第10回放課後倶楽部 平成16年3月19日(土曜日) | ||||||
〜朝日放送アナウンサーが語る〜 「今時のアナウンサー事情/民放地方局の場合」 |
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講義内容 |
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早朝や深夜番組担当者を例にあげて起床から就寝までのタイムスケジュールでは、発声練習や緊張感漂う本番前の様子に、宿泊勤務の実態やプライベートタイムのことまで。スポーツ実況アナについては、一人前になるまでの涙ぐましい練習風景や、なった後の地道な努力の様子を、野球を例にあげて生々しくご説明。その他、厳しいといわれる採用試験や、採用されてからデビューまでの様子など、つぶさに話される内容は本当に興味深く、華やかな表舞台の裏で繰り広げられる地道な努力の日々を生々しく伝えるものでした。 中でも印象深いのは、実際の事件を例にあげての、アナウンサーの葛藤やパニックに陥る瞬間、国内外にわたる放送と政治の話、音声言語の特質と、それを生かしての伝達方法……。長いご経歴に基づく奥深い内容は、今講演ならではのものばかり。キャスターとの違いについては、有名人の話も飛び出し、番組作りの背景にも触れることができました。 いろんな角度からこの業界に肉迫した今回。締めくくりの言葉は「視聴者の立場を思いたい」でした。 |
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参加された方々のお声 |
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・ものすごく身近な世界に感じました。特に朝日放送は高校野球という大イベントを抱えているせいか、本当に独特だなと思いました。 ・アナウンサーという職業柄、訓練され、手に入れたものとはいえ、その職業を続ける上で、大勢の方と向き合い、たくさんの事件と関わられ、「伝える」ということに磨きがかかり、大切にされているからだと思いました。シナリオも伝えたいことがあり、それを役者さんの力を得て音声化されるのですが、音になることをより意識したいと思いました。 ・アナウンサーというお仕事を通じて得られる様々な経験、思い、出会い、それらはすべて、人として生きていくことの感動からだと思いました。多忙な中で、それでもいろいろなことを取り込んでいかれる器が、すごいと思ってしまいました。私の中でドラマに使いたいと思うところは、『感情を出さずにただ機械的にしゃべること(アナウンサーが感情をいれることはプロ失格)。その矛盾ジレンマなど』、『アナウンサーは語り部だと言うやりがいを感じる場面』、『視聴者の立場にたって』など。 ・テレビに映って華やかな仕事だけど、すごく大変なんだろうと思っていたのですが、今日、お話をきいて思っていたよりはるかに大変だということがわかりました。「アナウンサーは世の中が今、どのような状況にあるのかを語る語りべ=v。いい言葉だなぁって思いました。 ・泣くアナウンサーがいてもいい。同感です。 ・一番ためになったのは新人アナウンサーがデビューするまでのところです。取材の裏話のところでは、自分がこれから書いていくものがどうあるべきかについて考えなければならないと、身が引きしまる気がしました。 ・戸石氏の第一声を聞いて、そのボリュームの大きさに圧倒されました。泊まり勤務の様子や、野球場でひとり実況の練習をする姿など、ドラマに活かせそうです。 ・人とのつながりを大切にする世界で、そこから生まれてくるドラマをアナウンス原稿として表現されたりするあたりは、さすがプロだなーと感心しきりでした。 ・シラフでこれだけしゃべれるなんて、さすがアナウンサーとただただ圧倒……。伝える手段(使命)を持っている人間は伝えなければならない≠ニいう言葉が印象的でした。作家にも同じことが言えると思います。人に何かを伝えられる人間になりたい…≠ニ改めて思いました。 ・音声言語学と云われましたが、文字にメッセージを込めて相手に伝えることが出来るのは大切、大変なことです。表面の華やかさの裏の段取り、御苦労が判りました。アナウンサーとはひだを震わせて音を発生させ、その音を声に変えて電波にのせて人々に想いを伝えられるのですね。 |
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