今回は武藤哲也先生をご紹介します。
武藤先生は現在家で飼われている二匹の犬達に夢中だそうです。二匹は保護施設にいた犬と捨てられていた犬を引き取られたもので「保護施設に少し前に流行した犬種がたくさんいるのを見ると胸が痛みます。全部助けられるといいんですが、それはできないのでせめてできる範囲で」と。
次に武藤先生が夢中なのは釣だそうです。「『一時間幸せでいたいなら酒を飲みなさい。三日間幸せでいたいなら結婚しなさい。二週間幸せでいたいなら豚を食べなさい。一生幸せでいたいなら釣を覚えなさい』という中国の諺があるんですが、正にその通りと」と武藤先生。「どうやったらうまく釣れるかあれこれ考えるのが好きなんです。釣りになると僕は気が短くて次々と手法を変えていくんですが、それが見事成功した時などたまらなく嬉しいですね」と。
行き詰った時、あれこれ視点を変えると打開策が見えてくる。それは創作にも通じることのようです。「アイデアは考えるものではなく探すもの。何も浮かばない時、ただ原稿用紙を睨み付けていても前には進めません。そんな時のためにも日頃からネタを探して、ネタ帳を作っておくことはとても大切なことですよ」と。いつも優しくご指導下さる武藤先生、ありがとうございます!
シナリオ・センター大阪校はこの秋、創立30周年を迎えることができました。これもひとえに皆様方のご指導、お力添えの賜物と心よりお礼申し上げます。これからも一所懸命努めさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、かねてより有志スタッフの皆さんが着々と準備を進めて下さっているサプライズイベント「感動・ 関西、30周年フェスタ」が11月19日(土)にいよいよ開催されます。スペシャルゲストとして「ちゅらさん」(NHK)にて向田邦子賞・橋田賞をW受賞された岡田惠和さん、「誘拐」(東宝)にて日本アカデミー賞脚本賞を受賞された森下直さんがお越し下さいます。大阪校の生徒さんからの質問を元にシナリオ特別ご講演を賜ります。
さらに、大阪校在籍者がつくる自主ミニ映画を上映します。「大阪」を課題にした大阪らしいドラマを大阪校在籍者の皆さんから募った作品をもとに、有志スタッフの方々が熱意を込めて制作した涙と笑いの感動作です。
他にも、賞金10万円の「大阪校30周年記念賞」の結果発表や大阪校在籍者の一言爆弾宣言映像、豪華プレゼントが当たるサプライズ抽選会など楽しんでいただける企画が盛りだくさん! 三時間たっぷり、熱く楽しく盛り上がりましょう!
作家集団の別所英夫さん(55期)が東映太秦映画村で7月15日〜8月27日に上演された仮面ライダーショー「オロナミンCプレゼンツ オリジナルスペシャルショー カブト・ガタック・サソード超光速バトル」のシナリオを執筆されました。
「シノプシスを読んでプロデューサーの方が新しいアイデアを思いつかれるんですね。『こんな風にできたら面白いと思うんだけど何かいい考えない?』という具合に。その漠然としたアイデアを具体的な形にして作品の中に盛り込んでいくんですが、必死で知恵を搾りました」と。その方法をなかなか思いつけずパソコン画面の前で何時間も凝り固まってしまうようなこともあったとか。
「最初、シナリオを書いて提出したら僕のやることは終わりだと思っていたんですね。そしたらそうじゃなかった」と別所さん。太秦での打ち合わせの時、監督、プロデューサーに次ぐ席順。『作家先生』と呼ばれ、会議が始まると監督やプロデューサーからライターとしての意見を求められる。それらのことからシナリオライターとして責任の重みを痛感されたとか。
「リハーサルの時も、監督が僕に意見を求めてこられるんですね。僕は舞台は始めてだったんですが、全身をアンテナにして監督が求めているものを汲み取りながら、僕なりの考えを提案させていただきました」と。プロの現場の熱意と厳しさをとことん体験された別所さん。得たものはとても大きかったようです。
シナリオ・センター大阪校30周年記念イベント「感動・関西30周年フェスタ」がいよいよ秒読み段階に入りました。
11月19日(日)、場所は大阪の歴史を物語るアンティーク感覚のキャバレー・ミス大阪。メニューは盛りだくさん。特別ゲストには岡田惠和さんと森下直さんが。皆さんに思いっきり楽しんでいただくべく現在実行委員と有志の方々が中心となって今必死に準備を進めて下さっています。
「感動・関西30周年フェスタ」では「大阪校30周年記念賞」と題した20枚シナリオコンクールも開催します。課題は「晩ごはん」。賞金はなんと十万円!現在作品募集中です。大阪校在籍者、OB・OGの皆さん、それから一の会所属の皆さんからのご応募もお待ちしています。締切は9月30日。結果は11月19日の「感動・関西、30周年フェスタ」会場にて発表します。どうぞお楽しみに!
