「 私とシナリオセンター 」 Y・Hさん 土A1作家集団
作家養成講座102期性

シナリオを勉強しようと思ったきっかけは何でしょう?
作:アニメを作りたいと思ったのですが、周りにシナリオライターがいなかったため、まずは自分で勉強してみようかと思いました。
イ:まずは自分で理解するということですね。率先して行動するところが素晴らしいですね。
ところで、なぜ実写とかでなくてアニメなんでしょうか?
作:3Dデザインの会社をやってまして、CGも作っています。会社で3Dアニメを作ろうと考えてが始まりでした。
ビジネスなのでライターを雇うことも考えましたが、まずは自分で理解しようと。
難しいと思ったのは、やはりヒット作は簡単ではないということですね。
イ:何か具体的に作品がある場合、その作品のどこに惹かれたのでしょう?
作:マトリックスなどのSFが好きで、映画を作りたいと思っています。世界的に見ると、
特に日本ではアニメのマーケットが大きい。アメリカだとアニメとCGの融合が進んで垣根はなくなってきています。
イ:なるほど、会社のビジネスがあってマーケットもそこにあるということですね。
噂で経営者ってお聞きしたんですが、普段の会社での仕事の顔とシナリオ・センターでの顔って自分ではどう違うと思っていますか?
作:会社の仕事もエンタメ系なので、あまり違いはないかなと思います。ただ弊社社員と違って、シナリオ・センターに通う方々は、向上心が高いのでよい刺激になっています。
イ:シナリオ・センターに行かれていることは、アニメの事も含めて社員の方もご存知なんでしょうか?
作:一人か二人は知っています。
イ:また限定的ですね?
作:アニメの前にWEBトゥーンを作ってみたことがあって、その時に関わったスタッフですね。
イ:なるほど。で、WEBトゥーンはどうだったんですか。
作:コストが合わなかったです。50話程度のパッケージだとうちの会社の制作費用の方が高くついてしまった。長く続けばコストは下がるのですが、そのためにはヒットが必要なんだと改めて分かりました。
シナリオセンターで勉強されてみて、変化はありましたか?
作:はい、おかげさまでシナリオの基本が分かりました。
イ:知識や基本がわかってくると見え方が変わると、他の生徒さんもよく言われるのですが。
具体的にどういった部分を見るようになったとか。好みが変わってきたなどはあったりしますか?
作:人の作品を聞くことが勉強になりました。やっちゃいけないことが分かるようになりました。
イ:研修科と作家集団で違いはありますか?
作:作品の時間の長さが違うので、みなさんに興味が合わない作品を聞かせている場合はつらいのかなと思ったりします。
イ:研修科での勉強ってどうだったでしょうか?
三十本のシナリオを描くって大変ですが、これは良かったや逆にこれは困ったなどの課題や思い出など教えてください。
作: もともと、ど素人だったので、特に気負わずにどんどん書きました。課題を10個くらい同時に進行していました。
イ:確かに書くのは早かったですね。まさかそんなに同時進行していると思いませんでしたけど(笑)
コンクールも重なる時期があって、けっこう同時進行には苦労されている生徒さんも多いんです。コツってあったりしますか?
作:私のやり方だと、課題ごとにファイルを先に作って、思いついたアイデアやネタをどれが近いだろうと入れていきながら並行して作ってました。作家集団の60枚シナリオだと長いので、このやり方だとつじつまを合わせるのが難しいですね。
イ:現在は作家集団に所属されていますが、何か変化はありましたか?
作:30分シナリオになって文字数が増えたため、キャラクターの背景や世界観を描けるようになったのですが、時間があると逆に冗長になってしまう危険性があるのだと初めて気づきました。
いかに短い時間で多くの情報を観客に伝えるか、あるいは全く伝えないか、という緩急を意識するようになりました。
イ:そうですね、長くなってもシナリオの場合は小説などに比べると短いですし。
観客にどう想像してもらうかといった部分が必要になりますね。
作家集団で書いた作品で一番のお気に入り作品を紹介してください。
作:前回の課題の「まったなし」と、今書いている「兄嫁」です。
ただ、どちらも政治的理由でドラマ化NGになるかなと思っています。まあ、そういうネタを選んでいる自分が悪いのですが。
イ:いや、主人公のキャラクターはすごくかわいくて面白かったですよ。世が世なら、不敬罪で捕まったかもですが(笑)
ちなみに作品を書く時のこだわりって、ありますか?
作:アニメを作るのが目的なので、設定の奇抜さ、世界観の奇抜さ、キャラクターの奇抜さといった、いわゆるアニメっぽさを意識しています。
イ:最終的に目指しているのは、アニメでの監督? それとも脚本家なのでしょうか?
理由もあれば教えてください。
作:プロデュースです。映画を作る以上はプロデューサーとして、全て仕切りたい。
イ:最後にこれからの抱負を決めセリフでお願いします。
作:「ナタ 魔童の大暴れ」を超える世界一の売上のアニメを作りたいと思います。
イ:カッコイイ。応援してます。
ところで五十周年祭の実行委員会に参加されていますが、きっかけはどういったものだったのでしょう?
作:メガヒット・アニメを作りたいと思っているのですが、なにがヒットするのか、まだ皆目見当がつきません。
そこで、周年イベントがあるのであれば参加して、なにかヒントを得られればと考えました。
イ:なるほど。いろんな人と交流されることでヒントが浮かぶことはありますからね。
ちなみに五十周年祭でやってみたいことは何でしょうか?
作:シナリオ・センター大阪にとっての五十周年祭の目的を達成するお手伝いをしたいと思っています。
シナリオ・センター大阪にとって、五十周年祭の目的は2つあるのかなと考えています。
一つ目は、関西エリアのシナリオの学校として圧倒的No.1の権威であることを世に知らしめること。
二つ目は、このイベント後に大幅に生徒の集客を増加させること。
昭和の時代であればこの二つの目的は同時に達成可能だったかと思いますが、今どきは相反関係にあるかもしれないので、うまくバランスを取るお手伝いが出来ればと考えています。
イ:分析が怖いです(笑)