「八百八橋にはドラマがある!」その16

~商人の町大阪にはこんな素敵な場所がいっぱい~

水面に輝く水晶橋

あまり馴染みはないかもですが、水晶橋は堂島川にある歩行者専用の橋です。名前の由来は諸説ありますが、橋上に備え付けられた照明灯が水面に映る様子が水晶の輝きに見えるということで愛称からつけられたとする説や、水都である大阪が繁昌するようにという意味で水昌橋とつけたなどがあります。

ただ大小の美しいアーチ橋のフォルムを美しいと思う人は多く、休日に近くを歩くと写生されている姿を時々見かけます。風景画を描かれる人たちには人気があるスポットになっています。

水晶橋

実はダムでした。

この水晶橋は昭和57年に正式に橋となることが決まりましたが、その前身はダムでした。昭和4年に架けられたのですが、その目的は水質改善のためだったのです。当時の名称は堂島川可動堰といって、水をせき止める目的でつくられていました。経済の成長と共に河川の汚染も深刻になり、それは大阪も例外ではありませんでした。水洗トイレのように、汚水を貯めて勢いをつけて流すダムとして誕生したのです。

堂島川に六ケ所作られた可動堰ですが現存するのはこの水晶橋と錦橋のみです。環境意識の向上に伴ってだんだんと河川の水質改善が進み、ダムとしての役割が失われていったからです。現在は改装され、橋として大阪市民の生活を支えています。

水晶橋から見た風景

宝塚映画と水晶橋

中之島付近の建物は、建築物や橋など洗練されたモダンなデザインが多く作られている。以前紹介しましたが大阪の中之島は巴里をモデル都市にしているとも言われています。ノートルダム寺院などがあるパリのシテ島や、セーヌ川をイメージしたデザインが見られます。

宝塚映画が製作した「貸間あり」(川島雄三監督)には、淡島千景さんと乙羽信子さんが会話するシーンで水晶橋が登場します。また『大阪の宿』(五所平之助監督)では中之島界隈の風景が多く撮影されていて、水都大阪にはそれだけ画がある風景があちこちにあるのです。

水晶橋の橋上から

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