「八百八橋にはドラマがある!」その2
~商人の町大阪にはこんな素敵な場所がいっぱい~
天神橋とドラマ
「天満の天神さん」で親しまれる大阪天満宮にお参りする橋として、淀川に架けられた天神橋。水害などで何回も架け替えられ、現在の橋ができたのは昭和5年。大阪市内を南北につなぐ道路として物流を支え、今も多くの市民に利用されています。庶民にとっては馴染みの夏の天神祭りでの花火スポットとして、また日本一長い商店街として有名な天神橋筋商店街なんかもお膝元にございます。
そんな天神橋ですが、ドラマの舞台でも大活躍。NHKの朝ドラ「ごちそうさん」では天神橋だけでなく、食材を探して天満天神市場などが戦後の大阪を支えてきた台所として描かれました。昔は銀座や銅座などの商人が、現在は大阪市役所をはじめとする官公庁や証券取引所などのビジネスマンのお腹を満たしてきたことでしょう。
天神橋と豊臣秀吉
諸説はいろいろありますが、天神橋をかける許可を出したのは豊臣秀吉とも言われています。公共のもののため税金で作られるのが当たり前でしたが、天神橋は当時の大阪商人たちがお金を集めて作ったといわれています。験を担ぐ商人らしく橋も立派なものを架けなければと頑張ったんだとか。その心意気は「最其式厳(もっともそのしきおごそか)にして他橋になき一奇(いっき)」と天神橋を讃える言葉にも残されています。
しかし、秀吉が亡くなった後の大坂冬の陣では徳川家康がこの天神橋を渡って大阪城を攻める結果に・・・まさか秀吉もそんなことになるとは思わなかったでしょうね。
橋は出会いと別れの場所
大阪天満宮への参拝者が利用した天神橋。橋は場所をつなぐことで物流を変え、人の往来も変えていきます。橋は行きかう者たちの出会いや別れの場でもあったはず。ドラマにもなった小説「銀二貫」では主人公が命の恩人である商人と出会う場所としても登場しています。
橋のたもとは現在は中之島公園として整備され、バラ園やBBQスポットとして市民の憩いの場所になっています。いつか東京ならぬ、大阪ラブストーリーとして聖地になっているかも・・・大阪の町がこれからどんな素敵なドラマの舞台になるのか。楽しみがつきません。