万博のお茶と音楽 4
音楽満載の1970年・大阪万博
大阪万博では、連日お祭り広場や各国パビリオンで世界の民族音楽や大衆音楽が演奏された。テーマ館では、現代音楽の作曲家による最先端の楽曲が来場者を楽しませた。
万博の催し物が行われる中心にあるのがお祭り広場だ。
柱に支えられた大屋根があるだけで壁面がなく、巨大な空間が広がっている。音響設備だけでなく霧やにおいの発生装置が取り付けられている。
この広場で、開会式や閉会式をはじめ、「ナショナル・デー」の催し物、「日本の祭り」、「2000人の吹奏楽」などの音楽イベント、そして照明や電子音楽による幻想的な「夜のイベント」が153種類・523回にわたって催された。劇団四季のミュージカルも上演されている。催し物がない時間帯は、来場者の休憩スペースになり、「環境音楽」(電子音楽)が流れていた。
また、野外劇場では毎日のように、コンサート、ブラスバンド、人形劇フェスティバル、コーラス、フォークダンスなどが催された。
水上ステージでは、日米大学軽音楽大会、中南米スティールドラムバンド、フィリピンの民族舞踊などが披露された。
万国博ホールでは、定番の歌謡フェスティバル、シャンソン・フェスティバルに加えて、ジルベール・ペコやサミー・デイヴィス・ジュニアやアンディ・ウイリアムスのショーが入場者を楽しませている。
日本で初めてのカナダ・ミュージカル公演の「赤毛のアン」が家族客をとりこにし、北方ロシア民族合唱団やキューバ民族舞踊団の公演が会場を沸かせた。byメイ
〈参考文献〉
吉野 亜湖 , 井戸 幸一(2025).近代万博と茶 世界が驚いた日本の「喫茶外交」史.淡交社
井上さつき.(2025).万博からみた音楽史.中央公論新社