「八百八橋にはドラマがある!」その32

~商人の町大阪にはこんな素敵な場所がいっぱい~

毛斯倫大橋、何と読む?

漢字テストのように思われるでしょうが、実はこれ毛織物の名前で毛斯倫(モスリン)と読みます。この橋はJR東西線加島駅近くの神崎川にかかる橋で、大阪市と尼崎をつないでいます。始まりは当時盛んだった毛織物産業の会社が作った橋(私設橋)でしたが、後年になって大阪市の管理する橋に変わりました。(毛斯倫とは木綿や羊毛の薄織物の総称ですが、元はイラクのモスル発祥などの説もあります。)

毛織物が盛んだった当時は、全国で二位の毛織物工業の会社でした。しかし、戦争の影響もあり、日本毛織(ニッケ)との競争に負けて現在はもう存続していません。この橋が名前に残るのみなのです。

もすりん大橋

日本最長の橋だった・・・

毛斯倫大橋は昭和7年に地盤沈下などの影響も考慮し、大阪市による架け替え工事が行われました。新しく完成した毛斯倫大橋は「3径間連続のプレストレスト合成箱桁形式」という構造で作られており、76.5mを超える中央径間は昭和45年当時では日本最長と言われていました。2メートル以上嵩上げしたことで高潮などの影響もなくなって、地域住民の交通路として親しまれるようになりました。

地元の足としての橋

藤田まこと「十三の夜」

必殺仕事人などの俳優でも活躍された藤田まことさんが歌う「十三の夜」には、繁華街の十三で働く女性が登場します。夜の仕事に疲れた人を励ます当時のヒット曲ですが、「もすりん橋を二人で渡ろう」という歌詞に登場しています。

他にも梅田や中津、園田など大阪で働く女性を応援する素敵な歌です。今では小さな橋ですが、地元から愛されていた大事な場所だったことが歌からも見えてきますね。

交番も、もすりんです。

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