作家集団の青木万央さんが、NHK衛星第2テレビ『人生自分流 日本一のお手玉母ちゃん(副題・仮)』の構成台本を執筆されました。オンエアは12月4日の予定。
同番組は、第二の人生を意欲的に過ごす中高年を紹介するもので、今回は『日本のお手玉の会』の中心となっている60代の主婦を紹介しています。見所は「活動を通じてどんどんイキイキしてくる主婦の姿」だとか。青木さんは同番組の企画・取材には以前より携わっていて、今回、企画書に関しては「以前、工業デザインの仕事で書いた経験と、センターで習っていたことが役に立って、違和感なく書けました」。
初めてという台本執筆では、サンプルを渡されたもののカメラワークに関して少し戸惑うこともあったそうですが「いかにあきさせずに、どこで盛り上げるか? という点ではドラマと一緒だナと感じました」。特にドキュメンタリーということで悩んだのは「自分らしさをどこで出すか? 結局、ナビゲーターに自分の視点を反映させることで表現しました」。番組を通じて痛感したことは「キャラクターがすごく大事ということ」。仕事で多くの刺激的なキャラクターに出会ったことを、ドラマの世界にも生かしていきたいとか。
昨年、勤めていた松下電工を退職。直後ボランティアとしてかかわった映画祭などから次々と人脈を広げ、今は構成作家、トータルプランナーとして活躍。文学座がサポートした市民劇団の脚本執筆経験も。こちらも人生自分流に意欲的!
演じる世界に書く世界、二つにかかわったお二人にインタビュー。
小学校の教師として多忙な日々を送っていた約20年前、ドラマ好きが高じて大阪校の門を叩いた田淵順子さん。その時は基礎科のみでした、約5年前、再び入門。
ここ2年半ほどは「シナリオの役に立つのでは?」と考え、劇団『東俳』に所属。教職も非常勤に変わり、この10月には校長の役を舞台で演じるなど、多彩にご活躍です。劇団に入って痛感したことは「セリフの大切さ。イキイキした芝居はセリフもイキイキしている。よく考えて書くようになりました。」
意欲的なパワーの源は「家族が元気で、協力してくれること。そのためには、よくコミュニケーションをとり、泣きたいような時でも明るく振る舞うことが大切ですね」
約20年前から10数年間女優として活躍しておられた50期の小松恵さん。エキストラから始まり、主に舞台で活動されていましたが、テレビ『部長刑事』では、女優としての狙いもあり応募した第2回ストーリーコンクールに佳作入選したのを機に、一時期、出演の経験も。
大阪校には2年半前に入門。執筆では、以前の自分の役だけとは違い、ドラマ全体が見渡せる楽しさ、キャラクターやまだ見ぬ俳優と一緒に作るような楽しさも感じているとか。「特に、キャラクターは自分のこどものようで、子をいとおしむような楽しさも。また、習作では経験上、人物それぞれに見せ場を作ってあげようと思っちゃいますね」。大阪校の合宿では5枚シナリオのコンクールで2位を獲得。夢は「上川隆也さんのために執筆し、自らも出演して、一緒にロケ弁を食べること」
パワーあふれるお二人です。
大阪校の多くの生徒さんが執筆しているラジオドラマ『心の憩い』。ぺラ5枚の執力を問われる難関です。その中でレギュラーとしてご活躍のお二人にインタビューしました。
家族の意外性を心温まる話にまとめたものが多いそうです。
「心掛けているのは、朝の番組なので明るいものということ。それと、5枚で言いたいことがはっきりと伝わるように、主張が印象に残るものが採用されている気がします」
ボツが続いても「あきらめると書けなくなるので毎週一本は書くと決めている」とか。ネタのためには専用のネタ張を用意。思いついたときにメモっておいて、授業の日に提出できるように、その1、2日前に書き上げているそうです。「原稿料をいただいて、仕事をしているという自覚も持てました。短くても心にジーンとくるものを書いていきたいと思っています」
桑田さんの書かれる内容は、定年間際の人物や初老夫婦に若者を絡ませた設定で、家族愛を描いたものが多いそうです。
「最初の8ヶ月は、書いても書いてもボツだったんですよ」週に一本のノルマを自分に課して書いていたものの、ボツが続いたときは2ヶ月間書けなかったとか。あきらめずに書き続けられたのは、「小島先生の励ましと、わたし自身、塾で生徒に宿題を出しているので、自分自身も宿題をきちんとこなさないとと思って」
最近は、新聞の三面記事をよく読むようになられたそうです。原稿料は、お金というより勲章のようで、とても使えないとか。オンエアはご主人も楽しみにしておられるそうです。
