「空き巣と一日署長」 土曜E作家集団 N・Tさん
シナリオ作家養成講座66期卒業し、土E作家集団在籍。
2023年創作テレビドラマ大賞(シナリオ)二次通過
作品タイトル「空き巣と一日署長」
「空き巣と一日署長」ってどんなお話ですか?
作:亡くなった姉の一人息子を育てる空き巣男が主人公です。警察に捕まってしまいますが、警察に憧れている甥っ子をがっかりさせたくないと嘘をつく話です。警察署長の弱みを握っていた主人公はそれを利用して甥っ子を一日署長にさせますが、実は裏では逃亡しようと計画していて・・・という話です。
イ:空き巣を警察の中で行動させるのは面白いアイデアでしたね。映像的にもあべこべさが効いてました。これはどうやって思いついたんでしょうか?
作:最初からこのシーンがあったというわけではなく、面白くしようと推敲する中で生まれたシーンでした。割と苦しんで出てくることは多いです。今回の作品は、元々は作家集団の課題で浮かんだものがベースになっています。
イ:課題から思い浮かぶということは多いですよね。クラスのみなさんからのコメントはどんなものが多いですか?
作:骨太な作品を書くとはよく言われます。個人的にはコメディも好きですし、そのほかのジャンルもいろいろ書いてはいます。
イ:アイデアっていつもどうやって集めてますか?何している時が多いでしょうか?
作:日常生活の中で思い浮かぶことが多いです。テレビや本などでイメージがわくこともありますし。思ったことを書き留めるようには心がけています。家ではノートパソコンだったり、外ではスマートフォンとか。その後、事象を膨らませたり、組み合わせたり。自問自答する中で、面白いかなと思うことが多いです。
イ:「書き留める」+「考える習慣」がアイデアを生んでるんですね。
今回の作品を書こうと思ったきっかけは?
作:小国英雄さんの「海賊」という脚本を読んで、悪い人が心を入れ替える作品を描いてみたくなったからです
イ:小国英雄さんの作品のどういった部分に魅力を感じているのでしょうか?
作:小国さんを知ったのは、橋本忍さんと黒澤明監督の対談からです。同世代の監督として小国さんが語られていて、興味を持ちました。「消えた男」という映画の脚本を読んだのですが、すごいと感じました。ワクワク感やドキドキ感が伝わってくるシナリオだった。
イ:そこからヒントを得たとおっしゃっていましたが、オリジナリティをすごく感じました。考え抜いて生み出したことが伝わる作品でした。
作品を書く時のこだわりってありますか?
作: こだわりは特にありません。但し、なぜ、この作品を書くのか、何を伝えたいのか自分のためだけに企画意図を書いたりします
イ:その企画意図は主にどういうスタイルで描かれていますか? そこに絶対に抜けないものってあるんでしょうか?
作:企画意図は作品がぶれないように書いています。まずは思うことを書き出してみる。当然、そこから変化もありますが、結果としてどうなるまで事前に考えています。企画意図やシナリオを書きながら変わっていくこともあります。
イ:答えが煮詰まっていっているってことですよね。実際の企画意図を見させていただきましたが、テーマを問う姿勢が伝わってきます。気迫というか、思いというか。文面から迫力が見えてきます。
どんな作家になりたいですか?
作:何でも書ける作家にはなりたくないです。なれないし。人の心を揺さぶる感動できるドラマを作るならこの人とご指名して頂ける作家になりたいです
イ:ご自身の書かれる作品に共通したテーマってあるんでしょうか?
作:周囲からもコメントをいただくんですが、眼差しの優しさはあるかと思います。
イ:あー、わかります。今回の作品からも主人公の想いが伝わってきました。
作:でも、全然違うジャンルも書きたい気持ちもあって。実はワイルド系も書いたりしてるんです。
イ:めっちゃ幅広いですね。
イ:今後、温められている企画とか?(ネタバレにならない程度で)
作:宇宙人ものとか、服役囚の話とかも企画中です。
イ:いやいや、めっちゃありますね。
※本当はもっと詳細に面白さ含めて聞いたのですが、ここではネタバレになるので省略しています。
イ:最後にこれからの抱負を決めセリフでお願いします。
作:日本の映画界よ。私の脚本で世界へでよう
イ:素晴らしいセリフでした。ありがとうございました。