大阪校座談会 ~第一回目~

シナリオ・センター大阪校に通われている、研修科、作家集団の皆さんで、蓬莱閣(大阪校の先生、生徒さん行きつけの美味しい中華料理屋さんです)に場所を借り、座談会を行いました。

今回のテーマは、

  1. 基礎科から研修科。研修科から作家集団へ進級して感じた事
  2. 私、上手く書けないんです

普段言えないような話、先輩からのアドバイスなど…。

<出席者>
司 会

研修科A
研修科B
作家集団A
作家集団B
作家集団C
作家集団D

座談会の司会進行係。

研修科歴半年。最近スランプ気味。
研修科歴一年半。この秋、作家集団クラスへ進級が確定。
ベテラン作家集団。コンクールも最終審査まで残る実力。
少しブランクがあったが、再入学。今は審査にも残るベテラン作家集団。
作家集団だけではなく、長篇研究科、小説研修クラスにも在籍。
シナリオだけでなく、携帯小説も執筆し活躍中。

~テーマ1~ 基礎科から研修科。研修科から作家集団へ進級して感じた事

司 会 「では早速座談会を始めますね。最初のテーマは『基礎科から研修科。研修科から作家集団へ進級して感じた事』でいきたいと思います。基礎科は後藤先生、柏田先生、小島先生がご担当されてる授業ですが、研修科は自分の作品を朗読して直接感想をもらう、ゼミ形式の授業に変わります。最初どう感じていましたか?」
研修科A 「厳しいクラスだと怖いなぁとか、不安でしたね」
作家集団A 「え。そうですか? みんな次の段階に進めると、ワクワクしてると思ってたんですけど」
研修科B 「そういう人も多いと思いますけど、不安に感じる人も沢山いると思うんです。今度、作家集団に進級する私がそうなんですけど」
作家集団B 「そうだったんですか? 意外ですね。先輩視点で言わせてもらうと、新しい人が来る日はすごくワクワクしています。なんせ、ゼミの新しい風ですからね」
作家集団D  「そうそう。この子どんなモノを書くのか? とか興味津々です」
作家集団C  「分かる気はしますよ。私、最近仕事の都合でクラスを変わったんですけど、研修科から作家集団に上がった時思い出しました。コンクールに名前が載るすごい人が一杯いるんだろうなぁと。でも実のところ、そんなに大したことはない」
作家集団A  「(笑)そうそう。コンクールの常連でも、あれ? って言うのを書いてきたりね。そしてたまに先輩すげえ! って作品を書く」
作家集団B 「周りから見ると、ああ、今回は時間あったんだなって分かるんですよね」
研修科B 「やっぱりゼミは楽しいですね。自分の作品を人に聞いてもらえて、ダイレクトに反応が分かる」
司 会  「進級に迷いはありませんでしたか?」
作家集団B  「研修科から作家集団への進級は迷いはありませんでした。20枚から60枚になると文章的に遊べる。研修科の間は、句読点も勿体無い。ト書きの改行がおしいってずっと思ってました」
司 会  「基礎科の人からゼミ形式が不安、というのは聞きますね。作品発表はもちろんの事、ちゃんと感想を言えるか、と」
作家集団A  「ある程度は気楽に考えたらいいと思うんですよ。自分がどういう考えで作品を作ったのか。それがどう伝わったのか。自分でポイントを絞って次回作品に活用して欲しいですね」
研修科B  「感想は数ヶ月もしたら一人前の事言えるようになりますよ。ドラマに関わる部分とか分かるようになります。ただ、自分で書けるかというと、また別なんですけどね」
研修科A  「あとゼミ形式でいいと思うのは、独身男性ではわからない母親視点の意見や、色々な職業のリアルな話が聞けたり」
作家集団B 「そうそう。『母親ならこんな事はしない』とか、『私看護師なんですけど、実は…』とかリアルな話が聞けるのは、ゼミの醍醐味ですね」
作家集団D  「私は長く通ってるんで、クラスを変わったりしたんですが、先生やクラスの雰囲気などタイプは違えど、突き詰めるとゼミの三本柱に行き着くと感じました」
司 会  「なるほど。人物を描く。葛藤・対立を描く。心情に訴える。ですね」

~テーマ2~ 私、上手く書けないんです

 司 会 「そういえば、研修科Aさんがちょっと最近スランプ気味なんですよね? という事でテーマを変えて、『私、上手く書けないんです』にいきたいと思います」
作家集団A 「僕もシナリオ・センター歴は長いですけど、全然上手く書けませんよ!」
司 会 「コンクールの最終審査まで残られてるんですから、ぜひともお願いします」
研修科A 「あのー。僕、研修科に上がって半年になるんですが、なかなか上手いものを書けなくて困っています。人生経験が足りなくて。結婚式や葬式など儀式は特に…」
研修科B 「セレモニーホール行って様子を伺う」
作家集団B 「葬式+何かで作品を作る」
研修科A 「うーん…。でも何と言うか、自分の書いてる物が、誰かの作品の二番煎じに感じてしまってダメなんです」
研修科B 「そういう事なら、自分の切り口に自信を持つ。同じ課題で書いても10人いれば10人違うんだから」
作家集団A 「シンプルでいいからドラマを書けばいいと思いますよ。主人公に何かが起こって、変化するその瞬間を」
研修科B 「あと、課題がどうしても難しくて解決しないなら、わーっと書いて発表してしまう。自分がダメかな? と思っている所が本当にダメなのか、それとも全然気に留めてなかった所を指摘されたり、意外な発見もある」
作家集団D 「(笑)そうですね。出さないと勉強もできないし、何も始まらない。それに作家集団になるとローテーションがあるから、書けないって言ってられない」
司 会 「作家集団は明確にスケジュールが決まってて、ローテーションで発表でしたね」
作家集団A 「書けなくて発表できなかったりしたら、クラスみんなの時間を無駄にしてしまう。授業の2時間だけじゃなく、大阪校に通う時間も含めて」
作家集団D 「約1.5ヶ月に一回程度発表の順番が来るんですけど、日があると余裕かましてたら大変な事になりました。私、研修科に長くいてたんですけど、だらだら書く人にはローテーションがあると尻を叩かれるのでいいかもしれません」
研修科A 「書くって大変ですね…」
作家集団C 「作家の目って意識して生活している?」
研修科A 「日常の出来事全てを、話のネタとして意識するっていう…」
作家集団B 「そうそう。生活していて無駄な事なんて何もない。仕事していたら、良いこと悪いこと色々あるけど、それのどれもが話のネタになる」
研修科A 「なるほど。後藤先生も、仕事とか専門的な視点で書けるのは有利だっておっしゃってましたね」
作家集団A 「でもねぇ…。私はサービス業が長いんですけど、それを書くのは自分の半生を晒すようで恥ずかしいんですよね」
作家集団B 「知人に古物商がいるんですけど、面白い話なんて全然ないって言ってました。でも詳しく聞いてみると、古い箱に死体が入っていたとか、色々な話があるんですよ。でも古物商にとって、死体が入っている事は取り分け珍しい事でも、面白い事でもないんですって」
研修科B 「勿体無い。今の話だけで20枚書けますよ」
研修科A 「そうですか…。無駄な事はないか…。もうちょっと意識して生活を送ってみます。良いことも悪いことも話のネタに出来るように」
司 会 「というわけで、研修科Aさんがちょっと自信を取り戻して、座談会は次回へ続きます」