ホラー映画大解剖 その4

ホラー映画がトラウマとなって……

「ポルターガイスト」(1982年、監督:トビー・フーパー)を見て以来、ピエロに神経質になっているとか、シャワーを浴びるたびに「サイコ」(1960年、監督:アルフレッド・ヒッチコック)のことを思い出すとか、挙句の果てには、バスルームにある鏡付きキャビネットを使うと、その扉を閉めた途端、鏡に映る自分の背後に立つかもしれないホラーの主人公におびえるとか、ホラー映画のトラウマ的効果は計り知れません。

「レイダーズ/失われたアーク」(1981年、監督:スティーヴン・スピルバーグ)に登場する大量のヘビがいる井戸のシーンを見た児童生徒は、それ以降生きたヘビに触れるのを避ける傾向を示したという研究結果もあります。

ホラー映画としても優れた作品である「ジョーズ」(1975年、監督:スティーヴン・スピルバーグ)は、サメを殺人マシンとして描き出したため、サメに対する偏見の大きな要因になってしまいました。サメの襲撃に対する世間の認識を最悪なものにして、サメを退治するべきだという人々の心理に拍車をかけることになったのです。ホホジロザメに襲われる実際のリスクは、統計的には、雷に打たれる確率の方が高いのです。

自然保護活動家は、サメの真の性質と襲撃のリスクを知ってもらおうと、教育活動に取り組んでいますが、1970年代に観客のイマジネーションを虜にした「ジョーズ」は、今なお人々の恐怖心に影響を与え続けています。(宙)

〈参考文献〉 高橋和久, 永富友海(2025).「英国」小説の手ざわり. Gakken

Follow me!