※やはり書き続けることが力
北海道を舞台にした『迷子の季節』で受賞された、研修科の柿原さんですが、作品はコンクール応募のために、初めて書いたものだったとか。「100枚以上書く場合、どれくらいシーンを盛り込めばいいかわからなくて悩みましたが、一応オオバコは作っていたので、ちょうどいいくらいの枚数で書き終えました。受賞は、母の伝言メモで知ったので、授賞式に行くまで半信半疑でしたね」
中学より大学まで演劇部に所属。自ら舞台に立ちながら、脚本執筆の経験も。書き手として ほめられたことの方が多かったため、書くことでプロになれたら、と思うようになり、大学時代にセンターに入学。ハウツーを習得するとともに、仲間と一緒に勉強する中で、締切を守って書く習慣をつけたり刺激を受けたりの環境作りを考えたそう。
「でも、舞台とテレビは全然違いますね。舞台は場所をあまり変えない。同じ場所で、いかに人を出入りさせて、どんなセリフを話させるか考えるわけです。テレビでは、シーンを自由に変えられるし、カットバックも使える。最初はどういうところでどこにシーンをとばすのか?わからなくて、みんなどう考えているのか不思議でした」
そんな柿原さんが感じるテレビの魅力は、観る人の多さ。「桁違いの多さがすごく魅力だと思います」今後の抱負は「他の仲間を見習って、とにかく沢山書いていきたい。それと、わたしの作品は悪い人が出て来ないと評価されることが多いので、悪いけれど魅力的な人間や、人間の二面性みたいなものを書けるようになることが、当面の目標です」 今後の活躍が楽しみです。
四半世紀にわたり習作の場を設けた教室に別れを告げました。新教室では今までより南方向にあるビルの7階に、基礎科等を行なう大教室、ゼミや研修科を行なう三つの教室、事務局が集結。生徒さんの感想は……
●全般的には「最寄駅に近くなったので便利」「オフィスビルなので、勉強するのにふさわしい感じ」「一堂に会することができ、学校らしくなった」
●基礎科の生徒さんからは「部屋が広くて明るくて、勉強するぞ、という感じ」「今まで知らなかった上のクラスで本読みをしているところなど目にすると、刺激になる」「チラシや掲示板で情報を得やすくなった」「広い窓からたくさんの飲み屋のネオンが見えて楽しい」「エレベーターを降りてすぐというのが、いい」など。
●その他の生徒さんからは、「今までの靴を脱いで入るビルの一室とは違い、勉強の場という感じ」「お茶は各自持参になったけど、例えば同じ日本茶でも、みんなそれぞれ違ったブランドを飲んでいることがあり、おもしろい」「大教室で長篇研究科が行なわれたとき、自分の基礎科時代を思い出し、また習い始めたばかりの人たちと同じ部屋だと思い、ある種の感慨とともに刺激をうけた」「後藤先生のお顔を拝見できて嬉しい」などという声に加え、6期生からは「僕は、前のビルの2階、10階、5階と、計約20年間の時代を経験。学校らしくなったことを喜ぶよりも、あのアットホームな教室に懐かしさを覚える気持ちが強い」。人にも歴史あり。
数々の受賞に輝く尾崎知紀さんが昨年に引き続き、「NHK札幌放送局平成14年度オーディオドラマ脚本募集」で佳作を受賞されました。
作品は「過日なら」。主人公は60歳の元・札幌路面電車の運転手。かつて愛情のない結婚をした妻が20年前に家出をしたことから、男手一つで息子を育て、今は、かつての自分と同じ職業につくその息子と嫁の3人暮らし。そんなところに妻が現れ、息子に会いたいと告げる。妻はガンに侵されていた。息子は父に遠慮し、会うことを拒む。主人公は、妻が病気であることを考え、息子の説得にかかる。そんな中、かつてなかった、妻に対する愛情が芽生えてくる。そしてー。
「夫婦関係をメインとした家族の再生のドラマです。人間関係はウヤムヤにせずトコトンぶつかりあった方がいい結果をうむのでは? 日にちがたてば許せる優しさをもちたい、そんな思いで書きました。タイトルもそこから」と尾崎さん。
ドラマで主人公が息子を説得するのはいつも電車の中。尾崎さんは昨年の授賞式の折りに、札幌に、自分自身が住む町と同じように、路面電車が走っていることに親しみを覚え、取材しておいたそうです。「札幌の路面電車は、町の中の短い距離を円を描くように走っている。それが、人生は堂々巡りとか、遅々として説得は進まないという感じや、土地の情感を出すのにいいんじゃないかと」。地元に根付いた作品であったことは受賞の理由の一つでもあったそうです。今後も頑張って!