ラジオドラマ『心の憩い』(ラジオ大阪他全国36局)で作家集団の方がデビューを果たされました。
■谷口雅美さん(54期)
「採用されて本当に嬉しかったです。音だけの表現でどのようにして状況を分からせるか。もっと音のボキャブラリーを自分の中で増やす必要があると思いました。得手不得手と自分で枠を作ることなく様々なジャンルに挑戦していきたいです」
■岩見徳子さん(55期)
「継続は力なりは本当だなと思いました。諦めずに続けてきた甲斐がありました。ずっと苦しかったのですが、最近ようやく書くことを楽しめるようになってきたのが嬉しいです。心に温かいものが残るような作品が描けるよう、これからも頑張ります」
ラジオドラマ『心の憩い』(ラジオ大阪他全国36局)で作家集団の方が続々とデビューを果たされました。
■長山公一さん(49期)
「試行錯誤の連続ですが、これからも諦めずに書き続けていきたいです。家族の絆や関係をいろんな形で書いていければなと。シリアス傾向の話を書くことが多いので、今後コメディも書けるようになりたいですね。せっかくのチャンス、頑張ります」
■小松恵さん(50期)
「とても嬉しかったです。小さい頃から物語を考えるのが好きで、いつか仕事にできればと夢見ていました。大好きな劇団の芝居を見た後、いつも、物凄いカタルシスとパワーを感じるんですが、私もそんな作品が書けるよう頑張りたいです」
■小副川栄一さん(55期)
「学生時代に小説家になることを夢見ていましたが、諦めてサラリーマンになりました。五十代になって再び夢を追いかけています。シナリオは、書けば書くほど難しさを感じますが自分が頑張ることで団塊世代にエールを送れればと思っています」
■水村節香さん(56期)
「日常の中の小さな出来事や、へたれで弱い心を持った人間が主人公の話を書くのが好きです。そして、ハッピーエンドが好き。書き終えた時、自分が思わずニッコリと笑顔になっているような元気の出るドラマを書いていきたいです」
■中山照子さん(57期)
「嬉しいと同時にプレッシャーも感じています。生きていてよかったと、活力がわいてくるような作品を書くことが目標です。作品作りは難しいですが、生活の中で小さな出来事や感動を拾い上げる心を失わず、書き続けていきたいと思っています」
頑張って下さいね!
大阪校の先生の素敵な横顔を。今回は狩山博臣先生をご紹介します。
狩山先生は三年ほど前から水彩画を始められたそうです。老後の楽しみの一つにできればと思ってはじめ られたと狩山先生。描かれるのは主に静物画や風景画。旅行に行った時、気に入った風景などを絵に描いたりしたいとのことですが、仕事がお忙しくて旅行に行く時間がとれず、今のところ、近所の風景を描かれたりしているそうです。
最近になって、狩山先生は料理も習い始められたそうです。昔から、休日にはご家族のために料理を作られたりと、料理をすることには関心があった狩山先生。お仕事柄もあって、いろんなことに興味をお持ちです。
「クリエイターは常日頃から情報収集をしておくことが大切。広く浅く様々なことに関心を持っておく。身の回りのこと、大衆的なこと、三面記事的なことにも目を向けるのが大事。そういった所にこそ人間の本性が現れていたりする」と狩山先生。「必要が出てから調べるのではなく、いろんな興味を持って自分の中にたくさんのストックを持っておく方がいい。でないと、いざという時に使いこなせない」と。そして、クリエイターは常に時代の空気を感じ取ることが重要とおっゃられます。
何事にも精力的に取り組まれる狩山先生。そのエネルギッシュな姿に狩山クラスの皆さんは、いつもパワーをいただいています。狩山先生、ありがとうございます!
