伝統的工芸品あれこれ その3
西陣織は応仁の乱から
近畿地方の織物と言えば、誰もが知っている「西陣織」。京都の伝統的工芸品ですが、名前の由来は、室町時代に西軍と東軍に別れて争った応仁の乱(1467年~77年)のとき、京都に西軍の本陣があったところから「西陣織」と呼ばれたため。現在では12種類の織り方が指定されていて、先染織で、深遠な色文様になっています。
12種類は、綴(つづれ=経糸で緯糸を包むように織る)、縦錦(たてにしき=経糸によって地の模様がおりだされる)、緯錦(ぬきにしき=色や模様があでやか)、緞子(どんす=緯糸と経糸が5本ずつの朱子織を用いる)、本絞織(ほんしぼおり=強くねじった緯糸で織り、ぬるま湯につけて生地にシボを出す)、紹巴(しょうは=緯糸、経糸ともに強くねじった糸を使用)、風通(ふうつう=生地が二重になって模様の色が表と裏で反対になる)、もじり織(隣り合う緯糸をからませる)、朱珍(しゅちん=朱子織で地の模様が多色)、ビロード(起毛の手触りが良い)、絣織(かすりおり=絣模様を出す)、紬(つむぎ=真綿の紬糸を使う)で、華やかな織物に仕上がっています。
織り上げるには織手のスゴ技が決め手です。例えば、「綴」の細かい模様は、やすりでギザギザにした爪を使い、緯糸を掻き寄せて織り込んで行きます。一日で数センチしか織れないこともあります。(宙)
〈参考文献〉 唐澤昌宏(2025). 未来につなぐ日本の工芸品①.Gakken
