「八百八橋にはドラマがある!」その27

~商人の町大阪にはこんな素敵な場所がいっぱい~

【京都番外編】鴨川の始まる場所にある橋

京都の川と言えば鴨川であり、町の中心を流れています。鴨川は四季折々の顔を見せてくれる場所でもありますが、そんな鴨川はどこから始まるのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。その場所は下鴨神社の近くにあり、上流を流れる東側の高野川と西側の賀茂川が合流する『鴨川デルタ(三角州)』なのです。

その東の高野川に架かるのが河合橋です。反対側の西の賀茂川に架かるのが元は一つの橋でもあった出町橋になっています。現在の橋は1918年に京都の建築家である武田五一氏の設計により作られました。京都市内には「京都市役所」や「京都帝國大学本館(現在の京都大学)」など、武田氏の手がけた建物が多くあり、河合橋もその一つなのです。

河合橋

昔は一つだった河合橋の歴史

現在の出町のある桝形通と出町柳の間は、出町橋と河合橋の二つの橋で結ばれています。しかし、明治まではこの付近で加茂川と高野川が合流して一つの川になっていたので、河合橋が1つの橋として両岸を結んでいました。

江戸時の河合橋は本格的な橋ではなく、中洲に板を渡して作った仮橋でした。この橋は「今出川口橋」と呼ばれていました。仮橋と言うと頼りなく聞こえますが、当時の京都にあった本格的な橋は三条大橋と五条大橋だけでした。京都のど真ん中である四条大橋も幕末近くまでは仮橋だったのです。北の方では橋そのものが少なかったので、河合橋は数少ない橋として重要な交通路になっていました。

出町橋

下鴨神社を舞台にした小説

京都在住の作家・森見登美彦氏の「夜は短し歩けよ乙女」は小説だけでなく、映画化もされた作品です。この物語の舞台の一つが河合橋の近くにある下鴨神社にあります。その他にも京都大学や鴨川、京都の和菓子・阿闍梨餅などが登場するローカルさもありました。身近に聖地巡礼できる場所って思い入れが入りますね。

下鴨神社は正式名称を「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」と言い、加茂川の下流にあるので通称が「下鴨神社」なのです。ユネスコ世界遺産に「古都京都の文化財」として登録されています。小説には実際にお盆の時期に行われる「下鴨納涼古本まつり」も登場し、京都ならではの風情を盛り上げてくれています。

下鴨神社の参道

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