大阪校出身の青木万央さん(45期)が、千葉真一と倉田保昭のアクション界の巨匠二人がタッグを組んだことでも話題の映画「マスター・オブ・サンダー 決戦! 封魔龍虎伝」の脚本を執筆されました。
青木さんは2003年に「函館イルミナシオン映画祭第7回シナリオ大賞長篇部門」にて準グランプリを受賞。その映画祭で知り合ったプロデュー サーの方から、今回のお話をいただいたとのこと。
アクションものは初めてだったそうですが、「アクションものだからといってドラマを描く事に変りはないんですね。顔合わせの時に、アクションに至るまでの心情をしっかり描いて欲しいと言われて、とても勉強になりました」と青木さん。映画は今夏公開予定です。
映画だけでなく、マンガ原作や舞台、ラジオ、ドキュメンタリーなど幅広いジャンルで精力的にご活躍の青木さん。「仕事のお話をいただく時は、それが初めての分野でも『それ得意です』と言うようにしているんです」と青木さん。「知らないからといって手を出さないのはもったいないと思うんですね。一度手がければ、今度はそれを売りにできるわけですし」と頼もしいお言葉。「社会人になって、利害関係抜きの友人ができるって本当に貴重だと思うんですね」と、青木さんは今も同期の仲間とは頻繁に連絡を取り合っているそうです。「皆それぞれに頑張っていて、とても励みになります」と。今後が楽しみです!
現在、11月19日に開催される『感動・関西、30周年フェスタ』の準備が有志スタッフの手によって進行中です。
「大勢で集まって何かをすることが好きなので」ということで、スタッフに名乗りをあげて下さったのが、作家集団の坂本紀男さん(49期)。「ただ待っているより、自分から能動的に動いた方が、こういったお祭りは、より楽しめると思うので」と坂本さん。
坂本さんにとってシナリオ・センターは「進むべき道を見つけられた場所」。元々、書くことを職業にしたいと思っていたものの、それが何であるかは漠然としていたところ、センターに入学し、「あんなに真面目に授業を聞いたことはそれまでなかった」と、基礎講座でシナリオの面白さに目覚め、今は、「どんなに時間がかかっても成し遂げたいこと」と日夜、シナリオの勉強に励んでおられるそうです。
そんな坂本さんからフェスタ実行スタッフとして皆さんに一言。「11月19日に是非、会場に足を運んでみてください。ドラマの主人公が受け身より能動的な方がいいように、お祭りも積極的に楽しんだ者の勝ちですよ」と。秋が待ち遠しいですね。
サンダンス・NHK国際映像作家賞日本部門2005にて田中智章さん(45期生)のシナリオが優秀賞に選ばれました。
大阪校での友人に誘われたことが田中さんが自主映画に興味を持ったきっかけ。お2人とも映画製作に関しては全くの知識がなく、試行錯誤しながら映画を作りはじめたとか。その傍ら、田中さんはシナリオを書き続け、年に約5本のペースでコンクールに応募されていたそうです。「数を書くうちに、自主映画の中では脚本は誰にも負けない自信が出てきたんです。これが自分の強みになる」と。
転機となったのは「伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2003で審査員奨励賞を受賞した時。映画祭で大勢の仲間と知り合えて、一挙に世界が広りました」と。翌年には、知り合った仲間と撮った映画が三つの映画祭で入賞を果たすことに。
「小さな世界を描くことで大きな世界を描きたいんです」と、そのためにもシナリオの腕は今後も磨いていきたいと意欲的。
田中さんを含め、45期生の方々が映画で続々と成果を上げています。城戸賞受賞の尾崎知紀さん。青木万央さんと梅村真也さんは劇場映画のシナリオを執筆。青木さんの作品は、今夏公開だそうです。
作家集団の湊祐貴子さん(50期)が執筆の「アンコール」が、NBC長崎放送ラジオ「サンプリエール七分間恋物語」にて、1月19日に放送されました。
