伝統的工芸品あれこれ その5
織物と染物
大阪府(堺市や柏原市)に伝わる「浪華本染め」という染色法があります。織物に並んで染物(染色品)も伝統的工芸品です。白い糸で織った布に、色や模様を染め付けたのが、「染物(染色品)」です。
産地によって技法や模様は様々で、国指定の工芸品は14品目あります。染め方には、「浸染」(しんせん=繊維の奥まで染める方法)と「捺染」(なつせん=布の表面だけを染める方法)の2種類があります。
浸染は、染めたい色の染料を溶かして作った染液に、布を浸して染めます。染め分けることができないので、一色をしっかり染み込ませます。
捺染では、布の上に紙型を置いて染料を乗せたり、筆や刷毛で布に直接描いたりして、模様や色をつけます。これにより繊維の表面を多彩な色で染めることができます。
染物は染め方や模様の附け方によって種類が分けられます。「手がき友禅」、「型染」、「絞り染」、「色無地」がそれです。
「手がき友禅」では、絵画のように筆や刷毛で布に直接模様を描きます。色がにじんだり、別の色がついたりしないよう、糊を使って染め分けます。
「型紙」は、模様の形に切り抜いた型紙を布に乗せ、そこに染料を附けて染める方法です。中には、糊を置いて染め分けるものもあります。
「しぼり染」は。布を摘まんで、糸で括って染める方法。糸を附けた部分が白く残って模様になります。括り方で様々な模様が生み出されます。
「白無地」は、黒以外の一色で染めたものです。染料を調合して様々な色を作ります。いろいろな織り方の布を染めるため、多様な風合いが楽しめます。
ちなみに、染料には、植物などから作る天然染料と、石油などを原料にする化学染料があります。(宙)
〈参考文献〉 唐澤昌宏(2025). 未来につなぐ日本の工芸品①.Gakken
