「八百八橋にはドラマがある!」その24
~商人の町大阪にはこんな素敵な場所がいっぱい~
【京都番外編】花街にかかった巽橋
京都と言えば舞妓さん。祇園はそんな彼女たちが出歩く姿も見られる人気の観光スポットです。京都は町屋などの古い建物も多いですが、一番祇園らしい花街の風情を残していると言われているのが白川地区です。この辺り一帯は伝統的な建造物などの保存地区にも指定されています。今回取り上げる巽橋はそこに架かる小さな橋ですが、人気は白川の中でも屈指の場所とも言えるでしょう。
平安時代から八坂神社の発展と共に栄えてきた祇園。巽橋がいつごろからあったかは不明ですが、御所の辰巳の方角を守る辰巳大明神のすぐ近くにあり、名前の由来もそこから来ていると言われています。巽橋は季節によって桜や新緑の木々、紅葉など色を変えて京都の人々を楽しませてくれています。
昔の巽橋には狸が住んでいて橋を渡る人を騙す悪戯をしていたそうです。人々が狸を祀る祠を建てたところ悪戯が収まったのだとか。もしかすると、巽橋の美しさは狸の恩返しかもしれませんね。
巽橋と放生会
巽橋に関するイベントで一番有名なものと言えば、初夏に行われる祇園放生会です。毎年6月ごろに行われる催しになっていて、生き物への感謝の意味を込めて読経がなされる中で魚が二千匹ほど放流されます。地域の人たちだけでなく、華やかな着物に身を包んだ舞妓さんたちもやってきて祇園らしい彩りを見せてくれます。
元は生き物を助ける仏教の功徳を積む行事の一つですが、演奏やお茶なども振舞われるなど今では京都の初夏の風物詩として大勢に人で賑わいます。しかし、現在ではあまりに人気になりすぎたため、小さな橋のたもとは黒山の人だかりになってます。風情があるんだかないんだか、観光と伝統の両立も難しいものですね。
CM撮影と結婚式で大人気
祇園にある巽橋は京都屈指の人気スポットであり、京都が舞台のドラマや映画にもたびたび顔を見せます。しかし、それ以上に人気なのがCMや結婚式の撮影です。いかにも古都らしい風景が撮影できるとあって、大手旅行会社や鉄道系の京都観光旅行向けのCMやポスターなどにも引く手あまたなのです。さらには結婚式で和装の前撮りの舞台としても使われており、たびたび幸せな二人を見ることも多いのです。