡を頂いた時はあまり実感が湧かなかったのですが、後日受賞式に参加させていただいた時にだんだん実感が湧き、嬉しく思いました」と。

科学といえば難しいイメージがありそうですが、応募しようと思ったきっかけをお伺いしたところ「実は、コンクールに応募するのは初めて だったんです。特に科学が得意と言うわけではないのですが、ある日ニュース番組でクマゼミの鳴き声の周波数の事を言っていたのを見て、合唱団の事と合せて 話を考えました。
あと、大きなきっかけとなったのは前回、大賞を受賞された竹中あいさんと研修科の時同じクラスでして、私も挑戦してみたいと思いました」との事。

シナリオを書き始めたきっかけをお聞きしたところ「シナリオを初めて書いたのはシナリオ・センター大阪校に入ってからです。前に木皿泉さん脚本の『すいか』と言うドラマを見て、私もこういうドラマを書きたいな、と思いました。
本当に一からシナリオの事を習ったのはシナリオ・センターだったので、何もかもが新鮮で楽しかったです」と南部さん。「これからもコンクールに挑戦していき、何より今後も書き続けていく努力をしていきたいと思います」と。頑張って下さい!(臼井)

2012年4月号

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水村さんが函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞で、審査員特別賞を受賞!

作家集団の水村節香さん(56期)が 書かれた「紅梅」が函館港イルミナシオン映画祭2011 第15回シナリオ 大賞で、審査員特別賞(加藤賞)を受賞されました。

受賞の連絡を受けた時の感想をお聞きしたところ「発表が遅くあきらめていました。そう思っていたところ、受賞の連絡を頂いたので本当にビックリしました」と水村さん。

「12月、受賞式に参加したのですが式のあと、審査員の先生と飲ませていただく機会がありまして、その時に審査員の加藤正人先生とお話し出来、シナリオをお褒めいただいたり、色んな方とお話する事が出来たのがとても嬉しく、貴重な体験が出来ました。

あと、実は函館と言いますか北海道に行くのはその時初めてで、こういう形で来れた事が本当に嬉しかったです」と。「実はこの作品は研修 科の課題の古痕を元に、そして手直しして作家集団の課題、献身で直した作品なんです。書いたら書きっぱなしにせず、直しを重ねて育てた甲斐がありました」 との事。

今まで色々なコンクールに挑戦してきた水村さんですが、これから挑戦する人に、なにかアドバイ スを!とお聞きしたところ「アドバイスなんて、おこがましいのですが、普段経験している事で無駄な事は無いと思います。生活している中でも何か自分のアン テナに引っかかる、ピンとくるような事を大切にして作品にしていけばいいと思うんです。

あと、先にも書きましたが書いたら書きっぱなしにせずに最後まで直して諦めずに挑戦する事。そうすればいつか報われる時が来ると思います。頑張りましょう!」これからも楽しみな水村さんです。頑張って下さい!(臼井)

★祝!「心の憩い」デビュー  源祥子さん(64期)

2012年3月号

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福田さんがBKラジオドラマ脚本賞・佳作を受賞!

作家集団の福田弥生さん(48期)が書かれた「杉本春夫 初めての日」が第32回BK(NHK大阪放送局)ラジオドラマ脚本賞で佳作を受賞されました。

受賞の連絡を受けた時の感想をお聞きしたところ「ほんとうにビックリしました。まさか、ラジオドラマで賞を頂けるなんて思ってもいませんでした」との事。

「実は、ラジオドラマのコンクールに出すのは初めてだったんです。前回のBKラジオドラマ脚本賞の受賞作のラジオドラマを聴きまして、 ラジオドラマも面白いなと思い応募しました」と。「ラジオドラマを書いてみて、ラジオならではのセリフや音での表現が、とても新鮮でした。楽しかったで す」との事。

受賞式に参加された福田さん。受賞式の感想をお聞きしたところ「緊張しました。受賞式とは別に、ラジオの収録現場の見学をさせていただ いたのですが、ラジオと一言で言っても、たくさんのスタッフさんの手が入り、音だけの世界を作っていくのを目の当たりにし、感動しました。とても貴重な経 験をさせて頂きました」と。これから、ラジオドラマのコンクールを目指される人にアドバイスを、とお聴きしたところ「アドバイスなんてたいそうな事は言え ませんが、このBKラジオドラマ脚本賞に関しては、関西を舞台に…というテーマがあるので、関西に住んでいる人にはチャンスだと思うんです。町に出てネタ になる事もたくさんありますし、いつもアンテナを張って関西ならではの事を、音の世界で表現する。とても楽しいことだと思います」との事。

「これからも、いろんなジャンルのシナリオに挑戦していきたいと思います!」と福田さん。

これからも楽しみな福田さんです!(臼井)

2012年2月号

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林日里さんが創作テレビドラマ大賞・佳作を受賞!

通信作家集団の林日里さん(57期)が書かれた「迷えるウサギ」が第36回創作テレビドラマ大賞の佳作を受賞されました。

受賞の感想をお聞きしたところ「連絡があり、とにかくビックリして信じられませんでした。まさか、私の作品を選んで頂けるなんて、思ってもいなかったです」と林さん。

「この作品は、作家集団の課題『少年』を元に書きました。内容は3月にあった震災の事を絡めて書いたのですが、ついこの間の出来事で、 このテーマでコンクールに出すのはどうかと思い悩みました。でも、半年後である今、出すしかないと思い、応募しました。思い切って出してよかったです」 と。

シナリオを書き始めたきっかけをお聞きしたところ「もともとテレビドラマや映画を見るのが好きでした。シナリオは小説と違いどこか特殊 で難しいイメージがあったのですが、新聞に大阪校の広告が載っていて夫が『行ってみたらどう?』と背中を押してくれて、シナリオ・センターに入学しまし た。その前に独学でコンクールに出した事があったのですが、全然ダメでした。その時は何も知らなかったので、どこがダメかさっぱりわからず…。本格的に書 き始めてコンクールに挑戦するのはシナリオ・センターに入ってからです」とのこと。

「今後、どんな形でもいいので自分の作品がオンエアされるように頑張りたいと思います。内容としては、地方新聞に載っているような小さな事件の裏側。表面ばかりを描くのではなく、その背景を描き作品にしたいと思います」と。

「今回佳作を頂けたのも大阪校の先生、励まして頂いた仲間のおかげです。ありがとうございました!」と林さん。

これからも楽しみな林さんです!(臼井)


2012年1月号

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