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NHK・民放多局でご活躍の演出家・脚本家。ラジオドラマ、戯曲他の審査をしていらっしゃる先生。
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NHK大阪放送局(BK)のラジオドラマ懸賞の審査員を10年近くされている鶉野先生は、「『体験的ラジオドラマ考』ということで、何かみなさんの参考になれば」と先生ご自身の創作の世界に入られたご経験を語ってくださいました。
「私達の時代はテレビがありませんから、娯楽はラジオでした。ですから、今よりラジオにふれる土壌がありました。そういう意味ではいい時代でした」そして、『これがラジオドラマだな、と思った時』のことのエピソードをお話ししてくださいました。「ある女優さんが私のラジオドラマを演じてくださった時、私は聴きながら、『これは違うな』と思ったんです。その女優さんはテレビでも活躍されている方ですごく雰囲気のある方です。しかしラジオでは受ける印象が全然違う。結局、ラジオではその方の雰囲気までは伝わらないからなんですね。その時私は、ラジオはマイク一本で伝わる世界、音だけで成立する世界ということを感じました」
また、「ラジオは送り手と聴き手の一対一の世界です。自己主張も言い分も分かります。作者のオリジナリティーが一番出るメディアがラジオドラマです」と映像との違いをわかりやすく語ってくださいました。
また、ラジオに限らず創作に携わる者として「その人自身がどんな生活をしてきたか、が作品に表れます。そして、作品を生み出す原動力は自分が今いる枠組みから出ていきたい、外へ出て行こうとするエネルギーです」とのお話に、私達も創作の根底にあるべきものを掘り起こされた思いがしました。
「今の皆さんは何でも書けます。ご自身のいいと思うものをどんどん書いてください」とエールを頂き、創作意欲も新たにしました。 |