第5回放課後倶楽部 平成15年9月20日(土曜日) | ||||
〜映像人生40年〜 「こんなタイプが生き残れる!」 |
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田中 博(たなか ひろし)氏プロフィール 昭和13年9月8日生。大阪府岸和田市出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。JOKRラジオ東京(現TBS)にて報道、制作(ドラマ)を経て、松竹で演出を修業。宝塚映画でプロデューサーに昇格。大映で劇映画に従事(プロデューサー)。大映倒産後、株式会社エキスプレスに入社。「お笑いネットワーク」他、TV番組のプロデューサー、ディレクター。同社専務退任後、独立。昭和59年、株式会社ヒロエンタープライズ設立。平成3年、株式会社サテライトオオサカ代表取締役社長に就任。コミュニケーションサテライト(衛星放送)業務に邁進。退任後、株式会社ヒロエンタープライズ代表取締役社長として現在に至る。スポーツ番組、中継、歌番組の制作。日本映画テレビプロデューサー協会会員。 【Q&A】 Q:どんな人が映像の業界で生き残れるのでしょうか? A:発想の転換とオリジナリティーを持った人。 芸術家になるよりも、先ずは職人になれ!! Q:生き残れる人の共通点は? A:頑固一徹。持続力こそがどの道にも通ずる。 Q:こんな人だけは生き残れないと思われる人は、どんなタイプの人でしょうか? A:妥協性のない、孤立した思想の持ち主はダメ! フレキシブルに生きられる人。 Q:若き日の修行時代のご苦労話をお願いいたします。 A:人が何人も普通にしている!それは考えを持って努力しない! なせばなる、やればやれる! 仕事は孤立しなければダメ。 Q:修行時代に自分をささえてくれた人や想い出は? A:先輩にオゴってもらった一杯のラーメン! 「御苦労さん!!」このひと言がどんなに嬉しかったか! Q:映像業界で心に残る面白い人は? A:松竹時代「必殺仕事人」監督、松野宏軌さんに風呂を沸かしてもらって、一番風呂に入ったこと。松野宏軌監督、倉田順介さん、勝新太郎さん。 Q:この業界をやめようと思われたことはおありですか? それはどのようなときですか? A:給料が安くて食って行けなかった時代。 それでも「好きだから……」が先行した。 Q:若さの秘訣は? A:常に恋していること。それは男女の間柄だけではない。 すべてに興味心を持つことが若さを保つ!! Q:これから映像業界をめざす人へひとこと。 A:マルチメディアの時代を如何に生き抜くか、一方向をめざす時代はすぎたかもしれない。メディアミックスの時代を再考する必要があるのではないか? 人、それぞれの生き方は色々あるが、自分のキャラクターを生かすべき道は周囲の環境と自分の今立っているポジショニングを忘れないことである。 |
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講義内容 |
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「子どもの頃はすごいコンプレックス持っていた」。 放送業界に40年以上身をおき、65歳を迎えられた今もTV番組製作会社潟qロエンタープライズの現役社長としてご活躍の田中博氏のお話は、意外にもそんな言葉から始まりました。 強くなろうと始めた柔道、空手。17歳の時にエキストラのバイト。「人生に目標を」と進学した日本大学芸術学部映画学科。卒業後は現TBS、松竹、宝塚映画、大映などの制作畑でご活躍の後、吉本興業と三井物産が主たる株主であるサテライト大阪の社長を経て、現職。 その半生を彩るエピソードは、格闘技にまつわる武勇伝、「正々堂々と生きたい」と話した力士・武双山や影響を受けた勝新太郎、一時期氏の付き人をしていた赤井英和、ボクサー、ファイティング原田との思い出話に、吉本興業とのかかわりなどなど。TVの歴史と裏話を織り交ぜてご自身の足跡を、時には笑いをとりながら力強い大阪弁で語られ、聴衆も圧倒されることしきりでした。 そんな社長が、生き残るために、と贈って下さった言葉は「人と同じことをするな」「一生懸命ぶつかれ」「新しいことを考えるセンスを磨け」「感動を忘れるな」「環境に慣れてしまうな」。 最後には、16年春に九州で着工予定の『もち吉花月劇場(仮)』の企画立案のチャンスも与えてくださり、聴衆皆、大いに励まされる2時間でした。 |
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参加された方々のお声 |
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・常に感動する気持ちを持ち続けよというお言葉に、とかく惰性に流されやすい日常を反省することができました。 ・田中先生のお話はたいへん興味深く拝聴させていただきました。失敗(あるいはマイナスの出来事)から成功の道をたどっていかれたバイタリティーに敬服します。なお、買ったばかりのテレビで金曜日の夜8時にプロレスで力道山を見るのは小さい時の楽しみでした。たしかに力道山は子供たちの英雄でしたね。 ・年齢を重ねてもいつも感動出来る、現役で頑張るーそのためには頑張れるエネルギーが必要です。その源は何でしょうか? コンプレックス、ハングリー精神ですか? 強いという事は厳しくもありやさしくもあると思います。感動するのは人々の心に響くからですね。色々な経験をなさったからこそ、強くもあり、やさしくもあり、感動させられるもの創りがお出来になったと思います。いくつになっても感動出来る仕事を続けられる強さを実感しました。 ・ものを作る人間はエネルギーに満ちているのに感動しました。若い! ・70才はやすぎる。体に気をつけて80才まで現役で頑張って下さい。出来ます。 ・とても楽しく聞きました。僕は自分では正常と思っていますが、正常の道を踏みはずして正常がわかるのなら冒険も必要なのかなーと思いました。 |
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