手塚治虫漫画選集5

ユ二コ

愛を求めてさまよう小さな一角獣(ユニコーン)・ユ二コの物語。伝説上の動物である一角獣は、ヨーロッパでは力と純潔の象徴とされている。

少女マンガに似合う動物を考え続けていた手塚が、訪米中のアニメスタジオで突然閃いたキャラクターだ。

そして即座に一角獣の子どもをかわいらしい姿に描きあげた。

帰国 途中の飛行機の中でネーミングも決めて、「こりゃあいけるぞ」と自信を深めたと後日、語っている。当時の他の手塚作品、たとえば少年マンガ誌・青年マンガ誌に連載していたものとは明らかに傾向が違い、童話的なファンタジー要素を散りばめ、ロマンチシズムに溢れていて、手塚の初期作品を彷彿とさせる仕上がりになっている。

ユニコは魔法の力で体の大きさを変えたり空を飛んだり、相手の望みの姿に変身することができる。

人間の言葉を話し、声色を変えることも上手。角は伸縮自在で、強力な武器にもなる。ユニコはなかなか人間にはなつかない。しかし、素直な心の持ち主には心を開き、一旦好きになった人間には永遠の幸福をもたらす。

ユニコの欠点は、すぐにだまされること。そのため時空を超えて、さすらいの旅を続けることに。ユニコが優等生すぎると考えた手塚は、強力な仇役として美の女神ビーナスを登場させて、ユニコに意地悪をさせた。byメイ

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