43期の佐々木孝昌さんは、AM神戸でADを勤めながら、ラジオドラマの執筆もされています。職場でシナリオの勉強をしていることを話すと、「じゃあ、書いてみるか」と執筆の運びになったそうです。ADなので、自分の本の収録時に、自分で曲やSEをつけることもあるそうです。時には脇役として出演することも。
佐々木さんがかくのはブラックコメディ。音声のみで笑わせるのは難しそうですが、「自分が面白いと思うものを書く。自分が面白いと思えるまで何度でも書きなおす」と果敢に取り組んでおられます。ドリフターズのコントとアメリカンコメディが大好きだという佐々木さん。中でもお気に入りなのが「俺がハマーだ!」戦前の日本映画にも精通しておられます。好きな役者は大河内伝次郎と市川雪蔵。唯一プロマイドを買ったことがある女優さんが、大川恵子だとか。
今後は、映画方面にもチャレンジしていきたいそうです。「ドラマを観ている間、視聴者を非日常空間に完全にトリップさせられるような作品が作りたい。リアリティのある突飛な話とか……」目指すのはドリフと「俺がハマーだ!」の融合系コント。
現在は「谷五郎のOH! ハッピーモーニング」(AM神戸、AM10:07〜)の歌謡ドラマを執筆中。
2月10日、11日に須磨海岸のシーパル須磨にて第1回大阪校ワイワイ合宿が行なわれました。
1日目
3時にチェックイン。
4時から各部屋に分かれてゼミナール開始。発表課題は20枚シナリオ「夕映え」。いつもとは違う顔ぶれの中での発表。新鮮な意見が聞けてとても刺激になりました。
7時から大広間での食事会。自己紹介の後は、一気にうちとけ、話が弾みました。その後、3部屋に集まり飲み会に突入。時間が経つのも忘れて、シナリオについて熱く語りあい、密度の濃い夜に、そのままで盛り上がっていた人達も。
2日目。
朝9時より、海が望める大会議室に全員集合。参加者全員1人1票で5枚シナリオの朗読発表審査会をしました。後半は、後藤先生の特別講義。あらかじめ募った皆からの質問を元にお答えいただきながら、コンクールでも現場でも読み手の心に届くシナリオ作りの秘訣を教えていただきました。
来年も第2回「ワイワイ合宿」を開催予定。一般・一の会からも参加を募ります。
「大阪ワイワイ合宿5枚シナリオコンクール」審査結果
<最優秀賞>
『暖かい海』土EUゼミ 原野貴文
<佳作>
『僕が地球を救った日』土NUゼミ 小松惠
中断して久しい大阪校の合宿が再開されます。その名も大阪校ワイワイ合宿=B風光明媚な須磨海岸にあるシーパル須磨にて2月10日〜11日の一泊二日。
〔10日〕
チェックイン3時。〜4時=フリー⇒7〜9時半=ワイワイパーティ⇒以降=部屋単位でのワイワイ飲み会
〔11日〕
8時半まで=朝食などフリー⇒9〜12時=勉強会とコンクール発表・現地解散
有意義な勉強タイムに、ふれあいの時間もたっぷり用意されています。初日のゼミでは、事前に選出(応募は1月24日まで)された作品を、いつもと違った仲間や講師と勉強し合うことで、きっと新鮮な感動が。翌日の勉強会では、まず後藤千津子先生による特別講義。いつもの講座とは違う内容に、また創作意欲が刺激されそうです。コンクールでは予選通過作品(応募は1月24日まで)を参加者全員で審査。最優秀賞3万円他が用意されています。すぐそばが海岸なので、フリータイムには遊歩道や夜の海辺を歩いたり、大浴場の眺望に心身をいやしたり。ワイワイと食べたり飲んだりしながら、シナリオや映画、習作談義に花を咲かせるのも楽しみです。
「10年前頃までの10年間ほど毎年、大阪校ではゼミ合宿を開いていました。いつもとは違う環境で勉強する楽しさ、同じ釜の飯を分け合うことで親睦が深まったことなど、いい思い出ばかりです。シナリオの成果は仲間によって向上します。海と仲間に囲まれて、より一層の実りを得られますように」と小島与志絵代表は語られます。
大阪校で44期・研修科の小原緑さんの作品『一周忌』が最終選考の5作品に残り、育成奨励賞・優秀賞を受賞されました(応募数1030)。
内容は…親に依存していたフリーターの4人きょうだいが、両親の急逝により現実に直面。てんやわんやの末、一周忌を迎えた時には新しい生活を見い出そうとする……4人の掛け合いもおもしろいコメディタッチの作品です。
締め切り間際まで、フリーターを肯定する作品にと悩み続けたそうですが、「フリーターは社会的責任から猶予されているから?」、自身でもどこか抵抗があり方向転換、「ごく普通の生活がいかに社会的責任を伴う大変なもので、大切なものか」を描いた投稿作品になったそうです。
センターでの習作について、ご主人に内緒にしているので大変だそうですが、当初、故・永江勇先生に作品をほめてもらったことでやる気を起こし、仲間との励まし合いもあって頑張れたとか。主婦・塾の講師・家業手伝をこなしながらの執筆ですが、様々な人の視点が発想のヒントになることもあるそうです。
今後は「人生って、人間って、いいな」と思える作品を書いていきたいなと。そのためには「わたしの強みは?と考えると、普通の生活の中にいることだと思う。ごく普通の人々の日常生活を毎日取材しているようなもの。それを生かして地道に書いていきたい」と、堅実な視点が頼もしい!