大阪校座談会 ~第二回目~【2012/9/26up】

シナリオ・センター大阪校に通われている、研修科、作家集団の方々で座談会を行いました。
前回は以下のテーマでお話しをいたしました。詳しくはこちらをご覧ください。

  1. 基礎科から研修科。研修科から作家集団へ進級して感じた事
  2. 私、上手く書けないんです

そして今回は以下のテーマです。

  1. 自分の流儀(キャラクター)
  2. 自分の流儀(箱書き)
  3. 自分の流儀(タイトル)

今回も蓬莱閣に場所を借り、座談会を行いました。

<出席者>
司 会

研修科A
研修科B
作家集団A
作家集団B
作家集団C
作家集団D

座談会の司会進行係。

研修科歴半年。最近スランプ気味。
研修科歴一年半。この秋、作家集団クラスへ進級が確定。
ベテラン作家集団。コンクールも最終審査まで残る実力。
少しブランクがあったが、再入学。今は審査にも残るベテラン作家集団。
作家集団だけではなく、長篇研究科、小説研修クラスにも在籍。
シナリオだけでなく、携帯小説も執筆し活躍中。

~本日のテーマ~ 自分の流儀(キャラクター、箱書き、タイトル)

司 会 「では第二回座談会を始めたいと思います。前回は、研修科Aさんが少し自信を取り戻して無事終了しましたが、今回はさらに掘り下げて、皆さんの課題への取り組み方を伺いしたいと思います」
作家集団B 「それで、自分の流儀なんてタイトルになっているんですね。そう言われると難しいなぁ…」
司会 「ではどうでしょう。作り上げていく過程と言い換えてみては? キャラクターの作り方、箱を作っているのか、タイトルをどう決めているのか」

~テーマ4~ 自分の流儀(キャラクター)

司 会 「まずはキャラクターの作り方から伺わせてもらえますか?」
作家集団A 「私の場合は、履歴書を作る所から始まりますね」
研修科A 「キャラクターに履歴書ですか?」
作家集団A 「基礎科の後藤先生の講義にもありましたが、主人公は円形人物になるように注意してます。履歴書を作ってなかった頃は、書き始めと書き終わりで別人になったりしてました(笑)」
研修科B 「履歴書ですか。そこまで作っていれば、ストーリーに都合のいい、唐突な行動とかはなくなりそうですね」
作家集団C 「私のコツなんですが、異性のキャラを書く時は、自分の理想の“逆”を書くとリアリティが増すように思います」
研修科B 「え? 逆ですか?」
作家集団C 「ええ。少年漫画のヒロインみたいに、陰ながら見守り、支えるキャラや、少女漫画の白馬の王子様なんていない。って感じで」
研修科B 「面白いですね。確かに生々しいかもしれません」
研修科A 「私の作るキャラクターが今ひとつウソっぽいのは、頭で考えているだけだからなのかもしれません…」
作家集団D 「あとキャラクターの個性は、作品の中の行動で表すもの。先生の受け売りですけどね。」

~テーマ5~ 自分の流儀(箱書き)

司 会 「では次に、箱書きってどうされていますか?」
研修科A 「僕はまだ箱を作ったりしてないんですが。作家集団に上がれば60枚シナリオと、40枚シノプシスですよね。やっぱり研修科の20枚シナリオと比べると違いますか?」
作家集団A 「20枚の頃は、一気にえいっ! て書いてしまう時もありましたが、作家集団に上がってからは通用しませんね」
作家集団B 「私が注意しているのは、まずテーマを明確にしておく事ですね。これだとブレない。さらに大箱でもいいので作ってから始めると、ストーリーが浮気しても本筋に帰ってこられる」
研修科B 「小箱まできっちり作る人の中には、器用に順番バラバラに書いている人もいますね」
作家集団C 「逆に、ある有名な先生の話ですけど、頭から順番に書くので、書けないシーンが出るとぴたっと筆が止まるって聞いたこともあります」
作家集団D 「私、研修科の時は逆箱でした。話を作った後で箱を作ってチェックしてました。でも、60枚シナリオになってからは、先に箱を作ってます。そうしないと、ゴールの見えないマラソンみたいになりますね。書いても書いても終わらない…」
研修科A 「なるほど。作品のガイドみたいな役割をするんですね」
作家集団B 「そうですね。そして箱にもうちょっと手を入れて、香盤表にしています」
研修科B 「香盤表って、役者や舞台、小道具などを書いた、一覧表でいいんでしたっけ?」
作家集団A 「作家集団になると、これも必要になるんです。何より香盤表があれば、主人公の話への絡み具合、ストーリーの進み具合が判断できて便利ですよ」
作家集団D 「そうそう。主人公出番少ないなーとか、作者が思ってるほど話が全然進んでないなーとか、香盤表見てアラがわかる。でも、香盤表って最後の最後に作るんで、あっここ駄目だな、と思っても、もう締め切りで修正が間に合わなかったりしてます(笑)」
研修科A 「箱って、作業が増えると思ってたんですけど、自分の作品がブレない様にする大切な物なんですね」

~テーマ6~ 自分の流儀(タイトル)

司 会 「では最後に、タイトルの決め方を教えてもらえますか?」
作家集団A 「僕の場合、まず仮タイトル作っておきます。特にいいタイトルが早い段階で決まると、課題作成がすごくスムーズですね。シナリオに一本筋が通る様な感じがします」
研修科B 「その感覚わかります。課題もほぼ完成していたのに、後からタイトルが決まって、それに引っ張られる形で書き直しをした事がありました」
作家集団B 「ああ、テーマがぶれてしまってるんですね。話本編を作るよりタイトルを作る方が難しい」
研修科B 「そういえば研修科Aさんはタイトル作るの上手いですよね。どういう話だ? って引き込まれる」
研修科A 「僕のは中身が伴わないんで、恥ずかしい限りです。自分で毎回ハードルを上げてる様な感じで、辛いです」
作家集団D 「言葉の選び方がうまいんですね。羨ましいなぁ」
作家集団C 「あと、これは私の感想なんですけど、コンクールに残っている作品は面白いタイトルばかり!」
研修科B 「タイトルって本当に大切なんですね」
司 会 「皆さん、色々苦労されていますね。今回は自分の流儀として、皆さんの課題の作り方のポイントを伺ってみました。正解はありませんが、折角ですので色々な方法を試してみてはどうでしょうか?では、次回でこのメンバーでの座談会は最終回となります」