第28回放課後倶楽部 平成17年11月26日(土曜日)
浪速の唄う巨人パギやん大阪校へ!!
歌と映画とおしゃべりと…【歌うキネマ】の舞台裏
講 師   趙博 氏
日 時   平成17年11月26日(土曜日) 16:30〜18:30
趙博先生
【歌うキネマ】
故・マルセ太郎の至芸「スクリーンのない映画館」に触発され・惚れ込み・教えられ、そして私淑した趙 博が、渾身の情熱で歌い語るコトバ・ウタ・ミブリの曼陀羅、名付けて「歌うキネマ」。
その舞台裏のおはなしを!

  趙博(ちょうばく)氏プロフィール
愛称「歌う浪花の巨人」。大阪市西成区出身、在日韓国人2世。大学でロシア語を、大学院で教育学を専攻。元・関西大学、河合塾講師。ブルース・ジャズ・ロック・フォークは勿論のこと、朝鮮・韓国の古典民謡やニホンの浪曲も得意で、年間ライヴ数は百回に迫る。2002年から「歌うキネマ」を始め、一本の映画を独りの唄と語りで演じている。演目は「ホタル」「マルコムX」「風の丘を越えて/西便制」「砂の器」「神様こんにちは」「キクとイサム」など。源氏名またはリングネームは…浪速の歌う巨人・パギやん。西成少年愚連隊OB。
ホームページ http://www.fanto.org/

▼主な芸能履歴
92年11月/ファーストCDアルバム“Rapture & Rage”(ガーネット・レイジ)。95年2月/セカンドアルバム『爛漫』(ガーネット・レイジ)。5月/ビデオ映画『ぷくぷく夢がわいてくる』音楽担当。94年〜04年/毎年『セレブレーション・コンサート』をプロデュース。 95年5月/シングルCD『橋/長らくご無沙汰してるけど』。第3集アルバム『ソリマダン』(初ソロアルバム)。00年6月/イヴ盤アルバム『ガーリックちんどん』(第4集)。01年4月10月/第5集CD『光のエチュード』。故・マルセ太郎の代役で喜劇『イカイノ物語』に出演、全国を巡演。02年4月/一本の映画を独りの唄と語りで演じる【歌うキネマ】公演開始。
■現在までの演目■
「ホタル」「マルコムX」「泣いてたまるか」「風の丘を越えて」「砂の器」「人間であるために」「神様こんにちは」「キクとイサム」。12月第6集CD『彼処此処(おちこち)』。※板橋文夫トリオとのライヴ録音・2枚組。04年3月/歌うキネマ『西便制//風の丘を越えて』全国公演。8月/第7集CD『<恨>歌集』。戦後60周年準備企画『おんな唄つづら折り』ライヴツアー。
■著作・出版物■
『在日朝鮮人民族教育擁護闘争資料集?』(共編、明石書店)。『ニッポンて何やねん?』(共編、セレ・コンCDブック・東方出版)。『英語がわかる』(河合出版)。『ぼくは在日関西人/歌う浪速の巨人・パギやん奮戦記』(解放出版社)。

講義内容
  浪速の歌う巨人「パギやん」こと趙博先生の熱〜い御講義!会場は、あっという間にライブハウス、そして映画館に!涙と笑いで始終盛り上がりました。

 プロローグは、浪曲での自己紹介。そして、テーマソングの「橋」。大阪環状沿線の風景が目に浮かび、においさえも伝わってくるようでした。
 音楽業界の裏事情では、CDの売上や原価についての具体的なお話。国内と海外のコストの違いに驚かされました。
 そして、故マルセ太郎氏の至芸「スクリーンのない映画館」に感銘を受けられたこと。マルセ氏亡き後、先生御自身がその芸を引き継ぎ、演じ続けられているお姿に、参加者は深い感銘を受けたようです。

 「ホタル」や「砂の器」を、お一人で演じられる芸は、生の舞台の迫力があり、先生の魂が感じられ、映画以上の感動がありました。そして、日本映画のみならず、アメリカ映画「マルコムX」まで! もう、もう、驚きの連続でした。

 また、シナリオライターを目指す参加者にとって、大変ありがたかったことは、「人間観察を徹底して描写すると喜劇になる」という、先生の座右の銘であるお言葉を頂けたこと。そしてそのことを、具体例として映画の1シーンを演じて教えて頂けたことです。

 素晴らしい映画の台詞一つ一つに重みがあるように、先生のお言葉にも、重み、そして暖かさを感じました。


参加された方々のお声
・とにかく迫力のある講座でした。取材として情報を得る以上に、充実した時間だったと感じました。「よいとまけの唱」では、自分の中の毒が流されたように思えました。

・趙先生の舞台に思いっきり引きこまれました。「よいとまけの唄」で、少し泣いてしまいました。すべて素晴らしかったです!! 是非コンサートに行かせていただきたいと思います。

・映画を見た時よりもさらに強く情景が浮かんでくる語りと唄。その素晴らしさに感心しました。「ソピョンジェ」は、一度お聞きしたかったので、今日の会は満足でした。
・迫力があって響いてきました。いろいろ活動されていてすごいなぁと思いました。地道に活動されている姿が伝わってきました。ずっと続けていってほしいです。

・語りの良さ、映像以上の力があると再認識しました。歌は語りが原点だったのですね。ありがとうございました。また楽しませていただきます。

・もう楽しかった!とても楽しかったです。そして悲しくて切なくて――でも人間の素晴らしさを感じさせて頂きました。

・大阪の歌、面白かったです。映画はあまり観てないのですが、今回語っていただいた映画、観たくなりました。セリフ、素晴らしいです。映像を想像しました。映像の展開、セリフの重さなどの話も感動しました。

・何度も涙しました。すごい感情移入ですよネ。選んでいただいた題材も素晴らしく、映像が目の前に浮かんでくる感じでした。“人を感動させる”という手段には、色んなことがあるんだなァと思いました。これからもずっと、その素晴らしい声と迫力で才能を活かして、多くの人を感動させてください。是非機会を作って聴きに(観に)行かせていただきます。ありがとうございました。

・優しくて明るくて、アルバイト先の常連さんでもある趙博先生。今日、現場で芸を見せていただいたら、本当に素晴らしかったです。見たことのない映画でも、先生の再現の芸で感動させられました。歌もすごく素晴らしくて、楽しませていただきました。