手塚治虫漫画選集9

W3(ワンダースリー)

動物キャラクターとSFストーリーが融合した作品。テレビアニメの放映と並行して連載され、「アメージング=ストーリー」のタイトルでアメリカでも放映された。

戦争にあけくれる地球を消滅させるかどうか調査するため、銀河連盟から派遣された銀河パトロールの隊員3人「ワンダースリー」と、地球人の少年・星真一、彼の兄で世界平和を守る秘密機関フェニックスの隊員・星光一が活躍する冒険活劇。

宇宙人の動物への「変身」と、変身した宇宙人の心の「変身」、そして物語自体に仕掛けられた時間による「変身」と、三つの「変身」が織りなす文字通りの「ワンダースリー」には、手塚の並々ならぬ自負心がうかがえる。

ワンダースリーの調査結果次第で、地球は反陽子爆弾で破壊されてしまう。

「戦争を繰り返す地球人を、宇宙人たちが宇宙全体のために滅ぼそうとする」という設定は手塚作品には頻繁に登場し、『魔神ガロン』や『鳥人大系』などでも使われた。

「変身」が大きな要素である本作には、手塚作品にたびたび登場するウサギのモチーフが生かされている。

手塚作品ではウサギは「純粋で善なるもの」として登場することが多い。本作でもウサギに変身したポッコ隊長は、正義感の強い真一に思いを寄せて地球人を信頼する。byメイ

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