「センターをしばらく休会していたんですが、12月に復帰できることになって、それで、ライターズバンクの方に、またよろしくお願いしますとご挨拶のメールを送ったんですね。そしたら、募集のメールを送っていただきまして。これからまた頑張るぞって、自分への決意表明のようなつもりで応募しました」と湊さん。その復帰第1作目が見事採用に。
湊さんは小学校の頃から演劇の演出をされたり、戯曲を書かれたりしているそうです。「バンド活動に浮気をした時期もありましたけれど、やはり書くことが一番好きです」と、現在もシナリオだけでなく小説も書かれるなど精力的に執筆活動をされています。「私にとって物語を書くことは、ストレス発散なんです。頭の中で日常の生活とはかけ離れたことを色々 と考える。その間、現実の嫌なことは忘れていられる。見ている人にもそんな風に感じてもらえるような作品が書きたいんです」と。
今後の抱負を伺うと「やはりコンクールですね。テレビもラジオもどんどん応募していきたい。出さなければ受賞もありえないので」と頼もしいお言葉。頑張って下さい!
2006年10月にシナリオ・センター大阪校はおかげさまをもちまして創立30周年を迎えます。
創立を記念して11月19日(日)に、『感動・関西30周年フェスタ』を開催します。 皆で楽しめるフェスタをと、現在、有志スタッフの皆さんによって着々と準備が進められています。
有志スタッフの皆さんのまとめ役を務めて下さっているのは作家集団クラスの木村敏男さん(45期)。「人を喜ばすことを考えるのが大好きなんです。それにみんなで楽しめたらいいなという思いもあって、まとめ役を務めさせていただいてます」と木村さん。
木村さんにとってのシナリオ・センター大阪校は「素敵な仲間と出会える場所」とのこと。「大阪校って一体感があると思うんです。みんなで励まし合いながら頑張ってる感じ。それに、ここに来れば大好きな映画やドラマの話が思う存分できる。この場にこうして集まれたことって本当にすごいことだと思うんです」と笑顔で語られる木村さん。
運営スタッフはまだまだ募集中とのこと。「極端な話、当日だけしか手伝えないというのでも構いません。だから、どんどん気軽に手を上げて参加して欲しい。現在、女性の方が少ないので、特に女性の方、お待ちしています。もちろん男性陣もよろしくお願いします。みんなで盛り上げていきましょう。このイベントを通して皆と親しくなれることを楽しみにしています!」とのこと。伝わる熱気に、11月がとっても楽しみです!
大阪校出身ライターの吉野万理子さん(44期)が第1回新潮エンターテインメント新人賞を受賞されました。
吉野さんは「日本テレビシナリオ登龍門2002」で優秀賞を受賞され、その後、日本テレビで放映された連続ドラマ「仔犬のワルツ」を執筆されたり、韓国ドラマのノベライズ化を手がけられるなど多方面にわたってご活躍中です。
応募のきっかけは「『仔犬のワルツ』で学ばせていただいたおかげで、あらゆるエンターテインメントが数式≠ノ見えてきました。自分の過去の小説が、いかにダメな数式≠ゥもわかり、再挑戦してみようと思って」と。
受賞作「秋の大三角」は、女子校が舞台の学園ファンタジー。「死んだらそこで終わりなのか、それともその先の世界があるのか。この世の先はこうであったらいいなという願いを織り込めました」と吉野さん。「秋の大三角」は12月に新潮社から刊行されています。コンクールの受賞はゴールではなくあくまでもスタート地点であると吉野さん。今後の抱負を伺うと「まずは二作目をしっかり書く事」と、しばらく小説に集中されるそうです。
最後に、「コンクールの受賞作品は自分の名詞代わりになるんですね。欠点があっても、言い訳はできない。だから応募作品は慌てず急がす丁寧に仕上げた方がいいと思います」と、アドバイスをいただきました。ありがとうございました!