9/23(土)土居原作郎先生 素直な眼を養なえるように | |
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先生は受講生全員に自己紹介を兼ねて、『今、気になっていること』を尋ねられました。はてさて何を言おう…と自問自答する緊張の一瞬の幕開けでしたが、進むうちに、身近なことから社会情勢までさまざまな気になることが飛び出し、仲間の個性が垣間見えた楽しいひとときとなりました。 続いて、芸能の始まりの貴重なお話を伺いました。「『劇』という字は『ゲキ』すなわち激しいことに通じ、葛藤を意味します」というお話に、私達は普段なかなか触れることのできない知的な世界を学びました。 更に、ギリシア悲劇から始まった演劇の歴史のお話へ。演劇の表現内容は、ギリシア時代の運命劇、境遇劇中心のスタイルから、ルネッサンス時代に心理劇、性格劇に移行したそうです。「21世紀はどういうテーマの劇になっていくか、それが我々に課せられた命題でもあります」と、壮大な歴史の中での私達の作家としての姿勢をまず、位置づけてくださいました。 また、言葉の持つ重要性について、「『言葉が眼の邪魔をする』ということがあります。例えば、今、ここに咲いているスミレの花を見てもなまじ言葉を知っているがために、以前の記憶の中のスミレとしてとらえてしまう。今日、ここの風に吹かれているスミレそのものという様に、素直な眼で見られなくなってしまうことがあります」と記憶に頼らず、純粋な眼でものをとらえてゆくことの大切さを学びました。 「物事を既成概念でとらえないことが大事です。あなたはどう思ったか? どう感じたか? を知ってください。それが作家の眼ですから」とのお言葉に力付けられると同時に、改めて背筋を伸ばして今後の勉強に挑もうと勇気が湧いてきました。 |
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